彩光の詩 ~Eternal Echoes~

絹咲メガネ

文字の大きさ
10 / 29
1st STAGE ~Eternal Echoes~

第10話【新たな舞台】

しおりを挟む
────────────────――――
彩光さいこううた』登場人物紹介

・読者の皆さまへ。 

 物語は第10話で、第一部の中盤に到達しました。

 霧咲きりさき高校の秋、音楽室のメロディ、桜並木の夕陽――彩花たちの青春は、音と心の共鳴で輝きを増しています。

 ここで、物語を彩る登場人物たちをおさらい! 

 彼らの想いと音楽が、これからどんな光を放つのか、ぜひ一緒に見届けてください!

佐藤さとう 彩花あやか
 本作の主人公。内気で繊細な少女だが、キーボードの鍵盤に触れると心が解き放たれる。シルバーフレームのメガネとピンクのサテン衣装がトレードマーク。凛と結成した「BlossomEchoブロッサムエコー」でキーボードとコーラスを担当し、怜とのセッションで新たな絆を紡ぐ。彼女の才能は、どこまで輝きを放つのか?

栗本くりもと りん
「BlossomEcho」のギター&ボーカル。太陽のような明るさを持つ少女で、彩花の才能を引き出す霧咲高校のスター。学園祭の赤いサテンシャツが輝くステージで、観客を魅了する力強い歌声を持つ。彩花への深い友情と秘めた想いを胸に、音楽で未来を切り開く。彼女の情熱は、どんな壁も越える光となるのか?

高橋たかはし れい
ツインギターの ハードロックユニット 「NightReaverナイトリーヴァー」のギター&打ち込み担当。静かな眼差しと柔らかな笑顔を持つ優しい少年。キーボード経験者の感性で、彩花の安価な機材から響く美しい音に心を震わせる。音楽室のセッションで深まる絆は、どんな旋律を奏でるのか?

山崎やまざき はやて
  「NightReaver」のギタリストで元サッカー部のエース。寡黙だが情熱を内に秘め、重厚なリフと緻密なアレンジでバンドを牽引。怜の兄貴分として、控えめながら力強い支えとなる。学園祭の雷鳴のようなステージを成功させ、動画サイトTubeStreamで届ける彼らの音は、どこまで響き合うのか?

中村なかむら 優奈ゆうな
  彩花の中学時代の親友。図書室で交換したメモが、彩花の閉ざされた心をそっと開いた。優しい笑顔と温かな言葉で彩花を支えたが、突然の転校で音信不通に。彼女の笑顔は、彩花の心にどんな記憶を呼び覚ますのか…?

かなで
  物語の序盤に登場する、赤いフレームのメガネがトレードマークの少女。彩花の幻を追いかけ、美術と音楽の間で心を揺さぶる。絵筆と音が織りなす彼女の物語はいかに…?

あおい
  奏の美術部の親友で、明るく活発な少女。葛藤に揺れる奏の才能に気づき、温かな笑顔で勇気づける存在。彼女のまっすぐな眼差しは、どんな物語を切り開くのか?

