7 / 70
第7話 領主の息子追放しました
しおりを挟む
カイル・オリゲートはギャンブル大好き男であった。
今日も酒場でカードゲームにうつつを抜かして、普通に金貨3000枚の大負けをしてしまう。
今までに金貨10000枚大負けして、金貨20000枚勝利した事もあったが。
しかし、今回ばかりはそうはいかない。
「カイル、借金1億金貨どうすんだよ、今日中に払わないと、父親の領主に報告する事になるぜ」
「いやーさすがに1億金貨は無理でしょ、利子高すぎくないかなー」
「るせーならどうすんだよ」
「次の勝負で勝ち取ってやるぜ、また1000金貨頼む」
「しょうがない」
金貸しの男がにやりと笑う。
しかし、カイル・オリゲートのギャンブル人生は終わりを告げる。
「カイル! お前またギャンブルか!」
突如乱入してきたのは父親であり、アララスタ王国の1つとされるアラギリ領地の領主ダイルであった。
「あ、やば、親父だ」
「ジーバ、そやつを捕えろ!」
「うそだろおおおおお」
その日、カイル・オリゲートは執事であり、教師役のダークエルフ族ジーバ執事長に取っ捕まったのであった。
領主の館で、現在尋問が行われている。
「して、カイルよ、良い訳はもうよそうか、親父として言わねばならぬ事があるんだが?」
「いやー1億金貨はやりすぎましたよ、反省してます。明日から働きますから」
「それを何度言わせた? 今日で123回だぞ」
「よく覚えてらっしゃる親父殿」
「よーしカイルよ、お前は滅びかけている領地、昔母親が住んでいたジスタ領地へと追放する!」
「あのーそれだけはご勘弁を、あそこ人いないでしょ、いわゆる唯の廃墟かと、死刑宣告じゃないっすかー」
「良いか、カイルよ、お前に与えられた運命はそこでジスタ領地を復興させる事だ。どんな方法を使ってでもだ。それが出来なければ死ねばいい」
「ひどくね?」
「お前が作った借金を誰が払ったと思っとるのじゃ、わしの預金がなくなったぞ、わしの老後は安泰ではなくなった!?」
「いえ、それはごめんなさいです」
「老後も領主として働かなくてはならぬ、アララスタ王国6領地のうちの1つを治める者として、わしは、わしはこんな倅をもって悲しいぞ、いつかお前が後を継ぐ者ばかりと思っておったのに」
「すみませんが、私も行って良いでしょうか」
「リラ!」
「リラメイド長、こんな奴の世話をしてくれるのか?」
「私の指導が足りず、ダメな領主候補となったこと、恥ずかしく思います。ジスタ領地にて、カイル様をきびしく指導いたしましょう、この剣帝という名前にかけて」
「はは、止めて欲しいなーさすがにリラに指導されたら殺されちゃうよ」
「カイル様! いくら幼馴染だからって胸ばかり見てないで、もっと真上を見てください」
「いや、縄で縛られてて目線がそこしかないんだけどー」
「このジーバ執事長も行きましょう」
「じ、ジーバもか」
「執事長として、ダイル様に奴隷の身から救っていただき感謝しています。ですが、カイル様を指導出来なかったのはこのわが身の恥です」
「いや、みんなそんなに、俺の事を心配してくれているのか」
「「いえ、飽きれているのです!」」
2人が同時に声を発したが。
「私は何度もギャンブルはやめてくださいと申しました」
「ですが、わたくしもです。執事長として管理しているお小遣いには限界があります」
「私は何度も剣を学ぶようにと進言しました。剣帝としての指導がありますから」
「わたくしはあなたにお金の管理というのを勉強してほしくて毎月1000金貨のお小遣いを渡しておりました」
「あなたには剣の才能があります。木刀でギガント級のモンスターを倒したのをお忘れですか!」
「あなたは毎月の1000金貨を全てギャンブルに消費していたではありませんか!」
「分かったわかった。2人共落ち着いて」
