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第19話 バルクト領主欲望のままに
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「それは誠か、エルレイム王国にいるロイというのはスライムという化物と融合したモンスターだという事は」
「御意、この目で見てきました。ぜひとも研究材料にしたく、このミストクローク博士が自ら捕まえてこようかと」
「じゃが、あそこは今や危険地帯だ。メロムメロカのダンジョン攻略を目指すはいいが、山賊や盗賊共は中に入る事すら出来ずに、謎の軍団に殺されているそうではないか、それもモンスターみたいな鎧ばかりだという話だし」
「ですから、アララスタ王国の国王を動かすのです。メロムメロカダンジョンを攻略すれば、新しい世界へと旅立つ事が出来ます。さすれば新しい資源に巡り合える事でしょう」
「うぬぬ、しかし、現在バナレス卿はジスタ領地の謀反問題にかかりきりで動けぬ」
「だからこそ、バルクト領主が代表して動くのですぞ」
「じゃが、国王に許可を取らねば、兵士とて冒険者から徴兵せねばなるまいし、貴族階級の者も招集せねばなるまい。奴隷なら沢山いるから壁にはなるだろう」
「実は国王からは許可は取ってきているので、このミストクローク博士、ミストスキルで、ミスト映像をアララスタ王国の国王へ直談判してきました。この書類も頂、今現在、アララスタ王国より兵士がこちらに向かってきています。その数15万です。ルボック元帥が力を貸してくれるそうです。サザナミ魔法学園学長も自ら出陣してくれるそうです」
「なんと、それなら、可能性が」
「それだけ、エルレイム王国のメロムメロカのダンジョンがとても大切な場所だという事です。そもそもジェイグルンド共和国の伝説の勇者はなぜメロムメロカのダンジョンを調べなかったのでしょうか」
「恐らく単純に力試しがしたかったのか、新しい惑星に興味がなかったからなのかもしれない」
「バルクト領主様、明朝出発しましょう、バルクト山岳地帯で合流の手筈となっています」
「よし!」
その日、バルクト領地から、数えきれない奴隷と兵士達と冒険者達が領地から出立した。
朝露の消えぬ木々の木陰に隠れながら。
★
「だから言っておるだろう、このオオカミ人間は普通じゃない、物体に魂を与えてしまう、傷口を縫うにしても針が生きてしまって操る事が出来ないし、糸を使っても糸が生きてしまう。しまいには椅子とかテーブルが動き出したぞ」
「嘘だろそれ」
ウィーバーの信じられない発言。
ドーマス・グリギントはどうやら普通のオオカミ人間ではないようだ。
彼の周りでは魂が宿るそうだ。
「えーと、つまり彼は」
「文様使いだな」
そこになナルデラが立っていた。
ナルデラが腕組みをしながら、壁に寄りかかっていた。
「額に6角文様があった。無覚に感覚を与える事が可能だという事だ。操作する方法は己自身で見つけるしかない、ロイ話をしてみろ」
「良いけどさー」
病室。
扉をゆっくりと開けると。
そこは異様な光景に広がっていた。
まずテーブルが動いていた。椅子が動いていた。コップが浮いていた。
しまいには本が踊っていた。スプーンとフォークが戦っていた。
一度ドアを閉める。
「何かファンタジック世界が広がっていたんだが?」
「ちゃんと話してやれ」
「分かってるよ」
ナルデラに背中を押されて、ロイは動き出す物達を無視して、ドーマス・グリギントの座っているベッドにやってきた。彼は頭を押さえながらこちらを見ていた。
「すまない、俺の周りにいると物が生き物のように動き出すんだ。彼等の声が脳裏で響いている」
「そうだとしたら、どうやってコントロール出来るか分からないのか」
「物心ついた頃からこうだった。だから母親と父親は地下に俺を閉じ込めた。そこから逃げてあの滅んでた村で1人で生活してたんだが、どうやらアララスタ王国のバナレス卿に眼を付けられたようだ。俺の力は不思議そのものだからな」
「ふぅ、ちなみに、お前の仲間はここに無数にいるぞ、まずは1角文様のピエロト、2角文様のナルデラ、3角文様のロム、4角文様のザーコック、5角文様のシェイバー、そして君が6角文様のドーマスだな、この文様シリーズって何個まであんだ?」
