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第2章 勇者成長する
第42話 クリティカルヒットパリィ
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魔王ロンガルド。
こいつは物凄く素早かった。
攻撃する瞬間にジャストヒットならぬクリティカルヒットをお見舞いしないといけない。
もちろん防御のパリィを発動させるタイミングだって間違わないようにする必要がある。
相手が攻撃を決めるとき、必ずと言っていい程大きくモーションする。
モーションした瞬間、こちらの体にヒットするまでの時間を計測するのは不可能。
ただ本能だ。
「今まで培ってきた本能。どこまでやれるかどこまで防ぐ事が出来るか。相手の攻撃が自分の体にどのように当たるか。それを予測するのに、魔王ロンガルドは良い練習相手になったよ、残念なことに兄である事には変わらないが、それが悲しいかって言うと微妙なくらいだな」
コンマ数秒。
相手の攻撃がこちらに当たる瞬間。
その瞬間、勇者ラヴィの体に相手の攻撃、つまり爪がめり込む瞬間。
体が痛みを感じた瞬間。
「お、きたきた」
魔剣Zでその隙間を縫うように、熊を一撃の元に葬り去る。
それが1体だけならまだわかる。
「はい、2体目ー3体目-」
「これな、クリティカルヒットパリィって名前なんだぜっと」
「あまり変な名前は付けないほうが」
サオトメが冷静に突っ込んでくれるが。
「これのお陰で、魔王を1人ぼっちで討伐してきたんだ」
30体以上くらいだろうか、熊をクリティカルヒットパリィで葬り去り続けていると。
「嘘だろお前」
「嘘だ嘘だ。どういう事だ。熊手グスダフとは僕の事なんだぞおおお、これで国を作りたかったのに、猛獣たちの優しい王国を」
「残念だな、これからキミはあの世の国へと旅立つんだよ、おらよっと、そこだろ」
勇者ラヴィは熊でグスダフの至近距離へといつの間にかやってきていた。
熊手グスダフは慌てて至近距離から爪の様な物で攻撃をしてくる。
「スキル:毒爪。スキル:死毒発動。死毒は毒の影響化の生き物を死へと招き寄せる」
「ザーんねん、俺、毒効かないんだー」
「は?」
「魔王城にはさ、毒ゾーンて所があるんだけどさ、魔王ロンガルドはずっとそこにいたわけさ、そりゃもう毒なんて効かなくて効かなくて」
「なんだとおおお」
「ごめん、嘘だけど、捕まえた」
「嘘だったのかあぎゃああああ」
勇者ラヴィは熊手グスダフの爪が触れる前に。
こちらから掴むことに成功し。コンマ数秒の接触で4次元に干渉し、高速魔剣斬りにより上半身と下半身を両断していた。
ぐらりと真横にずれて、4次元のまま、グスダフが死んだ。
「素顔が見られないのは悲しいねー」
「本当にお前は勇者なのか?」
サオトメが尋ねてくるが。
「嘘も方便だろ、そりゃー勇者ではあるがな」
勇者ラヴィにへらと当然のように嘘を言う。
★
異次元狩りカナズチ。
その異名が名付けられた時。彼女はとてつもなく気持ちよくなった記憶がある。
今までとてつもなく弱く。病弱でありながら。うんぬんと記憶を走馬灯のように思い出していく。
「皆死んだ? 一体どういう事へんなー」
「大丈夫よ、今、4次元にいるはずへんー。スキル:4次元付与もあるしー、これで、いっそのこと勇者ラヴィを永遠に4次元にしてしまへんなー、彷徨わせてあげるんだから」
カナズチはゆっくりと慎重に勇者ラヴィに近づいていく。
彼女はこの時気付かなかった。
逃げるという手もあるという事に。
ゆっくりと近づき背後から。
「まってまぁしたあああああ」
勇者ラヴィが振り返る。
手を掴まれた瞬間、コンマ数秒4次元が3次元に干渉する時、心臓を剣で突き刺された。
「あががあがが」
走馬灯の中で、団長と副団長、そしてメンバーが集まって、国を作る夢を抱いて。
いつか来る皆の平和な世界を。
「残念でした。そもそも、人の思いとは簡単でね、復讐したい、やり返したいという気持ちに支配される」
こんなところで。
「死んでたまるかああああああああ」
「スキル:次元狩り。発動」
勇者ラヴィそのものを次元の彼方へと吹き飛ばす。
自分も次元へと吹き飛ばす。
次元の彼方では生命は維持できない、いや生命と言う物が無くなり。
カナズチも生命でなくなり永遠に何かとして存在し続ける。
次元そのものになった。
「どうしたの? ラヴィ」
「これは、これはラヴィ」
「ラヴィチャンラヴィちゃん」
なんだこれ?