カイルがあわあわと慌てふためきながら。
ぼさぼさの頭を掻きむしる。
「分かった。じゃあ、母上の墓地があるジスタ領地でも繁栄させてやるよ」
「それとじゃ、エルレイム王国が1夜にして滅んだ。しかし、謎の集団が再建したそうだ」
「意味が分かりませんが親父殿」
「アーティファクトを狙っている盗賊山賊が次から次へと壊滅している。ジェイグルンド共和国の神々部隊がエルレイム王国を滅ぼしたのだが、奴等は何がしたいのか分からぬ」
「あれだろ、伝説の勇者が異世界から召喚されて調子に乗ってるんだろ?」
「そうかもしれぬが、何やら嫌な予感がする。アララスタ王国としては何も手を出さないと国王が言っている。そんな状況なのにお前は何を遊んでおるのじゃ」
「滅相もございません」
カイル・オリゲートは意気消沈しつつも。
「さて、ジーバよこやつが帰ってこれぬように目隠しをせよ」
「は、はい?」
「リラよ、馬車に突っ込んで、移動させよ、ジスタ領地の場所がどこか分からなくさせ、この領地に成長するまで2度と戻ってこれぬようにしてくれよう」
「親父ながらにひでーな」
「お主がわしの老後を台無しにしたんじゃろうがあああああ」
ダイル領主の雷が落ちたところで。
カイルは目隠しをされて搬送されていったのであった。
両手両足を縛られて。
リラメイド長とジーバ執事長がえっさえっさと領主の屋敷から人さらいのように移動を始めた。
カイルは心の中で民が見たら皆何事だろうと心配するだろうなーと思っていたんだけど。
「カイル様ーもう二度と戻ってこないでねー」
「カイル様はジスタ領地で朽ち果ててください」
「もううちの酒場にこないでね」
「二度と戻ってくるなよ」
「ばーかあーほ」
「知ってるか、カイルの借金は1億金貨だってよ」
なんか、カイル・オリゲートの両眼から涙があふれてきた。
「俺はこんなに嫌われていたのかと」
今日も酒場でカードゲームにうつつを抜かして、普通に金貨3000枚の大負けをしてしまう。
今までに金貨10000枚大負けして、金貨20000枚勝利した事もあったが。
しかし、今回ばかりはそうはいかない。
「カイル、借金1億金貨どうすんだよ、今日中に払わないと、父親の領主に報告する事になるぜ」
「いやーさすがに1億金貨は無理でしょ、利子高すぎくないかなー」
「るせーならどうすんだよ」
「次の勝負で勝ち取ってやるぜ、また1000金貨頼む」
「しょうがない」
金貸しの男がにやりと笑う。
しかし、カイル・オリゲートのギャンブル人生は終わりを告げる。
「カイル! お前またギャンブルか!」
突如乱入してきたのは父親であり、アララスタ王国の1つとされるアラギリ領地の領主ダイルであった。
「あ、やば、親父だ」
「ジーバ、そやつを捕えろ!」
「うそだろおおおおお」
その日、カイル・オリゲートは執事であり、教師役のダークエルフ族ジーバ執事長に取っ捕まったのであった。
領主の館で、現在尋問が行われている。
「して、カイルよ、良い訳はもうよそうか、親父として言わねばならぬ事があるんだが?」
「いやー1億金貨はやりすぎましたよ、反省してます。明日から働きますから」
「それを何度言わせた? 今日で123回だぞ」
「よく覚えてらっしゃる親父殿」
「よーしカイルよ、お前は滅びかけている領地、昔母親が住んでいたジスタ領地へと追放する!」
「あのーそれだけはご勘弁を、あそこ人いないでしょ、いわゆる唯の廃墟かと、死刑宣告じゃないっすかー」
「良いか、カイルよ、お前に与えられた運命はそこでジスタ領地を復興させる事だ。どんな方法を使ってでもだ。それが出来なければ死ねばいい」
「ひどくね?」
「お前が作った借金を誰が払ったと思っとるのじゃ、わしの預金がなくなったぞ、わしの老後は安泰ではなくなった!?」
