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バッドエンド直前
2話
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どうするのよ、これ。
原作のような婚約破棄からの幽閉からは逃れたけど、無一文になった上に頼る場所が無くなった。
しかもゲームだとここで終わるせいで、頼みの綱の原作知識はもう、無い。
いや、原作知識持っててもほとんど役にたたなかったけどさぁ。
そもそもね、原作開始まで15年もあったら原作知識なんて消し飛ぶに決まってるでしょ。
転生直後は細かいイベントも覚えてたけど、赤ちゃんのせいでメモることが出来ず、そのまま記憶の彼方へと消えていった。
というかいる筈の「赤き瞳」の原作のヒロインは、さっきの場にもいなかったし完全に行方不明。
そのせいで私が出来た事なんて、幽閉される原因のレスカーレ家の終わってる領内の復興だけ。
そもそもさ、私が生まれた時点で領内荒れ果てて領民貧乏な癖に、貴族だけ裕福ってテンプレダメ貴族だったわよ。
これを私の責任にして幽閉ってひどすぎない???
多分、原作の私だって「なんで私の責任なの???」って感じだったと思うわよ。
絶対ダメ貴族どもが悪いって、父親もダメ貴族どもに強く言えないぼんくらだしさぁ!
だから…。
「ジェスタ様」
「なに」
なによアイン、今己の人生の無常さ嘆いてる最中なんですけど?
私の人生ずっと滅茶苦茶よ、アンタのノルン家に転がり込もうと思ってたのに。
他の貴族とはパーティにも参加してないせいで、伝手も皆無だし頼る相手がいないのよ。
ついでにいうと商人や平民との伝手も無い。
原作が乙女ゲーで無く内政ゲーなら、私だってそのへん重視したわよ。
孤児拾って育成とか、現代知識を使って商人に物を売るとか。
でもね、これ乙女ゲーなの、わかる?
貴族達だけが裕福な荒れ果てた土地を短期間で発展させる方法なんて、私には独裁政治しか思い浮かばなかったの。
他人に私の人生を託せる訳ないじゃない。
父親強制隠居させて、貴族達から私軍を後ろ盾に私財没収して、領民に強制労働させての、農業五か年計画。
無駄に領地がでっかい癖に荒れ果ててたから、開墾し放題。
そういや、途中で…。
「昔から疑問だったのです、何故私なのでしょうか」
「はっ?」
「私より強い者、賢き者、美しい者、少し見渡しただけで、私より上の者はいくらでもいました、ですが何故私だったのでしょうか、どうして私を選びつづけてくれたのでしょうか」
ちょっと、待って。
なにが???ていうかだれのこといってるの???
アンタの言ってること最初から最後までマジで意味不明よ???
とりあえず、アンタかっこよさだったら私の周りにいたやつでも一位だと思うわよ。
高身長のイケメン娘ってずっこいと思うしー、まあ私がチビすぎるだけかもしれないけど。
身長差のせいで前世の兄貴みたいに感じて、ついつい話しかけちゃうのよねー。
「わからない」
まじでわかんねぇからさあ!
アイン、アンタが何を言ってるのか、マジで意味不明よ。
言葉に出さないと、人間なんてわかりあえないんだからきちんと会話する努力をしてよ。
「わからない、ですか」
「私にはアインが何を言ってるかがわからない」
わからないことはわからないと言う。
そうしたら相手は、きちんと説明しようする、これが会話のドッジボールよ。
アインの会話は遠投よ、最初から会話になってない。
「アハハハハハハハ…そうですか、そうだったのですか、ジェスタ様にとってはそうだったのですか!」
えっちょ。
「私なんて所詮ただの貴族令嬢、どれだけ努力をした所であいつらの影すら掴めなかった盆暗、だというのに、ジェスタ様にとって、私はそうだったのですね」
あったぶんこれ会話のドッジボール成立してない、こっちのボールどっかいった。
何かよくわからないけど、致命的に間違ってる。
やっべえ、どうしよ。いやでも、まだだ、まだ立て直しが利くはずだ。
「アイン、私は貴女のことがわからない」
「今まで申し訳ありませんジェスタ様。このアインハルト、私の事を評価してくれていた、貴女の目を信じられない不忠義者でした。もし、もう一度チャンスを下さるのならば、我が魂、ジェスタ様の手となり足となることを許して頂けますか」
もうだめだぁぁぁぁぁぁぁ!
