二次コンでキモオタデブな俺が、異世界で幼女のおっさんとイチャラブする!

森月真冬

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道(ルート)を外れろ

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 だが、この熱き思い……そのままマリオンにぶつけるのは良くない。
 だってマリオンから見れば、俺は『正体不明のよくわからん自分を買った主人』でしかないのだ。今のマリオンは、俺を警戒してる。
 まずはマリオンに俺を、『安全な男』だと知ってもらうべきだろう。

 しかし、どうやって……事情はもう全部、説明したぞ!
 心配するな、俺は味方だと、何度も口で言うのは簡単だ。でも、言葉は重ねるほど軽くなるし、千の言葉を使って説得しても、嘘だと思われたら意味がない。
 そもそも、俺の言葉が信用してもらえないから、困ってるんじゃないか。
 なら……黙って優しく笑いかけるのはどうだろう?
 誠実さを行動で示すのだ。マリオンから離れて、椅子にでも腰掛け、ニッコリ笑って見つめ続ける。

 ……い、いや。これはダメだ。間違いなく悪手だ。
 だって悲しいかな、俺の容姿には説得力がない。
 日本にいた頃はやたらと職務質問されてたし、近所の小学生に防犯ブザー鳴らされた事もある。大声で「こんにちはー!」と挨拶あいさつされたから、ニコッと微笑ほほんだだけなのに。あれは、マジで傷ついた。その後、大声で挨拶するのは不審者対策だと知って、さらに深く傷ついた。
 俺は、爽やかに笑えるイケメンじゃないのだ。俺が優しく笑っても、誠実には見えない。俺の笑顔では、マリオンを安心させられない。
 きっとニヤニヤしてても、余計に怖がらせるだけだろう。くうっ、なんだか切ないぞ、これはっ。

 喋ってもダメ、黙ってもダメ……か!
 一見、攻略ルートが見つからない『詰み』である。だが、薄々気づいてもいる。これは『正攻法』でやってるから、ルートが見つからないだけなのだ。
 道が見つからないなら……あえて道を踏み外すしかない! そう、『外道』を使って、俺と言う男を証明するんだ! 一人の男として、同じ男であるマリオンの心を震わせよう!

 ふと顔を上げると、ひたすら考え込む俺を、マリオンが困った顔で見つめてる。
 俺は黙ってきびすを返し、部屋の隅の机の引き出しから何枚もの『絵』を引っ張り出した。それは昨晩、マリオンに描いてもらった、『エロイラスト』の束だった。ほとんどがロリ系だが、巨乳やメガネ、ケモノ等、様々な属性が混じっている。
 それを突き出しながら、俺は真剣な声で言った。

「俺は、あなたと話がしたい……男同士の話です!」

 マリオンが恐る恐る絵を受け取り、ペラペラと順繰りに見ていく。マリオンの顔がクシャッと歪み、次に真っ赤に染まった。……自作のエロイラストを、こんな年下の男に渡していたという、衝撃と照れを感じてるのだろう。俺はマリオンがすべての絵を見終わるまで、辛抱強く待った。
 やがて、マリオンが引きつった顔を上げる。

「こ、これは……オレの絵だ。……覚えちゃいないが、オレが描いた絵だよ……」

 俺は、コクリと頷いた。そして大きく息を吸い込むと、堂々と胸を張って叫んだ。

「男の身体は精を溜め、溜まった時に放つもの! それはもう健康な男なら、絶対に避けられない生理現象なんですよっ!」

 俺の言葉に、マリオンは眉をひそめる。しかし、戸惑いながらも何とか頷く。

「お、おう。……そりゃあ、わかるぜ。オレも男だったからな」

 俺はズズイッとマリオンに迫る。マリオンは「ひぃーっ!?」と驚いて壁を伝って部屋の角に逃げ、足をガクガクさせて腰を抜かした。そして、あわあわと手を突き出しながら叫ぶ。

「んな、な、なっ……なになになにぃーっ!? なんで近づくんだよ、なんだよ、もぉーっ!」

 俺は、そんなマリオンを追い詰めて、見下ろしながら問いかける。

「……この異世界って、俺らには……あんまりにも厳しいじゃありませんかねぇ?」
「んあ……? はぁーっ?」

 マリオンはわけがわからず俺を見上げ、キョトンとしている。しかし俺は、かまわず続ける。

「この世界、町に出て見渡せばエッチな装備な女の子がいます! くっころ女騎士も一人知ってます! エルフは超美形です! 可愛い獣人娘とか、ケモナー冥利みょうりにつきますよ! 魔女、悪魔娘、アンデッド娘、ドワ娘に吸血鬼娘、ダークエルフ、アルラウネにハーピーまで……前の世界じゃ、絶対に不可能だった萌え属性だって、そこら中でお目にかかることができます!」

 俺はヒートアップする……声に熱がこもっていく!

「でもね……でも、ダメなんです! それだけじゃダメなんです! どんだけ属性ぴったんこでも、ダメなんです! もちろん、その娘らにはエロスを感じます! 太ももとかチラチラ見えたらドキドキしますし、きっとおっぱい押し付けられたら勃起だってしちゃいますよ! それでも……それでも絶対、俺はダメなんですッ!」

 そして俺はマリオンの頭上の壁に、ダァンッ! と思いっきり右手を突くと、大声で叫ぶ。

「俺はねっ! この世界では、永遠に満たされない運命なんだっ! それは、なぜだかわかりますか!? ……いいや、あなたならわかるはずだ! そう、あなたにならぁっ!」

 青い顔のマリオンは俺を見上げ、ゴクリと喉を上下させた後、消え入りそうな声で恐々こわごわと言う。

「す、すまん……。全然わからん……」

 そうだ! わからなくて当然だ!
 ……だって、わかるわけないだろッ!?
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