彩光の詩 ~Eternal Echoes~

絹咲メガネ

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1st STAGE ~Eternal Echoes~

第13話【予期せぬメロディ】

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────────────────――――
 紅葉が舞う校庭で、秋の音楽フェスティバルが幕を開ける。
 星空のようなメロディを奏でる彩花と、静かに寄り添うれいのギター。

 告白の余韻に胸を高鳴らせながら、二人は新たなステージへ。

 音と想いが響き合う、甘く切ない青春のハーモニー。
――────────────────――

・校庭のざわめき:恋の始まりと準備の慌ただしさ・

 9月の最終日、霧咲きりさき高校の校庭に設けられた小さなステージは、紅葉の桜並木と生徒たちのざわめきに包まれる。

 秋の夕陽がオレンジ色の光を投げ、音楽フェスティバル当日の熱気が漂う。

 昨日、れいが彩花に「好きだ」と告白し、彩花もその気持ちを受け入れたが、恋愛に奥手な二人の間には甘酸っぱいぎこちなさが漂う。

 視線が合うたび、互いに頬を染めて目を逸らし、ライブ準備の慌ただしさの中で言葉を交わす余裕がない。

 ステージ脇で、怜はギターのチューニングを入念に確認する。

 シャツの袖をまくり、緩めたネクタイが繊細な魅力を引き立てる。

彩花さんと話したいのに、準備でタイミングが……

 告白後の新たな関係に胸が弾みつつ、彼女との距離を縮められないもどかしさが心を締め付ける。

 隣で、はやてはギターのエフェクターを淡々と調整。

ライブは面倒だが、観客の歓声は嫌いじゃない……

 怜の緊張には気づかず、音作りに集中する。

 彩花はキーボードのセッティングを進め、メガネ越しの瞳は緊張と期待で揺れる。

 昨日、怜に抱きしめられた温もりが蘇り、心が弾む。

怜くんと話したい…… でも、準備でバタバタしてて…… どうやって……?

