一ヶ月の入院~私の場合~

よしき

文字の大きさ
1 / 9

一ヶ月の入院~私の場合~1

しおりを挟む
さて、私は、この度病院を退院しました。
本当に長い1ヶ月でした。その事を書き留めて行きます。(ノンフィクションです)


 1ヶ月まえ、

  私は、いつもと同じ普通に暮らしていました。当たり前にご飯を食べ、スマホをいじり、トイレにも行き...

  しかし、その日、とある手紙が私の家に届きました。それは・・・「ローンセーター」からのものでした。それを見たあと...

私は、その後から記憶が有りません。

  私が意識を取り戻したとき、目に入ったものは、暗転からの白い天井でした。
  真っ白で無機質な世界 ...そう、私がいたのは、大学病院のICUの部屋でした。
  左手には動脈の点滴ラインと、静脈の点滴ライン・モニター・サチュレーション(経皮的に酸素濃度を知ることができる)・オムツにオシッコの管。鼻にも管が入っていました。
  意識が戻ったばかりで、頭もボーとしていました。何がどうなっているのか、理解できない世界。目覚めたはかりの私はウトウトしていて。昼か夜かわからないICUで、寝たきり状態でいたのです。

  その後、意識が戻って初めて面会に来てくれたのは、妹で。衝撃の事実を聞かされました。

  妹曰く、
「よかったね、姉ちゃん。レスピ(レスピレイター=人工呼吸器)が、今朝外れたんだって。今日は入院してから3日目だよ。」
「もう、服薬での自殺未遂で、緊急入院したんだよ。ビックリしたけれど本当に良かったよ。」

・・・そう、言ってきたのです。
  私には、訳が分かりませんでした。自殺未遂をしたなんて。私には記憶が無いのですから。
  一時間ほどで妹が帰ると、そのあと少しして、夫のヒコちゃんがやって来ました。
「おーっす。機械(人工呼吸器)が外れたな。いやぁ、マジでこういうことは止めてくれ。俺、透析中で焦ったわ。救急車を呼んでくれたのは。O家の人達だから、後でお礼を言ってくれ!」
  と、言うのです。この時点でも、まだ理解できませんでしたが。
  妹や夫、救急医、看護師からの話を色々総合してみると、こう言うことでした。(ここは、私の想像です。)

  家のローンの引き落としが出来なかった私は、どうやら大量に風邪薬を買い込みます。
  そして家で大量に服薬したあと、少しリバース(戻した跡があったそうです)
  そして、変な電話や、メールやLINEをアッチコッチにしまくります。(あとで見たら、意味不明の文章をメールやLINEで送った形跡がありました。)
  そのメールを見たヒコちゃんと、O家の人々。
  お互いに、不吉な予感がしたそうで。
  透析で動けないひこちゃんの代わりに、O家の人々が我が家に来だそうです。
  丁度鍵が空いていて。玄関からそのまま部屋に上がると...
  そこは、薬の空箱と、ゴミ箱に吐いた後と、ぐったりとした私がいたそうです。
  声をかけてみると、私は、直ぐに起きたんだとか。
  で、とりあえず、独りには、しておけないとO家の方達が判断。
  車に乗せて、O家に連れてきてくれました。(この時の意識もないのですが、自分で歩いて車に乗ったそうです)
  しかし、O家につくと、それまで意識があった私(くどいですが、覚えてません)が、どんどん意識が下がっていき、流石のO家の方々も『ヤバイ』と、判断。
  直ぐに救急車を呼びます。(しかしこの時は、夕方の渋滞時に当たり。また、受け入れ先の病院も見つからず、通報をしてから45分間程出発出来なかったそうです。) で。最後に大学病院が引き受けてくれたんだとか。
  大学病院に緊急搬送された私。しかし、大量の服薬によるカフェイン中毒(後日に聞いた話では、致死量を遥かに上回る量を内服していたらしい)を起こしていたため、点滴や、胃洗浄だけでは間に合わず。次第に血圧までもが低下し、呼吸も浅くなっていったとか。
  丁度その頃、私の父と兄妹と、娘が来院。さらに透析を早めに切り上げた、ヒコちゃん(夫)も到着しました。で、仕方なく気道確保のために挿管をして、人工呼吸器を付け、ICUに入ることになった...
  と言う次第でござます。