「許す」
もうしらね。
原作終わってるんだから、どうなってもいいや。
どうにでもなーれ。
原作のような婚約破棄からの幽閉からは逃れたけど、無一文になった上に頼る場所が無くなった。
しかもゲームだとここで終わるせいで、頼みの綱の原作知識はもう、無い。
いや、原作知識持っててもほとんど役にたたなかったけどさぁ。
そもそもね、原作開始まで15年もあったら原作知識なんて消し飛ぶに決まってるでしょ。
転生直後は細かいイベントも覚えてたけど、赤ちゃんのせいでメモることが出来ず、そのまま記憶の彼方へと消えていった。
というかいる筈の「赤き瞳」の原作のヒロインは、さっきの場にもいなかったし完全に行方不明。
そのせいで私が出来た事なんて、幽閉される原因のレスカーレ家の終わってる領内の復興だけ。
そもそもさ、私が生まれた時点で領内荒れ果てて領民貧乏な癖に、貴族だけ裕福ってテンプレダメ貴族だったわよ。
これを私の責任にして幽閉ってひどすぎない???
多分、原作の私だって「なんで私の責任なの???」って感じだったと思うわよ。
絶対ダメ貴族どもが悪いって、父親もダメ貴族どもに強く言えないぼんくらだしさぁ!
だから…。
「ジェスタ様」
「なに」
なによアイン、今己の人生の無常さ嘆いてる最中なんですけど?
私の人生ずっと滅茶苦茶よ、アンタのノルン家に転がり込もうと思ってたのに。
他の貴族とはパーティにも参加してないせいで、伝手も皆無だし頼る相手がいないのよ。
ついでにいうと商人や平民との伝手も無い。
原作が乙女ゲーで無く内政ゲーなら、私だってそのへん重視したわよ。
孤児拾って育成とか、現代知識を使って商人に物を売るとか。
でもね、これ乙女ゲーなの、わかる?
貴族達だけが裕福な荒れ果てた土地を短期間で発展させる方法なんて、私には独裁政治しか思い浮かばなかったの。
他人に私の人生を託せる訳ないじゃない。
父親強制隠居させて、貴族達から私軍を後ろ盾に私財没収して、領民に強制労働させての、農業五か年計画。
無駄に領地がでっかい癖に荒れ果ててたから、開墾し放題。
そういや、途中で…。
「昔から疑問だったのです、何故私なのでしょうか」
「はっ?」
「私より強い者、賢き者、美しい者、少し見渡しただけで、私より上の者はいくらでもいました、ですが何故私だったのでしょうか、どうして私を選びつづけてくれたのでしょうか」
ちょっと、待って。
なにが???ていうかだれのこといってるの???
アンタの言ってること最初から最後までマジで意味不明よ???
とりあえず、アンタかっこよさだったら私の周りにいたやつでも一位だと思うわよ。
高身長のイケメン娘ってずっこいと思うしー、まあ私がチビすぎるだけかもしれないけど。
身長差のせいで前世の兄貴みたいに感じて、ついつい話しかけちゃうのよねー。
「わからない」
まじでわかんねぇからさあ!
アイン、アンタが何を言ってるのか、マジで意味不明よ。
言葉に出さないと、人間なんてわかりあえないんだからきちんと会話する努力をしてよ。
「わからない、ですか」
「私にはアインが何を言ってるかがわからない」
わからないことはわからないと言う。
そうしたら相手は、きちんと説明しようする、これが会話のドッジボールよ。
アインの会話は遠投よ、最初から会話になってない。
「アハハハハハハハ…そうですか、そうだったのですか、ジェスタ様にとってはそうだったのですか!」
えっちょ。
「私なんて所詮ただの貴族令嬢、どれだけ努力をした所であいつらの影すら掴めなかった盆暗、だというのに、ジェスタ様にとって、私はそうだったのですね」
あったぶんこれ会話のドッジボール成立してない、こっちのボールどっかいった。
何かよくわからないけど、致命的に間違ってる。
やっべえ、どうしよ。いやでも、まだだ、まだ立て直しが利くはずだ。
「アイン、私は貴女のことがわからない」
「今まで申し訳ありませんジェスタ様。このアインハルト、私の事を評価してくれていた、貴女の目を信じられない不忠義者でした。もし、もう一度チャンスを下さるのならば、我が魂、ジェスタ様の手となり足となることを許して頂けますか」
もうだめだぁぁぁぁぁぁぁ!
「許す」
もうしらね。
原作終わってるんだから、どうなってもいいや。
どうにでもなーれ。
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