とある王女様の人生最初で最後の恋

Hinaki

文字の大きさ
31 / 31

31  Sideカルメンシータ

しおりを挟む


「――――王妃よ、そなたには関係のない事だ。故に我が妹のアンジェとも会う事は許さぬ。彼女の瞳に映る者はこれより先私しかいないのだからな」

 残酷な言葉を残しこの場を去るチャールズ。

 私へ振り返る事は決してない。


 ねぇチャールズ、貴方は知っていらっしゃるのかしら。

 正式な妻であり王妃である私が夫である貴方にまだと、貴方の名を呼ぶ事を許されていない事を。

 婚約を交わした時より『殿下』若しくは『王太子殿下』だったわ。

 この国へ嫁してからはそれが『陛下』に変わっただけ。

 良くて貴方。

 本当にどうかしている。

 私も貴方も……。

 お互い報われない相手を想い続けているのですもの。


 私は勿論妹君を愛する貴方であり、貴方は拒絶され辺境伯の許へ逃げられていたアンジェリカ様。

 此度のアンジェリカ様の帰城の件もきっと何か企んで仕方なくお戻りになられたのでしょうね。

 推察の範囲だけれど多分夫君の辺境伯の首でも取るとか言ってアンジェリカ様を脅迫したのかしら。


 女は愛する男の為ならばその身、その命を差し出す事に躊躇いはない生き物。


 自らの身体を差し出す事で辺境伯を助ける心算でしょうけれどもアンジェリカ様、貴女はまだまだお子様よ。

 愛憎に気狂いした男の本性を少しも理解していらっしゃらないわ。

 特にチャールズは近親婚と言うものに異常な程の執着がある。

 その対象として実の妹君のアンジェリカ様。

 貴女を自分より、譬えほんのひと時でも奪った男を安易に許すと思う?

 チャールズはそんなに心の広い男ではないの。

 まして自分との間に儲けた子が流れ、その後辺境伯との子に恵まれ無事に出産した際のチャールズの狂わんばかりの激情はかなり異常だったわ。

 まあ私はそれでさえも愛しいと思う私もやはり異常なのでしょうね。


 本来ならば義姉としてアンジェリカ様を助けなければいけないのに、私は私の男の心を奪った貴女が憎い。

 貴女が気の毒な被害者だとわかっていてよ。

 それでも貴女はチャールズに女として求められている!!


 私がどの様に努力をしようともただの一度も私へ触れる事はない。

 それがどれ程悲しくそして悔しくも腹立たしいかお分かりになって?

 だから私は私の愛する男を取り戻す為に自ら動く事をしたの。

 
 ええ、これまで何度辺境領まで刺客を放っても全て返り討ちに遭うだけで憎い貴女を殺せなかったわ。

 これは偏に人任せにしていた私が悪いのよ。

 でも今アンジェリカ様、貴女は私と同じ王宮内にいらっしゃる。

 チャールズの行動は全て把握済み。

 私の手の者も護衛騎士と近衛騎士の中にも潜り込ませている。

 感動の兄妹の再開の後で貴女を地獄へ送って差し上げるわ。

 もう辺境領にも帰さない。

 勿論チャールズの腕の中にも……よ。

 これで漸く私の恋も成就する日が近いわ。
 
しおりを挟む
感想 5

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(5件)

Tomokodx
2023.09.05 Tomokodx

続き気になります。
よろしくお願いします

解除
橄欖石
2022.01.18 橄欖石

初めまして。
複数作品を覗かせて頂いた後に、こちらに全体的な感想を申し上げさせていただきます。
辛口に分類される感想ですので、マシュマロだけにくるまれていたい場合は、どうぞ、見なかった事にしてください。

お心の準備はよろしいでしょうか?


では。

まずは、作風と言ってしまえばそれまでなのですが、率直に申し上げまして、どの作品も、既出の情報ばかりを毎回何度も書き連ねる事によって、全作品通して、大変飽きがきやすい構成の文章になっております。
作文なさる上での癖でいらっしゃるのでしょうね。
あるいは、字数稼ぎのような物でしょうか?
どちらにせよ、あまり良い癖ではないと思われます。
作品全体を通して、序盤、中盤、終盤等、物語のヤマ場にて、重要情報を盛り込みました的に披露されるならまだしも、公開される話数事に必ず同じ情報を毎回毎度繰り返し、似た文章や文脈、同じ言い回しで盛り込むのは、流石にくどいと思われます。
その結果、連載作品の全てが、最新話が更新されても、物語そのものはさして進んでおらず、前回の話とほぼ同じ内容と言って差し支えない程、中身の無い文章の連続状態になっております。

執筆前後に自身が書いた物語を、読者視点で読み返す習慣をつける事をお薦め致します。
そうすれば、もう少し物語として、メリハリがついて面白い物に仕上がると存じます。
何故か。
例え話になってしまって申し訳ないですが、三食全部食事が生チョコクリームのホールケーキだったとしても、1日くらいは我慢できると思いますが、1ヶ月近くずっとその食事の内容だと流石に飽きが来て、せめて、チーズケーキやポテチなど、チョコケーキ以外の他の物を食べたくなるのは、人として、当然の感情だと思いませんか?
上で上げました全作品の指摘部分は、こちらの理論に因るものです。
どうぞ、今後の執筆の参考になされてください。

