ガチャガチャ戦記~ブラックなスキル持ち達の解放戦争~

AKISIRO

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第39話 15将軍の伝説譚

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 ファイガスタ帝国には1000年前15人の伝説の将軍がいたとされる。
 だが実際には16人いたとされている。
 1人だけ裏切者がいたのだ。
 その裏切り者は死ぬことなく1000年間も生きている。
 空箱のヴォルド・マッカート。

 スキル:箱

 それが彼の力。
 何でも箱に入れる事が出来る。それは自らの体でもだ。
 箱から武器を何でも取り出せる。
 
 彼の最後は自らの箱に埋め尽くされて消滅されたとされるが。
 実際は地球と呼ばれる異世界に箱ごと移動した事から始まる。

 彼はそこで地球の文明に驚嘆した。
 見た事もない機械。
 車と呼ばれる乗り物、電車や地下鉄、飛行機。
 スマートフォンという通信機器。
 テレビゲームやらハンバーガーという食べ物。
 ありとあらゆるものに感激して過ごした。
 その地球は他の惑星を食べる事によって栄華を保っていた。

 だが、8人の男女が立ち上がり戦争が勃発し、平和だった地球は無くなり。

 ヴォルドはまた箱を発動させて、異世界へと渡った。
 そして、戻ってきたのが1000年後の元の世界だった。

 辺りを見回すと。

「懐かしきか」
 ファイガスタ帝国にあるさびれた村。
 そこは故郷だったはずだった。
 しかし、すでに誰も存在せず、朽ち果てていた。

 小屋を覗き見ても何もない。
 風土と化して粉となっている。

「父も母もとっくの昔に死んでいるのか。王に会うか、いや王も死んでいるか、あれから1000年か、地球でも1000年生きた。箱というのは寿命を無くしてしまうのかもしれないなぁ」

 ヴォルドはしみじみと箱と言うスキルを呪った。
 そしてなぜ15将軍を裏切ったのか。

「わしには子供を殺す覚悟もない、誰も殺したいとも思わない。平和に生きたいだけなんだ」

 ヴォルドは1000年前ジスタ領地を滅ぼす事を任命されていた。
 だがそれが出来なかった。
 結局は別な奴が数百年後に滅ぼしたそうだ。

「わしがやらずとも他の誰かがやってしまうのか」

 空箱のヴォルドは悲しくなって涙を流していた。

「流星ガキ、粉骨のヤリ、狂乱バルゼロ、闇丸道化師、包帯のミイラ、ゴーストセイガ、模型のバリー、死神のカラクリ、伝説おっさんのリギット、爆弾のオニ、賢者のリーチャン、小説家マハイ、無敵のマルハ、魔界王デンリン、そしてリーダーで王の帝王ラッドン様、もうこの世界にいないのだろうな、わしが裏切ったから彼等は死んだようなもの」

 空箱のヴォルドはジスタ領地を滅ぼさなかった。
 そのせいで、彼等は死んだ。
 ジスタ領地から現れた扉によって。
 その扉から吐き出されたタルタロスの軍勢によって。
 全ては終わったのだ。

「だが、終わったはずの世界がなぜこうも無事になっているのだろうか、悪魔の軍勢はどうなったのだろうか」

 空箱のヴォルドはとぼとぼと歩きながら途方に暮れていると。

 その時だった。空を覆う巨大な船。
 それはどこからどう見ても地球にあった戦艦である事は明白。
 その戦艦が眼の前に着地すると。
 中から1人の男性が下りてきた。

 彼はこちらを見るとにこやかに告げた。

「やぁ、空箱のヴォルド、久しぶりだね、ロウだ」

「ロウ? なのか」

「地球では世話になったね、キミが異世界人であることは知っていたけど、まさかこちらに来てるとは、地球は崩壊を辿ろうとしているけど、異世界の扉を使ってこちらに渡る事が出来たよ」

「その船の中には」

「ああ、皆いるさ、この船はノアの方舟。人類の延命を願って名づけらえた。ただそれだけなんだ」

「わしは」

「来るかい? これから色々と忙しいんだ。空箱のヴォルド、君のスキルが必要だ」

「ああ、ロウ、行くぞ、ロウ・ゴッド・エルレイムよ」

「その名前は、俺が異世界人だとばれるからよしてくれ」

 ロウはパラレルワールドに存在する世界のロイと呼ばれる双子の弟。 
 この世界にもロイがいるのはなんとなく知っているが、それとは別のロイ。
 ロウは地球に渡り、地球の文明で過ごして来た。
 そうして、彼はロボットを手に入れているのだ。
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