これからも彩花たちの音が、読者の皆さんの心に響きますように。

 これまで、比較的スローなペースで進展してきた物語は、後半に向けて一気に加速します。

第10話、どんなメロディが待っているか、ぜひご期待ください!
────────────────――――

・音楽フェスティバルの慌ただしい幕開け・

 霧咲きりさき高校の桜並木が紅葉に輝く。

 秋風がそっと葉を揺らし、校舎に静かな期待が漂う。

 学園祭の熱狂が遠い記憶となる中、「秋の音楽フェスティバル」の開催が急遽決定。

 だが、準備不足が響き、出場予定のバンドが次々と辞退。

 BlossomEchoブロッサムエコーが早々に参加を決めていた一方で、ライブに消極的なNightReaverナイトリーヴァーにも白羽の矢が立てられた。

 音楽室には「本番の様に練習を! 練習の様に本番を!」の横断幕が掲げられ、慌ただしい空気が漂う。

 昼休みの教室、はやてがギターケースを肩に担ぎ、怜に声をかける。

「おい、れい、音楽フェス、出るぞ。実行委員がサッカーのチームメイトで、断れなかったんだよ。」

怜を巻き込んで悪いな……

 颯の無骨な声に、静かな闘志が滲む。

 怜は目を伏せ、小さく頷く。「……うん、人前、緊張するけど……」

彩花さんとまた同じステージで……

 学園祭をドラマチックに彩ったキーボード、ピンクのサテンシャツが光る姿が脳裏をよぎり、心が熱くなる。

 颯がニヤリと笑う。

「お、怜、なんか嬉しそうだな。彩花のキーボードでも思い出したか?」

 怜は顔を真っ赤にして、「……べ、別に……!」と目を逸らし、ギターケースを握りしめる。

 颯は笑い、肩をポンと叩く。

「ま、いい機会だろ。やってやるか!」

怜が乗り気で、ちょっとホッとしたぜ……


・音楽室:交錯する音と心・

 放課後の音楽室、秋の夕陽が横断幕を柔らかく照らす。

 BlossomEchoとNightReaverが別々に練習を重ね、異なる音が響き合う。

 彩花は部屋の奥で、シルバーフレームのメガネ越しに鍵盤を見つめ、ロングヘアが肩に流れる。

このメガネ、地味かな……? りんみたいに華やかになれたら……

 不安が胸をよぎるが、鍵盤に触れると勇気が芽生える。

 音楽なら、私の気持ち、全部言える……彼女のキーボードが星空のような音色を紡ぎ、音楽室を満たす。

 怜は部屋の手前で、颯とギターを調整。

 彩花の音が耳に届き、キーボードに集中する姿に目を奪われる。

彩花さんのメガネ、夕陽に知的に光って……綺麗だ……

 彼女のメロディに心が引きせられる。

あの音、俺のギターと響き合える……

 怜が弦をそっと撫でる仕草に、彩花の視線が止まる。

 あの時、私の音を『星が降るみたい』って感じてくれた怜くん…… 心がこんなに揺れるなんて……

 怜の指が弦を弾き、繊細なアルペジオが柔らかく響く。

 凛がギターを鳴らし、声を弾ませる。

「彩花、秋の音楽フェスもガンガンいくよ!」

 学園祭のレッドのサテンシャツを思い出し、彩花の心が揺れる。

凛の輝き……私に勇気をくれた…… 凛の情熱が部屋を駆け巡る。

 颯が笑う。「相変わらず元気だな。俺たちも負けねえぞ!」と力強いリフを刻む。

 彩花のキーボードと怜のアルペジオが別々に響き、音楽室で交錯する。

怜くんの音、優しいのに力強い……

 彩花は怜の視線を感じ、指が一瞬止まる。

怜くん、また見てた……? 私のこと? それとも凛の明るさに……? 
凛の情熱的な笑顔、まるで太陽みたい…… 私、あんな風に輝けないのかな……

 内気な彩花の心は、怜の優しさと凛の輝きで揺れる。

どっちも私の音を特別にする…… どうしたらいいんだろ……


・揺れる想い:試練の瞬間・

 練習後、音楽室の静寂に夕陽が茜色の光を投げる。

 凛が怜に軽やかな笑顔で話しかける。

「ねえ、怜くん、NightReaverの曲作り、めっちゃ気になる! 颯くんの重いリフと君のアルペジオ、対極なのにバッチリハマるよね。どうやってあのバランス作ってるの?」

 プリーツスカートが軽く揺れ、凛の声が弾む。

 怜は頬をほのかに染め、視線をギターの弦に落とす。

「え、う、うん……、颯がリードしてくれて、俺は……感じたままに弾いてるだけ……」

 言葉が小さくなり、前髪をそっとかき上げる。

凛さん、こんな気軽に話しかけてくるなんて……

 彩花は部屋の奥、キーボードの前でその光景を遠くから見つめる。

 凛と怜が楽しそうに話す姿に心がチクリと痛む。

……私、あんな風に話せない……

 二人の親し気な様子にかすかな嫉妬心がよぎるが、すぐに心を抑える。

凛は私の音を認めてくれる……
こんな気持ち、ダメだよね……

メガネを直し、深呼吸する。

私の音で、怜くんと響き合いたい……

 突然、音楽室のドアが開き、実行委員長が現れる。

「颯、悪い! またバンドが脱退して、NightReaverとBlossomEchoの出番、15分増えた。なんとか頼む!」

 颯が眉をひそめる。「マジかよ……準備足りねえぞ。」

 彩花は緊張で息を呑む。

15分……!? そんなに時間、埋められる……?


・彩花の決断:秋の旋律・

 彩花の胸がざわめく。

今まで凛のリーダーシップに頼ってきたけど、私だってBlossomEchoを輝かせる一員になりたい……!

 彩花は勇気を振り絞り、声を上げる。

「あの……前に弾いてたフレーズ、使えないかな……? まだ完成してないけど……」

あのフレーズ……私の気持ちそのものだった……

 凛の目が輝く。「彩花、それだ! そのアイデアでいこう! 急いで仕上げよう!」

 凛の情熱が彩花の不安を吹き飛ばす。

 颯が頷き、「よし、俺たちもお蔵入りの曲を引っ張り出すか。怜、できるよな?」

 怜は彩花をチラリと見て、小さく頷く。

「……うん、やってみる。」

彩花さんのフレーズ……俺たちと同じステージで響いて欲しい……

 BlossomEchoは彩花の新フレーズを基に急ピッチで新曲を組み上げる。

 彩花のキーボードが星空のような音色を紡ぎ、凛の歌声が力強く響く。

 NightReaverは未公開曲を磨き、怜のアルペジオが新たな輝きを加える。

 音楽室は熱気と緊張に包まれる。

 彩花の心が花開く。

私の音、みんなに届けたい……!

 秋の夕陽が音楽室を照らし、桜並木の紅葉がそよぐ。

次のステージで、私の気持ちを響かせたい……!
────────────────――――
・次回予告:第11話【響き合う心 前編】

 秋の音楽フェスティバル練習最終日、彩花の天才的なプレイの秘密が明かされる! 心を揺さぶられ、互いの鼓動を感じる二人。
 凛の情熱、怜の勇気、彩花の微笑み――二人の音は愛のハーモニーとなるのか? 次回、「響き合う心」、青春のメロディが未来を響かせる!

・読者の皆さまへ

 秋の音楽フェスティバルが急遽決まり、慌ただしい準備の中で、彩花の心が大きく揺れた瞬間…… 自分の音を信じて一歩を踏み出そうとする小さな決意。
 この第9話で、あなたの胸にどんな想いが残りましたか? もし少しでも心が動いたり、応援したくなったりしたなら、ぜひその気持ちを聞かせてください。どんな小さな言葉でも、どんな感情でも、すごく嬉しいです。
 彩花の音が、これからどんなステージで響くのか…… 次回も、一緒にそっと見守ってください。
────────────────――――
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...