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プロローグ

追放

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 「「聖女様、ようこそ!!!」」
 2人のイケメンが、話しかけてきた。

 「え?どうなっているの??」
 「ここはどこかしら??」

 「.........」
 相変わらず2人は、うるさいなぁ.........

 「「おぉ!こんなにも美しい姫が2人も!
 美しい姫、ぜひあなた方のお名前をお教え下さい。」」

 「は、はい!佐藤 魅杏、18歳ですわ!」
 「はい!!佐藤 魅音、同じく18歳ですわ!」
 語尾に〝わ〟をつけちゃって偉そうに.....
 ていうか、あの男2人のデレデレのあの顔なんなの?本当にキモイんですけど.....

 「おい、そこのお前も名前を言え!」 
 片方の男が意味わからないことを言ってますね。なぜ、あなたの言うことを聞かなければならないの?

 「.........なぜ、知りもしないあなた方に名前を言わないといけないんですか?」

 「もういい、お前なんぞに興味はない。一応いたから、名を聞いただけだ。
 それより美しい姫、我々の自己紹介がまだでしたね。

 私はこの国の第1王子のクラアです」
 
 「そして、私が第2王子のクライです。
 この国はラティス王国と言って、聖女様のお力をお貸しして頂きたいのです。」

 「まぁ!そうなんですの!」
 「まぁ!力を貸すくらいいいですわよ!」

 「.........」
 なんだろうこの茶番劇.....早く終わらないかな?

 「ありがとう!早速で悪いが魅杏、俺と結婚してくれ。君に一目惚れした!」
 「魅音、俺と結婚してくれ。俺も、君に一目惚れしたんだ!」

 「はい!!もちろん!」
 「はい!!よろしくお願いします!」

 「.........」
 ねぇ、私の存在忘れてるよね?はァ.....

 「「魅杏、魅音を嫁にする!この2人のが聖女に決まっている!!」」

 「「「おめでとうございます!王子様!」」」
 パチパチパチパチパチパチ


 
 「あの~私はどうしたらいいんですか?」

 「.....お前のようなものは、聖女ではない!!出て行け!!そこの騎士、外へ捨ててこい!」


 .........あ、そうですか。いいでしょう、こっちから出ていってあげます。
 ちなみに、どうなっても知りませんからね。
 ふふふ.........

 なぜかって?私が、本当の聖女だからに決まっているじゃない。

 さてさて、これからが楽しみだわ!
なにか、素敵な出会いがあるといいけど.........



 これは、本当の聖女が、追放されたある日の出来事である。

 
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