「いえ、それはごめんなさいです」
「老後も領主として働かなくてはならぬ、アララスタ王国6領地のうちの1つを治める者として、わしは、わしはこんな倅をもって悲しいぞ、いつかお前が後を継ぐ者ばかりと思っておったのに」
「すみませんが、私も行って良いでしょうか」
「リラ!」
「リラメイド長、こんな奴の世話をしてくれるのか?」
「私の指導が足りず、ダメな領主候補となったこと、恥ずかしく思います。ジスタ領地にて、カイル様をきびしく指導いたしましょう、この剣帝という名前にかけて」
「はは、止めて欲しいなーさすがにリラに指導されたら殺されちゃうよ」
「カイル様! いくら幼馴染だからって胸ばかり見てないで、もっと真上を見てください」
「いや、縄で縛られてて目線がそこしかないんだけどー」
「このジーバ執事長も行きましょう」
「じ、ジーバもか」
「執事長として、ダイル様に奴隷の身から救っていただき感謝しています。ですが、カイル様を指導出来なかったのはこのわが身の恥です」
「いや、みんなそんなに、俺の事を心配してくれているのか」
「「いえ、飽きれているのです!」」
2人が同時に声を発したが。
「私は何度もギャンブルはやめてくださいと申しました」
「ですが、わたくしもです。執事長として管理しているお小遣いには限界があります」
「私は何度も剣を学ぶようにと進言しました。剣帝としての指導がありますから」
「わたくしはあなたにお金の管理というのを勉強してほしくて毎月1000金貨のお小遣いを渡しておりました」
「あなたには剣の才能があります。木刀でギガント級のモンスターを倒したのをお忘れですか!」
「あなたは毎月の1000金貨を全てギャンブルに消費していたではありませんか!」
「分かったわかった。2人共落ち着いて」
カイルがあわあわと慌てふためきながら。
ぼさぼさの頭を掻きむしる。
「分かった。じゃあ、母上の墓地があるジスタ領地でも繁栄させてやるよ」
「それとじゃ、エルレイム王国が1夜にして滅んだ。しかし、謎の集団が再建したそうだ」
「意味が分かりませんが親父殿」
「アーティファクトを狙っている盗賊山賊が次から次へと壊滅している。ジェイグルンド共和国の神々部隊がエルレイム王国を滅ぼしたのだが、奴等は何がしたいのか分からぬ」
「あれだろ、伝説の勇者が異世界から召喚されて調子に乗ってるんだろ?」
「そうかもしれぬが、何やら嫌な予感がする。アララスタ王国としては何も手を出さないと国王が言っている。そんな状況なのにお前は何を遊んでおるのじゃ」
「滅相もございません」
カイル・オリゲートは意気消沈しつつも。
「さて、ジーバよこやつが帰ってこれぬように目隠しをせよ」
「は、はい?」
「リラよ、馬車に突っ込んで、移動させよ、ジスタ領地の場所がどこか分からなくさせ、この領地に成長するまで2度と戻ってこれぬようにしてくれよう」
「親父ながらにひでーな」
「お主がわしの老後を台無しにしたんじゃろうがあああああ」
ダイル領主の雷が落ちたところで。
カイルは目隠しをされて搬送されていったのであった。
両手両足を縛られて。
リラメイド長とジーバ執事長がえっさえっさと領主の屋敷から人さらいのように移動を始めた。
カイルは心の中で民が見たら皆何事だろうと心配するだろうなーと思っていたんだけど。
「カイル様ーもう二度と戻ってこないでねー」
「カイル様はジスタ領地で朽ち果ててください」
「もううちの酒場にこないでね」
「二度と戻ってくるなよ」
「ばーかあーほ」
「知ってるか、カイルの借金は1億金貨だってよ」
なんか、カイル・オリゲートの両眼から涙があふれてきた。
「俺はこんなに嫌われていたのかと」
0
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる