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第二章
閑話 愛しいエルの為に Sideレオン
しおりを挟む我が愛しき娘エルネ――――⁉
ぼかっ!!
い、痛いぞユリアン。
『私の娘を自分の娘と言うふざけた精神を今日こそ叩き直してやりますよ!!』
おま、そなたは先程より話をし過ぎだ。
少しは黙っておれ!!
コホン、仕方がない故不承不承ではあるが我が愛しき姪のエルネスティーネをわしは何としても護りたい。
その為ならば愚王と呼ばれても構わぬと思う程にな。
じゃがユリアンを始め我が家臣達は実に有能だ。
この様なわしを何時も軌道修正してくれてもいる。
ただし色々な意味で強制的にな!!
またわしには嫡男であり王太子のクリストハルトもいるのでな。
しかしアレは優秀な男なのだが少々?
微妙な所で精神が病んでいる所もあり親としては少々心配ではあるがまぁあれ以外にも王子は三人もいる。
無論兄弟仲は頗るよし。
何より息子達は我が血脈を受け継ぐ女児であるエルネスティーネを愛しておる。
年齢の離れた幼い従妹姫が可愛いのと同時にその華奢な肩に重過ぎるであろう業を背負った姫を心配しているのだ。
皆それぞれの方法でエルを護ろうとする良い息子ばかりでわしと王妃は果報者じゃ。
だからこそ親としていや、そこは素直に認めたくはないが伯父としてわしも負けてはおれんのだ。
エルだけでなく三十四年前に妹のティーネへしてやれなかった事を姪のエルに色々としてやりたい。
じゃが我が一族に誕生した女児は余りにも少ない。
それ故参考に出来る資料が少ないのも事実。
いやそれだけではない。
エルとティーネを含めこれまでの女児達では色々と異なっていた。
父親であるユリアンはそのわからない中で思いつく限りを模索しているのだ。
ユリアンに出来なくて王であるわしに出来得る事。
万が一を考え奇病を治癒出来ない場合に備えてだ。
わしはエルの奇病を封じる為の最初で最後の手段でもある運命の番なる者を何としても見つけ出そうと思う。
早くて数年、いや成人までに何としても運命の番を見つけださなければ可愛いエルの命は……。
今日も執務の合間に釣書と睨めっこをするが思う様な相手が見つからないと言うかじゃ。
人族には抑々番の概念は存在しない。
故に見つけられる方法がわからぬのじゃ。
ティーネの場合は……アレは特別。
アレを基準にしてはいけない。
待っておれエル。
わしが何としても最高の番を見つけてやるからな。
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