カナズチの記憶に何かが張り付いてくる。
勇者ラヴィの思いみたいなものだろうか。
「ぎゃはははっはははっはははははっははははは」
笑い声が響く。
勇者ラヴィが見てきた光景。
それは地獄そのもの。
魔王が暴れる姿。
絶対絶命。
何度も死を感じる。
だが助けてくれる仲間もいない。
1人で四天王を倒す。
何度も死にかける。
想像を絶する痛み。
そこを乗り越える先には何もない。
そして、ある村で調子こいてフルボッコにあう。
勇者ラヴィはさらにハゲスダンジョンにて絶体絶命。
そこでも一条の光を見つける。
希望にあふれてくる。
「ぎゃはっははははっははっははは」
狂ってる。
こんな精神状態でよく戦える。
勇者ラヴィはこの次元の彼方で永遠にいなくなればいい。
「だが、こっちが狂ううううう」
世界が笑いに包まれ世界がくるっていく。
次元の彼方そのものが歪みだす。
苦痛に耐えられない。
勇者ラヴィが経験した苦痛がこの次元では耐えられない。
亀裂が生まれる。
ピキピキッと音を鳴らし始める。
少しずつ少しずつ崩壊を辿る。
そうして次元そのものになっていたカナズチそのものが破壊されていき。
全てが崩壊していく。
全てが吹き飛び。
「ふぅ、なんか頭がやばかったな」
勇者ラヴィは終末騎士団の6名を皆殺しにした。
「団長と副団長はどこかなー」
次元そのものになったのにカナズチはやはり死を迎えた。
最後にルンルンと走っていく勇者ラヴィとサオトメの姿を見て彼女の記録は終わった。
こいつは物凄く素早かった。
攻撃する瞬間にジャストヒットならぬクリティカルヒットをお見舞いしないといけない。
もちろん防御のパリィを発動させるタイミングだって間違わないようにする必要がある。
相手が攻撃を決めるとき、必ずと言っていい程大きくモーションする。
モーションした瞬間、こちらの体にヒットするまでの時間を計測するのは不可能。
ただ本能だ。
「今まで培ってきた本能。どこまでやれるかどこまで防ぐ事が出来るか。相手の攻撃が自分の体にどのように当たるか。それを予測するのに、魔王ロンガルドは良い練習相手になったよ、残念なことに兄である事には変わらないが、それが悲しいかって言うと微妙なくらいだな」
コンマ数秒。
相手の攻撃がこちらに当たる瞬間。
その瞬間、勇者ラヴィの体に相手の攻撃、つまり爪がめり込む瞬間。
体が痛みを感じた瞬間。
「お、きたきた」
魔剣Zでその隙間を縫うように、熊を一撃の元に葬り去る。
それが1体だけならまだわかる。
「はい、2体目ー3体目-」
「これな、クリティカルヒットパリィって名前なんだぜっと」
「あまり変な名前は付けないほうが」
サオトメが冷静に突っ込んでくれるが。
「これのお陰で、魔王を1人ぼっちで討伐してきたんだ」
30体以上くらいだろうか、熊をクリティカルヒットパリィで葬り去り続けていると。
「嘘だろお前」
「嘘だ嘘だ。どういう事だ。熊手グスダフとは僕の事なんだぞおおお、これで国を作りたかったのに、猛獣たちの優しい王国を」
「残念だな、これからキミはあの世の国へと旅立つんだよ、おらよっと、そこだろ」
勇者ラヴィは熊でグスダフの至近距離へといつの間にかやってきていた。
熊手グスダフは慌てて至近距離から爪の様な物で攻撃をしてくる。
「スキル:毒爪。スキル:死毒発動。死毒は毒の影響化の生き物を死へと招き寄せる」
「ザーんねん、俺、毒効かないんだー」
「は?」
「魔王城にはさ、毒ゾーンて所があるんだけどさ、魔王ロンガルドはずっとそこにいたわけさ、そりゃもう毒なんて効かなくて効かなくて」
「なんだとおおお」
「ごめん、嘘だけど、捕まえた」
「嘘だったのかあぎゃああああ」
