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丘の上のお姫様~姫島皐月の場合~12
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結婚式前日。姫島家より、皐月さんは風邪との連絡があって。あれから結局、皐月さんの顔を見ることはなく、今日の日まで来てしまった。
心配になった私は、朝食後に、聖さんにその事を相談した。聖さんは、
「タマちゃんが困ることではないよ。俺の方こそ、まさか皐月がそんなことになっているとは思わなかったよ。」
そう、優しく慰めてくれた。しかし、その言葉は、今の私には『焼け石に水』であった。
「でも、私が上手く立ち回らなかったせいで、皐月さんとこんなことになるんだなんて・・・式の時は、皐月さんにどうしても来てもらいたいのに。どうしたらいいの・・・」
私は聖さんに呟いた。
聖さんは、少し困ったように私を見つめる。
「手がない訳ではないんだが・・・」
聖さんは、少々笑顔を我慢しながら私に話しかけた。
「多分。皐月はタマちゃんに会いたいと思っているはずさ。」
「本当に?」
私は聖さんの顔をのぞきこむ。聖さんは優しく私を抱き締めると、さらに優しいキスをしてくれた。
「それには、当事者にも協力してもらわないといけないな。丁度俺も明日の事で今日はフリーだから。」
聖さんがスマホを手にすると、その場で2回電話をかけた。1回目の電話は、用件を話すとすぐに話が終わった。2回目は、皐月さんであるらしく、電話の向こうで抵抗している様な様子であった。が、聖さんが何やら話をするとすぐに穏やかになり、私が思うよりもアッサリと聖さんの電話は終了した。
聖さんは、にこやかに私に笑いかける。
「午後一番に二人、客が来ることになった。早速に迎える準備をするとしよう。」
聖さんは私に微笑みかけると、再び私を抱き上げた。
さて、その日の午後。最初に別宅にやって来たのは皐月さんであった。
皐月さんは、少し顔色が悪く、表情が硬くなっていた。こんな皐月さんを見るのは始めてだった。
「やあ、皐月。体調が悪いとは聞いていたんだが。よくきてくれた。実は、明日の前にどうしても仕事の件で君に会わせたい人がいてね」
聖さんは、なにも知らないかのように立ち振る舞う。私も、それに合わせて話をする。
「聖さんのたのみですもの。お気になさらないで・・・」
流石の皐月さんも、仕事の事となると専務という立場上、断れないらしい。
しばらく、雑談をしていると、
「旦那様、お越しになられました」
執事の藤巻さんがノックと共に姿を表した。
「分かった、今いく。二人とも、少し席をはずすよ」
聖さんは、そういって部屋から出ていった。
私は、皐月さんと二人っきりになったのをチャンスとばかりに、話しかけた。
「皐月さん、先日はごめんなさい。私・・・」
「別に気にしてませんわ。そんなこと。」
「私、明日の結婚式にはどうしても皐月さんに来て、祝ってもらいたいの」
私が皐月さんにそう言うと、皐月さんは小さくため息を着いた。
「全く。私、明日は出ますわよ。」
「え?」
「私も、珠子さんには大人毛ない態度をとりましたもの・・・」
私は、マジマジと皐月さんを見つめた。流石の皐月さんも、少しバツが悪そうにそっぽを向いている。
「本当に?」
半分泣きそうな気持ちになりながら私が呟くと、
「だって、私達の仲ですもの・・・」
照れたように頬を赤らめて、皐月さんはそう言ういった。
心配になった私は、朝食後に、聖さんにその事を相談した。聖さんは、
「タマちゃんが困ることではないよ。俺の方こそ、まさか皐月がそんなことになっているとは思わなかったよ。」
そう、優しく慰めてくれた。しかし、その言葉は、今の私には『焼け石に水』であった。
「でも、私が上手く立ち回らなかったせいで、皐月さんとこんなことになるんだなんて・・・式の時は、皐月さんにどうしても来てもらいたいのに。どうしたらいいの・・・」
私は聖さんに呟いた。
聖さんは、少し困ったように私を見つめる。
「手がない訳ではないんだが・・・」
聖さんは、少々笑顔を我慢しながら私に話しかけた。
「多分。皐月はタマちゃんに会いたいと思っているはずさ。」
「本当に?」
私は聖さんの顔をのぞきこむ。聖さんは優しく私を抱き締めると、さらに優しいキスをしてくれた。
「それには、当事者にも協力してもらわないといけないな。丁度俺も明日の事で今日はフリーだから。」
聖さんがスマホを手にすると、その場で2回電話をかけた。1回目の電話は、用件を話すとすぐに話が終わった。2回目は、皐月さんであるらしく、電話の向こうで抵抗している様な様子であった。が、聖さんが何やら話をするとすぐに穏やかになり、私が思うよりもアッサリと聖さんの電話は終了した。
聖さんは、にこやかに私に笑いかける。
「午後一番に二人、客が来ることになった。早速に迎える準備をするとしよう。」
聖さんは私に微笑みかけると、再び私を抱き上げた。
さて、その日の午後。最初に別宅にやって来たのは皐月さんであった。
皐月さんは、少し顔色が悪く、表情が硬くなっていた。こんな皐月さんを見るのは始めてだった。
「やあ、皐月。体調が悪いとは聞いていたんだが。よくきてくれた。実は、明日の前にどうしても仕事の件で君に会わせたい人がいてね」
聖さんは、なにも知らないかのように立ち振る舞う。私も、それに合わせて話をする。
「聖さんのたのみですもの。お気になさらないで・・・」
流石の皐月さんも、仕事の事となると専務という立場上、断れないらしい。
しばらく、雑談をしていると、
「旦那様、お越しになられました」
執事の藤巻さんがノックと共に姿を表した。
「分かった、今いく。二人とも、少し席をはずすよ」
聖さんは、そういって部屋から出ていった。
私は、皐月さんと二人っきりになったのをチャンスとばかりに、話しかけた。
「皐月さん、先日はごめんなさい。私・・・」
「別に気にしてませんわ。そんなこと。」
「私、明日の結婚式にはどうしても皐月さんに来て、祝ってもらいたいの」
私が皐月さんにそう言うと、皐月さんは小さくため息を着いた。
「全く。私、明日は出ますわよ。」
「え?」
「私も、珠子さんには大人毛ない態度をとりましたもの・・・」
私は、マジマジと皐月さんを見つめた。流石の皐月さんも、少しバツが悪そうにそっぽを向いている。
「本当に?」
半分泣きそうな気持ちになりながら私が呟くと、
「だって、私達の仲ですもの・・・」
照れたように頬を赤らめて、皐月さんはそう言ういった。
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