追放された私が、本当の聖女ですがなにか??

天音 翔

文字の大きさ
3 / 6
1章

最初の出会い

しおりを挟む

 「はぁ.........勢いあまって出てきちゃったけど.....どうしよう.........」
 この国の名前以外知らないし.........それに、ここどこ???


 カサカサカサカサ
ん??何かしら、草むらから音がする.....
 
 『クゥーン.....』

 あ!可愛い狼ちゃんだ!!
 あれ?怪我をしてるじゃない!!
 「痛いことしないから、傍によってもいい?
 すぐに怪我を癒してあげるから.........」
 
 その言葉を理解したのか、その狼は力ない声で『ガゥッ.....』と返事をしてくれた。
 相当怪我が辛いのだろう.....徐々に呼吸が浅くなっている。

 私は、そばに近づくとこの子の傷を癒せと心の中で唱えながら傷が癒えるイメージをした。

 やり方は知っていたけどはじめて力を使うから、とにかく気持ちとイメージをとにかく頑張って目の前の消えかかった小さな命を救うことを一番に意識する。



 
 『キュゥーン!!ガゥガゥ!!』
 しばらくして、傷が癒えた狼は尻尾を振りながら元気な声をあげた。
 そして私は、この狼ちゃんが伝わらない言葉で何かを必死に伝えようとしていることに気がついた。

 「良かった!元気になったのね!!
 ん???なにか伝えたいの??

 んー、もしかして!
 あなたも行く所がないの??」

 『ガゥガゥ!!』

 「そうなのね.....なら、私と一緒に行く?」

 『ガゥ!!!』
 狼ちゃんは、元気に返事をした。

 「そう!なら、さっそく出発しましょうか!
 行きましょう狼ちゃん。」

 『ガゥ!ガゥガゥ!!』

 「どうしたの??狼ちゃん」

 『ガゥ!ガゥ!!』

 「もしかして、狼ちゃんって呼び方が嫌なの?」

 『ガゥ!』

 「そうなのね.....なら、名前をつけてあげる!」
   そうね.....真っ白の毛に星空のようなキラキラとした瞳だから.....

 「ヨゾラ」

 《ピロン》

 〖 創造神ウラノスの名において、聖女として我が愛し子イオリ・サクラバを認め、聖女イオリ・サクラバと最上位神獣ネオ・フェンリルとの契約を認める。〗
 
 《創造神に認められたことにより神獣の最上位種、ネオ・フェンリルとの契約を完了しました》

「え!?え!?な、なに!!」
 え!創造神!?フェンリル??
 なんで頭に、声が聞こえるの!?!?

 「イオリ、助けてくれてありがとう!!
ご主人様、これからよろしくね! 」

 え!?
 
 「待って、待って、全然わかんないんだけど!
 狼ちゃんはフェンリルで、私と契約して、それを創造神様が認めてくださったってこと??

 んーーー!!全然わかんない!!!!」

 「イオリ、それであってるよ??
 そんなに深く悩むことじゃないよ!!だってイオリは、あんなやつらと違って本当の聖女なんだから。

 それより、ご主人様はこれからどうするの??」

 「そうね.....どこに行こうかな......
 でも、私この世界のこと何も知らないんだよね..........」

 「イオリ!!行くところないなら僕の国に行こ~
 とってもいい国だよ!!モフモフいっぱいいるよ!

行く??(キューン」

 .........行く所もないし、ヨゾラの国に行こu.....今、モフモフって言いました!?
 モフモフですって!?もちろん行きます!!
 〔庵は、モフモフなものが大好きなのだ!!〕

 「ぜ、ぜひ!連れて行って、ヨゾラ!!」

 「うん、ご主人様!そう来なくっちゃ!」

 こうして私は、正式に創造神ウラノス様に聖女とも認められ神獣の最上位種、ネオ・フェンリルのヨゾラという心強い仲間を手に入れたのだった。



 ヨゾラの国に行くまでの道のりで数多くの出会いが待っていることを、まだ私は知らない.....