勇者ラヴィは熊手グスダフの爪が触れる前に。
こちらから掴むことに成功し。コンマ数秒の接触で4次元に干渉し、高速魔剣斬りにより上半身と下半身を両断していた。
ぐらりと真横にずれて、4次元のまま、グスダフが死んだ。
「素顔が見られないのは悲しいねー」
「本当にお前は勇者なのか?」
サオトメが尋ねてくるが。
「嘘も方便だろ、そりゃー勇者ではあるがな」
勇者ラヴィにへらと当然のように嘘を言う。
★
異次元狩りカナズチ。
その異名が名付けられた時。彼女はとてつもなく気持ちよくなった記憶がある。
今までとてつもなく弱く。病弱でありながら。うんぬんと記憶を走馬灯のように思い出していく。
「皆死んだ? 一体どういう事へんなー」
「大丈夫よ、今、4次元にいるはずへんー。スキル:4次元付与もあるしー、これで、いっそのこと勇者ラヴィを永遠に4次元にしてしまへんなー、彷徨わせてあげるんだから」
カナズチはゆっくりと慎重に勇者ラヴィに近づいていく。
彼女はこの時気付かなかった。
逃げるという手もあるという事に。
ゆっくりと近づき背後から。
「まってまぁしたあああああ」
勇者ラヴィが振り返る。
手を掴まれた瞬間、コンマ数秒4次元が3次元に干渉する時、心臓を剣で突き刺された。
「あががあがが」
走馬灯の中で、団長と副団長、そしてメンバーが集まって、国を作る夢を抱いて。
いつか来る皆の平和な世界を。
「残念でした。そもそも、人の思いとは簡単でね、復讐したい、やり返したいという気持ちに支配される」
こんなところで。
「死んでたまるかああああああああ」
「スキル:次元狩り。発動」
勇者ラヴィそのものを次元の彼方へと吹き飛ばす。
自分も次元へと吹き飛ばす。
次元の彼方では生命は維持できない、いや生命と言う物が無くなり。
カナズチも生命でなくなり永遠に何かとして存在し続ける。
次元そのものになった。
「どうしたの? ラヴィ」
「これは、これはラヴィ」
「ラヴィチャンラヴィちゃん」
なんだこれ?
カナズチの記憶に何かが張り付いてくる。
勇者ラヴィの思いみたいなものだろうか。
「ぎゃはははっはははっはははははっははははは」
笑い声が響く。
勇者ラヴィが見てきた光景。
それは地獄そのもの。
魔王が暴れる姿。
絶対絶命。
何度も死を感じる。
だが助けてくれる仲間もいない。
1人で四天王を倒す。
何度も死にかける。
想像を絶する痛み。
そこを乗り越える先には何もない。
そして、ある村で調子こいてフルボッコにあう。
勇者ラヴィはさらにハゲスダンジョンにて絶体絶命。
そこでも一条の光を見つける。
希望にあふれてくる。
「ぎゃはっははははっははっははは」
狂ってる。
こんな精神状態でよく戦える。
勇者ラヴィはこの次元の彼方で永遠にいなくなればいい。
「だが、こっちが狂ううううう」
世界が笑いに包まれ世界がくるっていく。
次元の彼方そのものが歪みだす。
苦痛に耐えられない。
勇者ラヴィが経験した苦痛がこの次元では耐えられない。
亀裂が生まれる。
ピキピキッと音を鳴らし始める。
少しずつ少しずつ崩壊を辿る。
そうして次元そのものになっていたカナズチそのものが破壊されていき。
全てが崩壊していく。
全てが吹き飛び。
「ふぅ、なんか頭がやばかったな」
勇者ラヴィは終末騎士団の6名を皆殺しにした。
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※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
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