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丘の上のお姫様~姫島皐月の場合~9
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お義母様に会った(聖さんは、『拉致』だと言っていたけれど)日から、聖さんとも話をして、エステに行く傍ら、マナーも教えてもらうようになった。
エステの日ではない時に皐月さんに、別宅で教えてもらうので、ほぼ毎日皐月さんと顔を合わせる。
「結婚式まで、後一週間。そんなペンギンみたいな歩き方では、転んでしまいますわよ!」
「ほら、またですわ。珠子さん、そこは違いましてよ。3才児でもそんなお恥ずかしいことをしませんわ。よく、巴おば様がお会いしたものですわね。」
「響さんと環さんのお子様ですのに。中身はどこの誰に似たんですの?」
「バカな子ほど可愛いって、本当ですのね。聖さんの気が知れませんわ?」
・・・教え方は丁寧だが。どうも毒舌は、姫島家の家風のようで。(皐月さんは、お義母様の姪) マナーを覚えるよりも前に、心が折れそう・・・私は、ふとそう思った。
「そう言えば、皐月さん。エステサロンの経営は順調だと、聖さんから伺いましたよ。」
私がそう言うと、一瞬皐月さんは目を見開いた。
「あなたの口から経営の話が出るとは、思いもしなかったですわ。」
「私も聖さんから、少しは話を聞くことがあるもので。」
私は、苦虫を噛む様な気持ちを隠して、皐月さんに笑顔を見せた。
「何しろ店長の月島さんの人気が上がってきているって。」
「まあ、私が認めただけある腕前ですもの。当然ですわ。」
皐月さんも嬉しげだ。
「ゆくゆくは、月島に帝国財閥の展開するエステサロンを、彼に統括していって欲しいとすら思っておりますの。」
皐月さんの誇らしい表情。私は、少し残念そうな表情をした。
「でも、残念です。聖さんは、そう思っていないみたいです。」
「それは、どう言うことですの?」
私達二人は、マナーの練習を休憩して、ティータイムとすることにした。
執事さんにお願いして、お茶の用意をしてもらっていた部屋に移動する。そして、先程の話を続けることにした。
「先程の月島さんの話なんですけれど。お義母様が月島さんのことを気に入っておられるみたいで。どこかのお家の娘さんと、お見合いをさせようかとおっしゃっているんだそうです。」
皐月さんは、やや顔色が青くなったように見えた。
「そんな・・・巴おば様。勝手なことを。」
私も大きくうなずいて見せる。
「そうですよね。皐月さんの断りもなく、お見合いだなんて。でも、月島さんもお付き合いされている方がいないみたいだから、断る理由も無いし。」
私の一言に、皐月さんは言葉数が少なくなっていった。
「そうですわね・・・所で、お見合いはいつですの?」
「何でも、私達の結婚の後すぐみたいですよ。まあ、結婚式は、月島さんもお義母様もおこしになりますし・・・」
その後少し考え込むと、皐月さんは、席を立った。
「ごめんなさい、少し気分が悪くなりましたの。」
そういうと、今日は、これで帰らせてもらうと言いだした。私も、そうした方がいいと言うと、一目散に皐月さんは家へと帰ってしまった。
エステの日ではない時に皐月さんに、別宅で教えてもらうので、ほぼ毎日皐月さんと顔を合わせる。
「結婚式まで、後一週間。そんなペンギンみたいな歩き方では、転んでしまいますわよ!」
「ほら、またですわ。珠子さん、そこは違いましてよ。3才児でもそんなお恥ずかしいことをしませんわ。よく、巴おば様がお会いしたものですわね。」
「響さんと環さんのお子様ですのに。中身はどこの誰に似たんですの?」
「バカな子ほど可愛いって、本当ですのね。聖さんの気が知れませんわ?」
・・・教え方は丁寧だが。どうも毒舌は、姫島家の家風のようで。(皐月さんは、お義母様の姪) マナーを覚えるよりも前に、心が折れそう・・・私は、ふとそう思った。
「そう言えば、皐月さん。エステサロンの経営は順調だと、聖さんから伺いましたよ。」
私がそう言うと、一瞬皐月さんは目を見開いた。
「あなたの口から経営の話が出るとは、思いもしなかったですわ。」
「私も聖さんから、少しは話を聞くことがあるもので。」
私は、苦虫を噛む様な気持ちを隠して、皐月さんに笑顔を見せた。
「何しろ店長の月島さんの人気が上がってきているって。」
「まあ、私が認めただけある腕前ですもの。当然ですわ。」
皐月さんも嬉しげだ。
「ゆくゆくは、月島に帝国財閥の展開するエステサロンを、彼に統括していって欲しいとすら思っておりますの。」
皐月さんの誇らしい表情。私は、少し残念そうな表情をした。
「でも、残念です。聖さんは、そう思っていないみたいです。」
「それは、どう言うことですの?」
私達二人は、マナーの練習を休憩して、ティータイムとすることにした。
執事さんにお願いして、お茶の用意をしてもらっていた部屋に移動する。そして、先程の話を続けることにした。
「先程の月島さんの話なんですけれど。お義母様が月島さんのことを気に入っておられるみたいで。どこかのお家の娘さんと、お見合いをさせようかとおっしゃっているんだそうです。」
皐月さんは、やや顔色が青くなったように見えた。
「そんな・・・巴おば様。勝手なことを。」
私も大きくうなずいて見せる。
「そうですよね。皐月さんの断りもなく、お見合いだなんて。でも、月島さんもお付き合いされている方がいないみたいだから、断る理由も無いし。」
私の一言に、皐月さんは言葉数が少なくなっていった。
「そうですわね・・・所で、お見合いはいつですの?」
「何でも、私達の結婚の後すぐみたいですよ。まあ、結婚式は、月島さんもお義母様もおこしになりますし・・・」
その後少し考え込むと、皐月さんは、席を立った。
「ごめんなさい、少し気分が悪くなりましたの。」
そういうと、今日は、これで帰らせてもらうと言いだした。私も、そうした方がいいと言うと、一目散に皐月さんは家へと帰ってしまった。
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