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30 Sideカルメンシータ
しおりを挟む「陛下どちらへお行きになられまして?」
「何だそなたか」
「何だでは御座いませんわ。何時になれば私を貴方の妃として迎えてくれるのです」
「何を。カルメンシータそなたは名実共に我が国の王妃であろう。一年前よりそして……」
何時もそう。
「そして? 貴方様の望むものは間もなく、いえ既にこの王宮にて手に入ったのも同義ですわね」
「何が言いたい」
本当に何時も思うけれど不毛な会話だわ。
「私が貴方の妻である事を忘れて貰っては困ると言う事――――ですわ」
「誰も忘れてはいない。そなたは大切な……」
「大切な?」
「我が国にとって大切なる取引のある国の王女故にな。そなたの身分に相当する様に当然王妃として遇しているしまたその様に配慮をしている心算だが、何か他に望むものがあるのか?」
この国の王妃……ね。
そう嫁いで一年もの間決して一言たりとも貴方は私を貴方の妻とは呼んではくれない。
貴方の心は何時も私の声が届かないし響かない。
政略による婚姻だと最初からわかっていてよ。
王女ですもの。
愛や恋等と言った感情で結婚が出来るなんて最初から思ってはいない。
出来る事ならば将来嫁いだ先の夫となる者と家族としてでもいい。
良好な関係を構築出来ればそれで満足だと三年前の私はそう捉えていた。
「何も話す事がなければ私は行くぞ」
妻を労わる気持ち等欠片程もない夫。
「話がなければ私達は交流する事も出来ないのでしょうか」
私は多くを望んではいない。
「今私は急いでおるのでな。急ぎでなければまたの機会――――」
私が望むものはたった一つだけ。
「アンジェリカ様がお戻りとか? アンジェリカ様の許へ向かわれるのでしたら私もご一緒に行きたく思います」
チャールズ、私を、私だけを愛して欲しい!!
「この国へ嫁してまだ一度も王妹であられるアンジェリカ様とは対面しておりませんもの。慣れぬ国での生活もあり姉妹として心行くまで語り合いたいと思いま――――⁉」
故国アマビスカ一の美姫と謳われしこの私。
いえ、その様は評価よりも何よりも三年前のあの日一瞬で私の心を奪い去った時よりどれ程懇願しまた切望しただろうか。
政略で婚約を交わせしチャールズに恋に堕ちてしまった。
生まれて初めてだったわ。
本当の意味でチャールズの身も心も欲しいと望みそしてチャールズに政略上の妻ではなく、アマビスカの第一王女としての私でもない。
ただの女……カルメンシータと言う名を持つ数多に恋する女を受け入れて欲しいと願ったのにぃぃぃぃぃぃ。
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