「さぁ、俺には分からないさ」
「しばらくここにいると良い、ちなみに、この国の建物や物と言う物に魂を与えて貰っても構わない、なぜなら楽しいからだ。ファンタジック王国さながらだな」
「まじか」
ドーマスの表情が少しだけ柔らかくなった。
「じゃあ、俺は散歩でも行ってくるよ」
まぁ、新しスライムの生息地を探しに行くだけだが。
ノーマルスライムは飽きたぜ。
「すまんが、お客さんが来てるようじゃのう、それも兵士の数だけで15万だな、スライムを纏う人間を差し出せば殺戮せず支配してくれるそうだが」
トメイロがそう告げた
「あっそ、じゃあ行くとするか」
ロイは、取り合えず病院から出ていくのであった。
一歩一歩歩いていくと、後ろからメレルがやってくる。
次に、ナルデラが、ザーコックが、ピエロトが、シェイバーが、ロムが、トメイロが、グルブがジャン老人が、ガロンが、ウィーバーが、ドガリルが、ラガディが、ピロルムが。それぞれ集まってきて。
ざっと自分を含めて15名が揃った。
城壁の上から見る光景。
ざっと四方から取り囲まれている。
一応距離を開けていて、こちらを警戒しているという形なのだろう。
一騎の馬が走ってきた。
ロイは城門の上から見下すように眺めた。
「我はバルクト領主のバルクト・バルクトだ。スライムの力を持ったロイとはお前の事か」
「いやーただスライム食ってるだけなんすけどね」
「ほほう、それは興味深い、どうだ。降伏すれば実験材料として優待してやるぞ」
「そりゃーごめんだねー」
「見たところ15人しかいないように見えるが? こちらは15万だぞ、恐ろしい倍数だな」
「あっそ」
「あっそって、お前バカなのか」
「こっちもそう簡単に倒れるつもりはねーよ」
「そうか、なら後悔させてやろう」
バルクト領主が後ろに退散していく。
「皆散れ、それぞれ楽しんで敵を殺してくれ」
【御意】
ロイは、取り合えず、バルクト領主から目を離さないようにメレルと共に城壁の上から眺めていた。
13人の仲間達が、城壁からジャンプして大地へと降り立つ。
兵士達はそれを見て絶句しているのが伝わる。
その時、鬨の声が上がった。
「御意、この目で見てきました。ぜひとも研究材料にしたく、このミストクローク博士が自ら捕まえてこようかと」
「じゃが、あそこは今や危険地帯だ。メロムメロカのダンジョン攻略を目指すはいいが、山賊や盗賊共は中に入る事すら出来ずに、謎の軍団に殺されているそうではないか、それもモンスターみたいな鎧ばかりだという話だし」
「ですから、アララスタ王国の国王を動かすのです。メロムメロカダンジョンを攻略すれば、新しい世界へと旅立つ事が出来ます。さすれば新しい資源に巡り合える事でしょう」
「うぬぬ、しかし、現在バナレス卿はジスタ領地の謀反問題にかかりきりで動けぬ」
「だからこそ、バルクト領主が代表して動くのですぞ」
「じゃが、国王に許可を取らねば、兵士とて冒険者から徴兵せねばなるまいし、貴族階級の者も招集せねばなるまい。奴隷なら沢山いるから壁にはなるだろう」
「実は国王からは許可は取ってきているので、このミストクローク博士、ミストスキルで、ミスト映像をアララスタ王国の国王へ直談判してきました。この書類も頂、今現在、アララスタ王国より兵士がこちらに向かってきています。その数15万です。ルボック元帥が力を貸してくれるそうです。サザナミ魔法学園学長も自ら出陣してくれるそうです」
「なんと、それなら、可能性が」
「それだけ、エルレイム王国のメロムメロカのダンジョンがとても大切な場所だという事です。そもそもジェイグルンド共和国の伝説の勇者はなぜメロムメロカのダンジョンを調べなかったのでしょうか」
「恐らく単純に力試しがしたかったのか、新しい惑星に興味がなかったからなのかもしれない」
「バルクト領主様、明朝出発しましょう、バルクト山岳地帯で合流の手筈となっています」
「よし!」
その日、バルクト領地から、数えきれない奴隷と兵士達と冒険者達が領地から出立した。
朝露の消えぬ木々の木陰に隠れながら。
