丘の上のお姫様~姫島 皐月の場合~

よしき

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丘の上のお姫様~姫島皐月の場合~13

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  結婚式前日に私と皐月さんは、そんなこんなでなんとか仲直りをすることが出来た。
  私達は、聖さんが来るまでの間、少し話をすることとなり・・・
  その話を聞いて、私はさらに皐月さんが大切に思えた。
  皐月さんとは、親戚というか、姉妹というか、大切な友達・・・多分、皐月さんもそうなのかもしれない。私も皐月さんも一人子だから。
  皐月さんは、照れながらも話終えると、
「お笑いにならないでくださいな」
 と、少し自信無さを覗かせる。
  私は、いつもの強気な皐月さんと違う所が、さらに好きになった。
「大丈夫ですよ。私も実は、明日が怖いんですから。」
私達は、お互いにみつめあうと、何故だかおかしくって。思わず大声で一緒に笑った。
  その時。
  丁度、部屋をノックする音がした。
「お嬢様方、いいかな⁉」
  部屋の入り口に目をやると、そこには聖さんと月島さんが立っていた。
  私は、すぐに皐月さんに振り返える。皐月さんは、耳まで顔を赤くしていた。
「二人とも仲直りが出来たみたいだから、今度は月島君と皐月の番かな?」
  聖さんは、ニッコリと笑う。隣にいる月島さんは、かなり緊張をした表情である。月島さんは、聖さんの後方から前に出てきた。そして、一息深呼吸すると、皐月さんの前まで来た。
「姫島・・・いえ、皐月さん。私は大奥様や木崎様から、お見合いを勧められていました。」
  皐月さんは、真一文字に唇をきつく結んだまま、月島さんを見つめている。しかし、それでも月島さんの口調は変わらない。皐月さんは小刻みに震えている。
「私は、幸運だと。それまでずっと思っていたんです。なにもしなくても、欲しいものが手に入るっと。でも、先日あなたに会って考えが変わりました。」
  そう言うと、月島さんは、ゆっくりと片膝を床についた。
「お見合いじゃなく、正々堂々とあなたに結婚を前提にお付き合いをさせてもらいたいんです。」
  私達二人が見守る中、月島さんは、そう言うと、ポケットから小さな箱を取り出すと、ダイヤの指輪を取り出した。そして、声を震わせながらこう言った。
「あなたより年下で、地位も名誉も無い私ですが、結婚を前提にお付き合いをさせてもらえませんか?」
  と。
  私は、皐月さんの顔に目を移した。
「私、そんなダイヤは嫌ですわ」
  皐月さんの頬を真珠のような涙が伝う。
「私、ダイヤより私を綺麗にしてくださる方が好きですもの。」
  その言葉は、嗚咽をこらえながら紡がれる。
「私の見込んだあなたが、もっと腕を磨いて、私を一番綺麗にしてくれなくては嫌だわ。そして、私の事を拐ってくださらないと・・・私、嫌ですわ!」
  皐月さんは、まるで少女のようにその場に立ち尽くしながら泣いていた。
  それを月島さんが立ち上がると、優しく抱きしめる。
「皐月さん、約束します。私が、誰よりもあなたを美しくして見せます。だって、私はあなたを心から愛しているから・・・」
  月島さんは、優しく皐月さんを抱きしめた。そして、心を込めるかのように、皐月さんの手の甲に優しくキスをした。まるで、お伽噺に出てくる王子様のように。
  私と聖さんは、その姿を見て、ホッと一息を着いた。
  「王様、木崎様。私が、意気地がないばかりに結婚式前にこんなことになってしまって・・・」
  「いや。これで私達も安心して挙式をすることができます。」
  聖さんは、私の傍に来ると、月島さんにそう話しかけた。
「何しろ、君たちが落ち着いてくれないと、結婚が出来なさそうな人がここに一人いるもんでね。」
  その言葉に、皐月さんも泣き止むと、目を擦りながらこう言う。
「珠子さんったら、明日はあなたの結婚式なのに人の心配ばかりなさるんですもの」
「でも、俺がひかれたのは、そんなタマちゃんなんだよな。」
  皆は、私の顔を見ると、笑みを浮かべる。
「聖さんは、ある意味。珠子さんの尻にひかれているんですわ」
  私は、皐月さんがいつもの口調に少し戻った気がした。
「それでは、丁度お茶でもするとしようか?」
  「だったら、先日皐月さんからもらったコーヒー豆をいただきましょうか?」
  聖さんがと私は、お互いを見つめ合うと、クスリっと笑いあった。


  

  
  


  
  
  

  

  
  
  
 
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