  さて、ICUに入院してからずっと昼よるの感覚が分かりませんでした。
  24時間の監視体制で、時計もなく、電気が常についていて明るい世界。それがICUでした。
  看護師さんが体を拭いてくれたり、おしもを洗ってもらったりして、朝が来た事が分かりますが。
  この段階では、食事もまだとても食べれない状態でした。
  その代わりに、鼻の管から注入していたのが、活性炭でした。
  なぜなら、私は、服毒自殺未遂。つまり、薬の中の大量のカフェインを致死量まて、呑込んでいました。(くどいようですが、私はその事についての意識がありません)
  そのため、中和目的の活性炭(液体)を鼻の管から入れていたのです。
  しかし、いつのまにか、鼻の管が喉の方で渦巻き状になってしまい、結局管を抜くことになりました。
  しかし、まだ活性炭を体に入れなくてはなりません。
  なにしろ、意識がもっどたとしても...私には、大量の薬のせいで、幻視が現れていましたからです。

  私の幻視は、壁の模様が動物に見えました。そしてそれらは、動いて見え、虹色に見えていました。
  それ以外にも、足元に小人がいて、私を心配してくれたり。
  人の頭が蛍光色のブルーに見えたり...今、思い出すと、とても楽しい幻視でしたね(笑)

  そんな訳で管は抜かれてしまったので、活性炭を今度は口から飲むこととなりました。
  活性炭は瓶に入った透明の液体です。
  しかし、臭いと味は最悪でした。例えるならば、腐ったゆで玉子の臭いと味、と言えばいいでしょうか?(おかげで、1ヶ月間、ゆで玉子が食べれませんでした(TT))
  本当にまずくって。吐きそうになりながら、何とか朝・昼・晩と活性炭を飲み続けました。

 そんなこんなで少しずつ、体の管が減っていく中、娘ちゃんが、おみまいに来てくれました。
  私が、手を伸ばして娘ちゃんに話しかけると、娘ちゃんの頬をポロポロと涙がこぼれ落ちて。本当に辛い、可哀想なことをしました。(娘ちゃんの前でこうなったのは、2回目。しかも今回は、人工呼吸器装着していたので)
  でも、そんな、可哀想な事をしたと思う反面、娘ちゃんをもっと愛しく思ってしまいました。(駄目な親でごめんなさい)

  さて、そんな私も食事が開始され、車イスに座れる事もできるようになりました。
  その頃、救急医と、精神科医が日に一回私のところにやって来ていました。内容は、状態が少しずつ上がってきたので、一般病棟に移る事と。元々かかっていた精神科のクリニック系列の病院に転院して、うつのお薬を再検討してもらうことでした。
  私も、この頃になると、自分の意思をチャンと相手に伝えることが出きるようになったので、医師達にもそうしたいと話をしていました。
  それに、私が入院したのは、大学付属病院。短い入院でもベッド代がすごい勢いで取られているはずですし。人工呼吸器やら、何やらの医療費は、既に十万円を越えているでしょう。(部屋代・食事代その他もろもろ、医療費限度額制度を使っても、お金はかさむ一方)  
  そんなこともあって、普通病棟へと早期に転院する方向に決まり、一般病棟のお部屋待ちとなりました。
  (もちろん、その頃には、幻覚は落ち着いていました。)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

世界の終わりにキミと

フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。 そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。 しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…

カクヨムでアカウント抹消されました。

たかつき
エッセイ・ノンフィクション
カクヨムでアカウント抹消された話。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...