丘の上のお姫様~姫島 皐月の場合~

よしき

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丘の上のお姫様~姫島皐月の場合~10

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  次の日の事。
  私は、いつものようにエステサロンへと来ていた。
「月島さん、昨日はお電話で済みませんでした。今日もよろしくお願いします。」
「お待ちしておりました、木崎様。こちらこそ、ワザワザのお電話、ありがとうございます。」
  月島さんは、いつものように優しく微笑みかけてくれる。昨日、私が突然変な電話をかけたと言うのに、相変わらずだ。
  私達はいつものようにエステの個室へと入っていった。
  相変わらず、甘くむせかえるようなバラの香りは、私の心を和らげ、そして頭をクリアーにしてくれる。
  「結婚式まで後少しですけれど。その、私達のお話を受けてくださいますか?」
  服を着替えると私は、施術台の方へと向かった。
「ええ。お二人のお気持ちに私は、感謝したいくらいです。」
  月島さんは、私が施術台の上に座るとそう言って笑みを顔に浮かべた。
「結婚式の後・・・そう聖さんから言われたので、私もお義母様もそれで進めています。」
  「そうですね。とりあえずは、お式が一段落をしないと。私も落ち着かないですからね。」
  二人でそんな話をやり取りしながら、いつものように手のマッサージから始めていく。
  「私達も月島さんと意見が合って、本当にうれしいです。きっと、素敵なお見合いになると思います。」
  「ですが・・・本当によろしいんですか?」
  私が施術台に横になると、月島さんが少し心配気味に私に話しかけた。
「多分・・・でも、そのときはきっと大丈夫ですよ。」
  私は、ニッコリと頬笑む。
「お義母様も、そのときは何とかなるっておっしゃっていましたから」
  月島さんは、小さくため息をついた。
「全く、あなた方女性は。恐ろしいですね。」
  「でも、結果として良ければ。私たちも、そうあって欲しいと思いますから・・・」
  本格的に体のマッサージが始まると、私は、言葉数が減っていった。
 「しかし奥さまは、もっと怖い人ですね。私の本心を見抜いていたんだなんて。さすが、『王家の女帝』とだけ言われておられる方です。」
  月島さんは、マッサージを行いながらそう言う。確かに。男の人からしたら、お義母様はそう言う方に見えるかもしれないけれど。
「でも、たった一目見ただけで分かってしまうくらい、もどかしかったんでしようね。」
  そう私は、気もちよさに負けないように声を出す。
「さあ、あと数日でお式です。エステもあと数回で終わります。私もここまでしていただいた分。しっかりと施術させていただきます。」
  「式が終わっても、時々ならエステに通わせてもらいますね。」
  私達二人は、お互いに頬の筋肉がゆるみ、笑い声が口からこぼれていた。
  

  
  
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