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幻想界編
第12話 対人戦
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(氷河……あの盗賊の頭、動きがキレすぎる……。剣技も、どう見てもただの野盗じゃねぇ……。あいつ、本当に人間なのか?)
「志雄くん!!」
ツムギの声が飛ぶ。
「!?」
刹那、背筋に悪寒。反射的に身体を後ろへ反らすと、ナイフの切っ先が目の前を掠めた。
風切り音と共に、頬に冷たい汗がつっと伝う。
「よそ見とはいけないねぇ」
「っぶねっ……!」
慌てて顔に触れれば、ほんの紙一重で裂かれかけていた。視界がじんわりと震え、喉が乾く。
「シルファ!」
ツムギの声と同時に、風が弾けた。盗賊たちが軽く吹き飛び、間合いが一瞬開く。
(今……本当に斬られるとこだった……。俺、魔物より人間の方が怖ぇ……!)
冷や汗をぬぐいながらも、ツムギの言葉が追い打ちをかけてくる。
「油断は禁物です! 相手は人間。魔物と違って戦術も組むし、狙ってくる場所も計算してきます。魔物よりもタチが悪いです!」
「……くっ、悪い……」
(そうだ……俺、足引っ張ってんじゃねぇか?でも……さっきの一撃、避けられた。いや、避けられる“気がした”。直感がそう言ってた……。たった一週間の組み手で、ここまで身体が応えられるようになんのか?)
「うりゃああッ!」
盗賊(D)が吠えながらナイフを振り回し、志雄に迫る。
「……遅ぇ」
(あの一心と比べれば……全然見える。これなら……!)
志雄は一歩踏み込み、右拳を大きく引いた。盗賊(D)の腹部ががら空きになった瞬間、拳を止め、狙いを上に切り替える。
志雄「おらぁッ!」
拳が盗賊(D)の顔面に突き刺さる。肉が鈍くへこむ感触。衝撃に膝を折り、盗賊は呻き声を上げながら後退した。
「ぐっ……くそっ、やりやがる……!」
「……やっぱり、ただ殴るだけじゃ気絶はしてくれねぇか」
自分の拳を見下ろし、唇を噛む。
(やっぱ……まだ技を使わなきゃ通じねぇのか。龍神拳……)
残る盗賊二人が志雄を左右から囲む。ナイフがぎらつき、肌に殺気が突き刺さる。
「志雄くん、後ろっ!」
「……先に俺からかよ」
焦りを飲み込み、学ランの上着を脱ぎ捨てる。ひらりと舞う布を囮にして、一瞬だけ視界を遮る。
「龍神拳――龍閃ッ!」
布が裂けるような音と共に、拳から奔った衝撃波が周囲の空気を爆ぜさせた。地響きのような衝撃が走り、盗賊二人の身体を吹き飛ばす。
「ぐっ!」
一人は木に激突してそのまま気絶。もう一人は地を転がり、ツムギの足元まで転がされた。
「はぁ……っ!」
拳を見ると、右手の皮膚が赤くひび割れて血がにじんでいた。
「……痛っ……まだまだ制御できてねぇな」
盗賊(D)は仲間が倒れているのを見て、顔を青ざめさせる。
「こいつ……本当にただのザコか?……クソッ……」
その声も途切れ、盗賊(D)は白目を剥いて昏倒した。
ツムギがすぐさま駆け寄り、振り向きざまに杖を振る。
「ヴェントス!」
小さな竜巻が矢のように放たれ、最後の盗賊を巻き込んで吹き飛ばす。
「がはっ!」
地に叩きつけられ、動かなくなった。
「ふぅ……終わりましたね」
「……あれ?そんな魔法あったっけ?」
「風の中級魔法です!」にっこり笑い、「それより志雄くん、かっこよかったですよ」
「お、おう……」
右手を庇うように握り締める。
(こっちはなんとか勝った……。あとは氷河だ。お前……負けんなよ)
「志雄くん!!」
ツムギの声が飛ぶ。
「!?」
刹那、背筋に悪寒。反射的に身体を後ろへ反らすと、ナイフの切っ先が目の前を掠めた。
風切り音と共に、頬に冷たい汗がつっと伝う。
「よそ見とはいけないねぇ」
「っぶねっ……!」
慌てて顔に触れれば、ほんの紙一重で裂かれかけていた。視界がじんわりと震え、喉が乾く。
「シルファ!」
ツムギの声と同時に、風が弾けた。盗賊たちが軽く吹き飛び、間合いが一瞬開く。
(今……本当に斬られるとこだった……。俺、魔物より人間の方が怖ぇ……!)
冷や汗をぬぐいながらも、ツムギの言葉が追い打ちをかけてくる。
「油断は禁物です! 相手は人間。魔物と違って戦術も組むし、狙ってくる場所も計算してきます。魔物よりもタチが悪いです!」
「……くっ、悪い……」
(そうだ……俺、足引っ張ってんじゃねぇか?でも……さっきの一撃、避けられた。いや、避けられる“気がした”。直感がそう言ってた……。たった一週間の組み手で、ここまで身体が応えられるようになんのか?)
「うりゃああッ!」
盗賊(D)が吠えながらナイフを振り回し、志雄に迫る。
「……遅ぇ」
(あの一心と比べれば……全然見える。これなら……!)
志雄は一歩踏み込み、右拳を大きく引いた。盗賊(D)の腹部ががら空きになった瞬間、拳を止め、狙いを上に切り替える。
志雄「おらぁッ!」
拳が盗賊(D)の顔面に突き刺さる。肉が鈍くへこむ感触。衝撃に膝を折り、盗賊は呻き声を上げながら後退した。
「ぐっ……くそっ、やりやがる……!」
「……やっぱり、ただ殴るだけじゃ気絶はしてくれねぇか」
自分の拳を見下ろし、唇を噛む。
(やっぱ……まだ技を使わなきゃ通じねぇのか。龍神拳……)
残る盗賊二人が志雄を左右から囲む。ナイフがぎらつき、肌に殺気が突き刺さる。
「志雄くん、後ろっ!」
「……先に俺からかよ」
焦りを飲み込み、学ランの上着を脱ぎ捨てる。ひらりと舞う布を囮にして、一瞬だけ視界を遮る。
「龍神拳――龍閃ッ!」
布が裂けるような音と共に、拳から奔った衝撃波が周囲の空気を爆ぜさせた。地響きのような衝撃が走り、盗賊二人の身体を吹き飛ばす。
「ぐっ!」
一人は木に激突してそのまま気絶。もう一人は地を転がり、ツムギの足元まで転がされた。
「はぁ……っ!」
拳を見ると、右手の皮膚が赤くひび割れて血がにじんでいた。
「……痛っ……まだまだ制御できてねぇな」
盗賊(D)は仲間が倒れているのを見て、顔を青ざめさせる。
「こいつ……本当にただのザコか?……クソッ……」
その声も途切れ、盗賊(D)は白目を剥いて昏倒した。
ツムギがすぐさま駆け寄り、振り向きざまに杖を振る。
「ヴェントス!」
小さな竜巻が矢のように放たれ、最後の盗賊を巻き込んで吹き飛ばす。
「がはっ!」
地に叩きつけられ、動かなくなった。
「ふぅ……終わりましたね」
「……あれ?そんな魔法あったっけ?」
「風の中級魔法です!」にっこり笑い、「それより志雄くん、かっこよかったですよ」
「お、おう……」
右手を庇うように握り締める。
(こっちはなんとか勝った……。あとは氷河だ。お前……負けんなよ)
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