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】そうは聖女が許さない〜魔女だと追放された伝説の聖女、神獣フェンリルとスローライフを送りたい……けど【聖水チート】で世界を浄化する〜

阿納あざみ
ファンタジー
光輝くの玉座に座るのは、嘘で塗り固められた偽りの救世主。 辺境の地に追いやられたのは、『国崩しの魔女』の烙印を押された、本物の奇跡。 滅びゆく王国に召喚されたのは、二人の女子高生。 一人は、そのカリスマ性で人々を魅了するクラスの女王。 もう一人は、その影で虐げられてきた私。 偽りの救世主は、巧みな嘘で王国の実権を掌握すると、私に宿る“本当の力”を恐れるがゆえに大罪を着せ、瘴気の魔獣が跋扈する禁忌の地――辺境へと追放した。 だが、全てを失った絶望の地でこそ、物語は真の幕を開けるのだった。 △▼△▼△▼△▼△ 女性HOTランキング5位ありがとうございます!

聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。 そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来? エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

私が偽聖女ですって? そもそも聖女なんて名乗ってないわよ!

Mag_Mel
恋愛
「聖女」として国を支えてきたミレイユは、突如現れた"真の聖女"にその座を奪われ、「偽聖女」として王子との婚約破棄を言い渡される。だが当の本人は――「やっとお役御免!」とばかりに、清々しい笑顔を浮かべていた。 なにせ彼女は、異世界からやってきた強大な魔力を持つ『魔女』にすぎないのだから。自ら聖女を名乗った覚えなど、一度たりともない。 そんな彼女に振り回されながらも、ひたむきに寄り添い続けた一人の少年。投獄されたミレイユと共に、ふたりが見届けた国の末路とは――? *小説家になろうにも投稿しています

召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます

かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~ 【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】 奨励賞受賞 ●聖女編● いきなり召喚された上に、ババァ発言。 挙句、偽聖女だと。 確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。 だったら好きに生きさせてもらいます。 脱社畜! ハッピースローライフ! ご都合主義万歳! ノリで生きて何が悪い! ●勇者編● え?勇者? うん?勇者? そもそも召喚って何か知ってますか? またやらかしたのかバカ王子ー! ●魔界編● いきおくれって分かってるわー! それよりも、クロを探しに魔界へ! 魔界という場所は……とてつもなかった そしてクロはクロだった。 魔界でも見事になしてみせようスローライフ! 邪魔するなら排除します! -------------- 恋愛はスローペース 物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!

夏芽みかん
ファンタジー
生まれながらに強大な魔力を持ち、聖女として大神殿に閉じ込められてきたレイラ。 けれど王太子に「身元不明だから」と婚約を破棄され、あっさり国外追放されてしまう。 「……え、もうお肉食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?」 追放の道中出会った剣士ステファンと狼男ライガに拾われ、冒険者デビュー。おいしいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。 一方、魔物が出るようになった王国では大司教がレイラの回収を画策。レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。 ※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。 【2025.09.02 全体的にリライトしたものを、再度公開いたします。】

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

【完結】偽物聖女として追放される予定ですが、続編の知識を活かして仕返しします

ユユ
ファンタジー
聖女と認定され 王子妃になったのに 11年後、もう一人 聖女認定された。 王子は同じ聖女なら美人がいいと 元の聖女を偽物として追放した。 後に二人に天罰が降る。 これが この体に入る前の世界で読んだ Web小説の本編。 だけど、読者からの激しいクレームに遭い 救済続編が書かれた。 その激しいクレームを入れた 読者の一人が私だった。 異世界の追放予定の聖女の中に 入り込んだ私は小説の知識を 活用して対策をした。 大人しく追放なんてさせない! * 作り話です。 * 長くはしないつもりなのでサクサクいきます。 * 短編にしましたが、うっかり長くなったらごめんなさい。 * 掲載は3日に一度。

処理中です...