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「だから言っておるだろう、このオオカミ人間は普通じゃない、物体に魂を与えてしまう、傷口を縫うにしても針が生きてしまって操る事が出来ないし、糸を使っても糸が生きてしまう。しまいには椅子とかテーブルが動き出したぞ」
「嘘だろそれ」
ウィーバーの信じられない発言。
ドーマス・グリギントはどうやら普通のオオカミ人間ではないようだ。
彼の周りでは魂が宿るそうだ。
「えーと、つまり彼は」
「文様使いだな」
そこになナルデラが立っていた。
ナルデラが腕組みをしながら、壁に寄りかかっていた。
「額に6角文様があった。無覚に感覚を与える事が可能だという事だ。操作する方法は己自身で見つけるしかない、ロイ話をしてみろ」
「良いけどさー」
病室。
扉をゆっくりと開けると。
そこは異様な光景に広がっていた。
まずテーブルが動いていた。椅子が動いていた。コップが浮いていた。
しまいには本が踊っていた。スプーンとフォークが戦っていた。
一度ドアを閉める。
「何かファンタジック世界が広がっていたんだが?」
「ちゃんと話してやれ」
「分かってるよ」
ナルデラに背中を押されて、ロイは動き出す物達を無視して、ドーマス・グリギントの座っているベッドにやってきた。彼は頭を押さえながらこちらを見ていた。
「すまない、俺の周りにいると物が生き物のように動き出すんだ。彼等の声が脳裏で響いている」
「そうだとしたら、どうやってコントロール出来るか分からないのか」
「物心ついた頃からこうだった。だから母親と父親は地下に俺を閉じ込めた。そこから逃げてあの滅んでた村で1人で生活してたんだが、どうやらアララスタ王国のバナレス卿に眼を付けられたようだ。俺の力は不思議そのものだからな」
「ふぅ、ちなみに、お前の仲間はここに無数にいるぞ、まずは1角文様のピエロト、2角文様のナルデラ、3角文様のロム、4角文様のザーコック、5角文様のシェイバー、そして君が6角文様のドーマスだな、この文様シリーズって何個まであんだ?」
「さぁ、俺には分からないさ」
「しばらくここにいると良い、ちなみに、この国の建物や物と言う物に魂を与えて貰っても構わない、なぜなら楽しいからだ。ファンタジック王国さながらだな」
「まじか」
ドーマスの表情が少しだけ柔らかくなった。
「じゃあ、俺は散歩でも行ってくるよ」
まぁ、新しスライムの生息地を探しに行くだけだが。
ノーマルスライムは飽きたぜ。
「すまんが、お客さんが来てるようじゃのう、それも兵士の数だけで15万だな、スライムを纏う人間を差し出せば殺戮せず支配してくれるそうだが」
トメイロがそう告げた
「あっそ、じゃあ行くとするか」
ロイは、取り合えず病院から出ていくのであった。
一歩一歩歩いていくと、後ろからメレルがやってくる。
次に、ナルデラが、ザーコックが、ピエロトが、シェイバーが、ロムが、トメイロが、グルブがジャン老人が、ガロンが、ウィーバーが、ドガリルが、ラガディが、ピロルムが。それぞれ集まってきて。
ざっと自分を含めて15名が揃った。
城壁の上から見る光景。
ざっと四方から取り囲まれている。
一応距離を開けていて、こちらを警戒しているという形なのだろう。
一騎の馬が走ってきた。
ロイは城門の上から見下すように眺めた。
「我はバルクト領主のバルクト・バルクトだ。スライムの力を持ったロイとはお前の事か」
「いやーただスライム食ってるだけなんすけどね」
「ほほう、それは興味深い、どうだ。降伏すれば実験材料として優待してやるぞ」
「そりゃーごめんだねー」
「見たところ15人しかいないように見えるが? こちらは15万だぞ、恐ろしい倍数だな」
「あっそ」
「あっそって、お前バカなのか」
「こっちもそう簡単に倒れるつもりはねーよ」
「そうか、なら後悔させてやろう」
バルクト領主が後ろに退散していく。
「皆散れ、それぞれ楽しんで敵を殺してくれ」
【御意】
ロイは、取り合えず、バルクト領主から目を離さないようにメレルと共に城壁の上から眺めていた。
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