 恋愛経験のない彼女にとって、告白後のぎこちなさが新たな試練だ。

 りんがアンプのセッティングとマイクの位置を確認しながら軽快に動き回る。

 白いシャツに青いネクタイ、紺色のプリーツスカートが動きに合わせて軽やかに揺れる。

 彼女の明るい笑顔がステージ脇に活気を添え、彩花に声をかける。

「彩花、準備OK? 今日、めっちゃ盛り上がるよ!」

 彩花の緊張を察し、弾ける笑顔で続ける。

「彩花の真面目なとこ、めっちゃ可愛いよ! 絶対最高のステージになるって!」

 凛の無垢な情熱が彩花の心を和らげるが、彼女の輝く存在感にかすかな気後れを感じる。

私、こんな風にはなれない…… でも、怜くんは私の音を……

 彩花は小さく頷き、「……うん、頑張るね」と呟く。


・ステージの熱:響き合う音・

 ライブが始まり、NightReaverナイトリーヴァーの怜と颯が最初にステージに上がる。

 制服姿の二人がスポットライトに照らされ、怜の指が弦を滑り、鋭いアルペジオが校庭を切り裂く。

 颯の重低音リフが地面を震わせ、観客の歓声が波のように押し寄せる。

 学園祭で披露した「Thunderサンダー Pulseパルス」に続き、怜が作曲した「Digディグ Stormストーム」を演奏。

 怜が用意したバックトラックによるシンセベースが重厚に響き、颯の力強いリフが絡む。

「この『Dig Storm』、颯と出会った頃の俺の全てだ…… 夜な夜なシーケンサーで試行錯誤して作った初めての曲……」

 彩花と話せなかったもどかしさを音に込め、彼女への想いを静かに表現する。

この演奏、彩花さんに届いてほしい…… 

 彩花はステージ脇から怜の演奏を見つめ、胸が高まる。

怜くんのギター……私のために弾いてくれてる気がする……

 颯は淡々と演奏を始めたが、観客の熱狂に火がつき、ソロで派手なタッピングを繰り出し、会場を沸かせる。

ライブ、悪くないな……怜もいい感じだ

 NightReaverの演奏が校庭を揺らし、拍手喝采が空に響く。

 観客の期待が膨らみ、BlossomEchoの出番を待つ。

 演奏後、颯は凛の依頼でマイクに向かい、気恥ずかしそうにアナウンス。

「……えっと、次は……BlossomEchoブロッサムエコーです。よろしく……」

 怜と颯はステージを降り、彩花と凛の出番を待つ。

 更衣室で、彩花と凛はライブ用の衣装に着替える。

 凛はレッドのサテンシャツと黒いミニスカートをまとい、動きに合わせてサテンが炎のように揺れる。

 彩花は淡いピンクのサテンシャツとプリーツスカートを身に着け、光を反射する滑らかな感触が静かな勇気をくれる。

このサテン…… 私に力をくれる……
怜くんに、届いてほしい……

 凛の輝く衣装に気後れしながらも、怜への想いが彼女を支える。

 凛は彩花を見て、弾ける笑顔で言う。

「彩花、そのピンク、めっちゃ似合ってる! 絶対可愛いよ! ステージ、盛り上げようね!」

 彩花は小さく微笑み、「……うん、ありがとう、凛……」


・情熱のハーモニー:天使の微笑み・

 ステージに上がる瞬間、凛が彩花の手を握り、「よし、行くよ!」と笑顔で言う。

 彩花は頷き、怜の視線をどこかで感じ、胸が高まる。

 BlossomEchoの新曲「Stardustスターダスト Breezeブリーズ」が初披露される。

 彩花が肩を揺らし、ロングヘアが鍵盤に合わせて揺れる。

 ピンクのサテンシャツが光り、彩花に勇気を注ぐ。

 彼女の指が鍵盤を舞い、星屑のような輝きを紡ぐ。

 シンプルなコードからテンションコードを織り交ぜ、秋の夕陽のような切なさが凛の情熱的な歌声と響き合う。

 凛がマイクを握り、ステージを駆け、彩花のハーモニーに乗って歌声を響かせる。

 レッドのサテンが翻り、笑顔が観客を煽る。

 彩花の緊張が溶け、怜への想いを鍵盤に刻む。

私の音、怜くんに……!

「Stardust Breeze」は、怜のアルペジオに呼応した彩花の感性が結晶した曲だ。

 彼女のフットスイッチがリズムを刻み、エレピの温かみからピアノのアタック感へ瞬時に切り替わり、星空のような輝きを放つ。

 演奏に没入する彩花の唇に、静かな天使のような微笑みが無意識に浮かぶ。

 学園祭の初々しさから一変、余裕のある表情で複雑な和音を軽やかに響かせる。

 怜はステージ脇から目を輝かせる。

あのセッションから生まれたフレーズが、こんなハーモニーに……!

