MotoGP HRC Development&Reserve Rider Memory

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縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。

第22話 Moto3カムバック

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レオパードレーシングからMoto3に「代役」として2戦限りの復帰した俺が向かったサーキットは、ドイツにあるザクセンリンク。マシンも既に搬入されており、もう一度ライディングスタイルの確認や、スイッチ類の確認を行っていた。国産映像でも「Hikaru Yamakoshi 20years old 2022 FIM WSBK World Champion」とテロップが表示されていた。ただ俺の場合は、2017年にフル参戦していた関係上「ルーキー」扱いを受けていない。ただ、水色と黒と白の「トリコロールカラー」を纏ったNSF250RWに蛍光イエローで「74」は反則級のカッコ良さだった。そして、フリー走行の時間となり、俺はマシンに跨ってコースイン。観客席からは歓声が起きていた。俺は、慣らし運転を行ってからフルスロットルでアタック開始。前には、出光ホンダアジアの古里君がいる。俺は、慎重に彼をパスした。そして、各コーナー共に全体ベストを出して、この日の全体トップで初日を終えた。迎えた2日目は、初日とセッティングを変えずして走るというスタイルを採った。6年ぶりのMoto3とはいえ、走りは衰えておらず「健在」だった。続く予選では、強さを遺憾無く発揮してポールポジションを獲得した。そして迎えた決勝。スタートは、お得意のロケットスタートを決めて後続を一気に引き離した。多分どのライダーも「これが6年ぶりに復帰したライダーの実力かよ!?甘く見てた…」と度肝を抜かれているであろう。ほぼ一人旅と思われたその時に、佐々木選手が強襲。俺は、即座に対処して首位をキープしたまま、トップでフィニッシュ。久々のMoto3優勝という結果に。続くアッセンでは、フリー走行中にまさかの転倒。カウルが剥がれかけた状態でコースに復帰してからの修復が始まった。マシンが綺麗に修復されて迎えた予選では、2戦連続でハスクバーナの佐々木歩夢選手とのポール争いを展開した。自分でも6年ぶりの復帰戦で、ここまで戦えるとは思ってもいなかった。そしてパドック内では妙な噂も広まっていた。「レオパード及び出光チームアジアには、HRCのテストパーツが組み込まれているのではないか?」という噂が広まっていたが、皆してそれを全否定している。こうしたイザコザの中で迎えた決勝。グリッドには2戦連続のポール獲得となった俺と、2位には、今年からホンダに復帰したSIC58スクアドラ・コルサの鳥羽海渡選手が着けた。そして、レーススタート。スタートは、俺が得意のロケットスタートを決めて好スタート。そのままポールショットも獲得した。そこから一気に後続を引き離す事に成功。俺は自分のペースで走行しているが、後ろからしてみればかなりのハイペースを強いられる展開になっている。迎えたファイナルラップ。後続との差があまりにもあったので、少しペースダウンして走っていた。ホームストレートに戻ってきてゴール。2連勝を達成した。こうして俺の6年ぶりとなるMoto3復帰戦は終わった。
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