俺TUEEEと調子に乗った勇者がレベル9999の村人達にフルボッコされて国外ダンジョンへ追放されました!?~無一文勇者ガチャで成り上がる~

AKISIRO

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第2章 勇者成長する

第43話 終末騎士団の終末

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 地上に出るとき、きわどい姿の女性とすれ違った。
 彼女はこちらを見て笑ったが、どうせ奴隷でも救出しに来たのだろう。
 今は仲間の安否が気になるので、団長のザルガナッシュと副団長のバリスタンは先を急いだ。
 
 まず、地上に出ると、瓦礫の山になっていた。
 山の方角に巨大なクレーターがあちこちにあった。
 ゆったりと1人の男性と1人の女性がやってくる。

「ったくよー山からここまでくるの大変だったぞ」

「私の乗り物はあまり好きではないの?」

「あの機械の乗り物に乗ると気持ち悪くなっちまってな」

「お、団長さんと副団長かな?」

「お前は、勇者ラヴィなのか? 皆はどうした?」

 ザルガナッシュの問い掛けに勇者ラヴィはにやりと微笑んだ。
 そして、ただ。冷酷に告げた。

「全員殺した」

「なんだと」

 バリスタンが叫ぶ。

「嘘じゃないようだな」

 ザルガナッシュが頷く。

「ほう、スキル:改変を行おうか」

「スキル:全身隠蔽」

 ザルガナッシュは魂そのものを改変させる事が出来る。
 だからなのかもしれないがスキルそのものが改造出来たという事だ。

 だがザルガナッシュの弱点としては改変を改造しても何もならない。
 よって自らの魂や体を改変する事が出来る。

「ドラゴヒューマン」

 ザルガナッシュの体そのものがドラゴンの人間そのものになり果てる。

「全身隠蔽とは存在そのものが消える。カナズチと似ているが、あれとはレベルが違うのだよ」

 バリスタンが叫ぶ。

「それに、相手を消去、する事だってできる。ただし触れた者が条件だがな、良いか皆の命は無駄にはしない」

 ザルガナッシュとバリスタンが地上を蹴った瞬間。

「おそ」

 勇者ラヴィの拳がザルガナッシュの顔面にめり込んだ。
 バウンドして瓦礫にぶつかり動けなくなってしまう。

「はやすぎる。一体レベルは、な、んだと、80000だと」

「え、まじか、俺ってレベルアップしてたのね」

 だが、バリスタンが勇者ラヴィに触れる事に成功したようだ。

「きゃああああ」

 全裸の勇者ラヴィが出来上がってしまった。
 サオトメが思わず悲鳴をあげた。

「おいおい、何してくれてんだよ」

「いや、あ、服を触っちまった」

「なーんも聞こえないし何かがいるのも分からない、お前のスキルかザルガナッシュ、変態だな」

「お前に言われたくないわこの全裸目」

「うるさいなー」

 バリスタンがおそるおそるといった感じでスキル:隠蔽を改造した消去を発動しようとしている。

「じゃあ、いっちょ死んでみるか、俺はお前に何の恨みも悲しみもない。さぁ、ぶっ殺しちゃうよー」

 勇者ラヴィが拳を構えて、ドラゴヒューマンになっている団長に向かって走った瞬間。

 それに巻き込まれて、バリスタンが蹴とばされた。

 バリスタンの能力は手で触れないといけない。

 だが、バリスタンの体は小間切れのように吹き飛び、瓦礫に肉片としてぶち当たった。

「あ」

 突如出現する死体に不思議そうに勇者ラヴィが見ていると。

「なんで死んでんだ? そもそも副団長の存在そのものを忘れていた」

 勇者ラヴィが頭を抱えて納得して。

「何かのスキルってことか、でも死んでっから良いか」

 どしどしと。

「く、くるなあああ」

 ザルガナッシュの腹に拳がめり込む。
 もはやドラゴヒューマンであろうとスキル:改変で強くしていようとも関係ない。
 拳を何度も何度も撃ち込まれて。
 血反吐を吐き続ける。

 お腹の形が原型を止めなくなってしまい。

 ザルガナッシュの脳裏で沢山の走馬灯が流れていく。

 勇者ラヴィのなぜかかかと落としがザルガナッシュの脳天にぶち当たり。
 頭そのものがぐちゃりと潰れて、ザルガナッシュの団長人生は幕を閉じた。
 はずだった。
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