2022.01.19 Hinaki

橄欖石さまご指摘ありがとう御座います。
そうですね、言われてみれば私の癖です。
食べ物理論は分かり易くよくわかります。
ただ私の場合気に入るとそれが当てはまらないのも事実です。💦

うーん、家族は嫌がるのに私は平気……みたいな。

とは言え色々な皆様に楽しんで読んで頂きたいのも事実。
また大前提に私も楽しみたい。

有難いご意見として直ぐにはと言いますか、私らしさも失わずにより良い作品を書ければと思います。
本当に有難う御座います。

あとお返事が遅くなってごめんなさい。
辛口コメントだからではなく、そこはこの寒気のお蔭で少し心臓が暴れていたので寝ていました。
基本的に私は皆様から頂いたお言葉と向き合いたいと思います。
どうぞこれからも宜しくお願い致します。<(_ _)>
(人''▽`)ありがとう☆

解除
どら
2022.01.14 どら

御返答 誠にありがとう御座いました 嬉しいです(*^_^*)

序章の根幹に関わってくるんですね((o(´∀`)o))ワクワク

読みながら糞公爵にも記憶が有れば良いのに!!なんて思ったりなんかしてましたので、これからどうなるのかますます楽しみになります!
ハッピーエンドタグ無しなので ヒロインが糞公爵とは別の人生を歩んでくれることを勝手に期待したりして。。。

オミクロンが蔓延、寒波がきてますので、お身体に気をつけて執筆活動頑張って下さい!

2022.01.16 Hinaki

どら様コメント有難う御座います。(o^―^o)ニコ
最初に書いていたものを色々整理しつつ執筆していますのでもう少しだけお待ちくださいませ。

暫くの間コメディーは続きますが勿論シリアスも御座います。

オミクロンと寒波……週明け早々またやってきますね。
津波と言い自然災害は怖いものです。
そしてウィルスも生存を掛けての戦いをしています。
地球とウィルスと人間の、きっとこれは終わりのない戦いなのでしょうね。
ある意味私達はそんな時代に生きているのかもしれません。

どらさまも十分お身体を御自愛下さいませ。(人''▽`)ありがとう☆

解除

あなたにおすすめの小説

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

白い結婚なので無効にします。持参金は全額回収いたします

鷹 綾
恋愛
「白い結婚」であることを理由に、夫から離縁を突きつけられた公爵夫人エリシア。 だが彼女は泣かなかった。 なぜなら――その結婚は、最初から“成立していなかった”から。 教会法に基づき婚姻無効を申請。持参金を全額回収し、彼女が選んだ新たな居場所は修道院だった。 それは逃避ではない。 男の支配から離れ、国家の外側に立つという戦略的選択。 やがて彼女は修道院長として、教育制度の整備、女性領主の育成、商業と医療の再編に関わり、王と王妃を外から支える存在となる。 王冠を欲さず、しかし王冠に影響を与える――白の領域。 一方、かつての夫は地位を失い、制度の中で静かに贖罪の道を歩む。 これは、愛を巡る物語ではない。 「選ばなかった未来」を守り続けた一人の女性の物語。 白は弱さではない。 白は、均衡を保つ力。 白い結婚から始まる、静かなリーガル・リベンジと国家再編の物語。

うわさの行方

下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。 すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。 戦場から帰るまでは。 三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。 ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。

将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!

翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。 侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。 そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。 私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。 この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。 それでは次の結婚は望めない。 その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。

嘘が愛を試す時 〜君を信じたい夜に〜

月山 歩
恋愛
サラとマリウス・ハンプトン侯爵夫婦のもとに、衝撃的な告白を携えた男が訪れる。「隠れてサラと愛し合っている。」と。 身に覚えのない不貞の証拠に、いくらサラが誤解だと訴えてもマリウスは次第に疑念を深めてゆく。 男の目的はただ一つ、サラを奪うこと。 *こちらはアルファポリス版です。

《完結》氷の侯爵令息 あなたが子供はいらないと言ったから

ヴァンドール
恋愛
氷の侯爵令息と言われたアラン。彼は結婚相手の伯爵令嬢にとにかく冷たい態度で接する。 彼女は義姉イライザから夫が子供はいらないと言ったと聞き、衝撃を受けるが気持ちを切り替え生きていく。

側妃の愛

まるねこ
恋愛
ここは女神を信仰する国。極まれに女神が祝福を与え、癒しの力が使える者が現れるからだ。 王太子妃となる予定の令嬢は力が弱いが癒しの力が使えた。突然強い癒しの力を持つ女性が異世界より現れた。 力が強い女性は聖女と呼ばれ、王太子妃になり、彼女を支えるために令嬢は側妃となった。 Copyright©︎2025-まるねこ

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。