それに、あの微笑み……

 普段の内気な彩花さんとは別人みたいだ。まるで天使が音を紡いでる…… 

声量の弱いボーカルなら埋もれる複雑な和音なのに、彩花の音は凛を輝かせる。

 演奏が頂点に達し、彩花が華やかなアルペジオを刻み、音色が虹のように広がる。

 凛がサビを力強く歌い上げ、観客が息を呑み、拍手が沸き起こる。

 演奏が終わると、歓声が校庭を満たす。

 彩花と凛は笑顔で手を振り、ステージを降りる。

 彩花の心は、演奏の成功と怜への想いで高揚する。

怜くん、見ててくれたよね……


・フィナーレのサプライズ:触れ合う心・

 全てのバンドの演奏とパフォーマンスが終了し、フェスティバルのフィナーレとして、出演者全員で流行りのヒットソングを歌うセッションが始まる。

 だが、オリジナル曲にこだわる怜、彩花、颯、凛はヒットソングに疎く、ぎこちない笑顔でマイクを握る。

 狭いステージで四人が肩を寄せ合い、彩花のピンクのサテンが怜の腕に触れ、光が揺れる。

 滑らかな感触が怜の心を刺激し、倉庫での抱き合いの記憶が蘇る。

彩花さん、こんな近くで……

 彩花も怜のまくった袖と緩めたネクタイに心を奪われ、ドキドキが止まらない。

 颯は無表情で「ラララ」と口ずさみ、凛は歌詞を間違えつつ、笑ってごまかす。

「やっちゃった! まあ、盛り上がればいいよね!」

 四人のぎこちなさが観客の笑いを誘い、ステージは和やかな熱気に包まれる。

 フィナーレが終わり、拍手喝采の中、四人は笑顔で手を振ってステージを降りる。


・言葉を超えた絆:新たな一歩・

 観客が帰り始め、校庭が静けさを取り戻す中、颯と凛は主催者に呼ばれてテントへ。怜と彩花はステージ近くで二人きりになる。

 夕暮れの校庭、彩花のピンクのサテンシャツが最後の陽光にキラキラと輝く。

 怜は彼女の姿に目を奪われ、告白時の勢いが戻る。

「彩花さん……その……今日のサテンシャツ、めっちゃ似合ってる……。『Stardust Breeze』、すごかった……。俺、彩花さんの音、ほんと好きなんだ……」

 彩花は怜の言葉に息を呑み、喜びが胸を満たす。

怜くん、私のサテン、好きって……?

 メガネを直し、はにかむ。

「……怜くん、ありがとう……。私も……サテンシャツ、好き……。ね、怜くん……着てみたらどうかな? 絶対、似合うよ……」

 怜の瞳が輝く。

俺がサテンシャツ……? 彩花さんと同じ衣装で……

「……うん、試してみたいかも……。彩花さんと一緒にね……」

 彩花は頷き、「うん……一緒に、ね……」と照れる。

 怜の言葉が彼女の心を温める。

 颯が凛と笑いながらテントから戻り、彼女の冗談に応えつつ呟く。

「運営、グダグダすぎだろ。スケジュールめっちゃズレてたぞ。あいつ、サッカーでも変なパスばっか出してきてさ―― 今日もサイドラインに思い切りぶち込んでた感じだわ。」

 凛が笑う。「ははは! 確かに! でもさ、ズレたおかげで私たちの出番長くなったし、お客さんも楽しめたんじゃない?」

 凛が彩花に目を向ける。

「彩花、怜くんと楽しそう! ライブ、めっちゃよかったよね! 彩花って演奏に集中すると、菩薩ぼさつみたいに微笑むんだよね、
今日も菩薩スマイル全開だったし、もっと自信持っていいよ!」

 彩花の頬が赤く染まる。

「え、菩薩って……! 凛、からかわないで……」

 そんな風に弾けてるなんて、私、気づかなかった……

 怜は小さく笑う。

菩薩の微笑み……? なんか、わかる気がする…… 

彩花さんの優しさと音楽への愛情が見えた。
あの笑顔、ほんと特別だった……

 彩花は、凛の「もっと自信持っていいよ!」に胸が温まる。

 中学の冬、優奈ゆうなが転校前に残した「もっと自信持ってね!」のメモがふと蘇る。

優奈ちゃん……今、何してるかな……

 颯は口元に笑みを浮かべ、内心で応援する。

怜と彩花、お似合いだな……いい感じじゃん……

 夕暮れの校庭で、彩花と怜は互いの想いを共有し、関係が深まる予感を感じる。

 秋の音楽フェスティバルは、二人の新たな絆を刻み、未来のメロディを予感させた。
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・次回予告:第13話 【怜の決断】

 衣替えの季節を迎え、怜と彩花の恋は順調に進む。だが、凛と怜の親しげなやり取りを目撃した彩花の心に、不協和音が鳴り響く。
 暗闇に沈む彩花を救うべく、怜はある提案を持ちかける。次回、「怜の決断」、青春の音が新たなドラマを紡ぐ!

・読者の皆さまへ

 彩花と怜の想いが静かに深まった瞬間…… ステージの熱気の中、二人が互いの音と心を寄せ合った瞬間…… もし、少しでもドキドキしたり、温かくなったりしたなら、ぜひその想いを聞かせてください。どんな小さな言葉でも、すごく嬉しいです。
 二人の愛と音のハーモニーを、次回も一緒に見守ってください。
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