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幻想界編
第18話 それぞれの決意
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「どうしよう……氷河に何も言わないで、武闘会に参加しちまった……」
志雄は広場の片隅、噴水の縁に座って空を仰いだ。心の奥がチクチクする。
ツムギは隣で小さく笑った。
「理由を言えば、きっと氷河さんも納得しますよ。資金は必要ですし……それに志雄くんは、初めての王都なんです。もっと楽しみましょう!」
「……うん、そうだな!」
志雄は肩の力を抜き、ぎこちなく笑った。
⸻
その様子を、少し離れた屋根の上から眺めている影があった。
黒いフードを深くかぶった男。足をぶらりと垂らし、陽を背にして目を細めている。
「へぇ……あいつも、この大会に出るのか」
低い声。
「賊と戦ってた時に使ってた技……なんだったっけな」
フードの下で、口元がにやりと歪む。
「まあいい。あの技を使うなら――戦いたい」
ゆっくりとフードを外した。
陽光を浴びて現れたのは、金髪に黒い毛先を混ぜたツーブロック。鋭さと遊び心を混ぜた瞳。
身に纏うのはスーツ風のジャケットと黒のジーンズ、首元にはネックウォーマー。背中には黒刀が揺れていた 。
「俺も、参加するか」
その目は、志雄を獲物ではなく“面白い相手”として見定めていた。
⸻
その頃。
「……?」
志雄がふと振り返ると、雑踏の向こうに見覚えのある水色髪が見えた。
「氷河! 終わったのか?」
氷河は人混みを縫って、真っ直ぐこちらに歩いてきた。
「ああ。団長に、全部伝えてきた」
「そ、そうか……」
志雄は喉を鳴らし、落ち着かない目でツムギを見やる。彼女がこくりと頷いた。
「……氷河、その……実は――」
そして武闘会参加の経緯を話した。
氷河は短い沈黙ののち、額に手を当てて深く息を吐いた。
「武闘会に出るのか……!? お前、元いた世界に帰りたくないのか? さっき団長に頼んで、お前と面会できるようにしてきたんだぞ」
声は怒鳴りではなく、苛立ちと心配が入り混じった調子だった。
「どこ道草食ってんだよ……」
志雄は縮こまるように頭を下げる。
「ホント、ごめん」
しばし、静寂。だがやがて氷河は肩を落とし、苦笑を浮かべた。
「……まあ、資金は確保しなきゃならんのも確かだ」
「え?」
「よし。俺も参加しよう」
「ええっ!? 参加すんのか!?」
「二人で出れば、その分勝率も上がる。……だから、早めに終わらせて団長に会うぞ」
氷河の銀の瞳は真剣そのものだった。
志雄はその眼差しに圧されながらも、拳を握った。
「よっしゃー! 一緒に行こう!」
ツムギはそんな二人を見て、柔らかに微笑んだ。
「……なんだか、心強いですね」
⸻
その会話を、遠くの屋根の上から悠木が聞いていた。
「二人で出るのか……面白ぇ」
彼は黒刀を軽く叩き、笑みを浮かべた。
「大会が楽しみになってきたな」
志雄は広場の片隅、噴水の縁に座って空を仰いだ。心の奥がチクチクする。
ツムギは隣で小さく笑った。
「理由を言えば、きっと氷河さんも納得しますよ。資金は必要ですし……それに志雄くんは、初めての王都なんです。もっと楽しみましょう!」
「……うん、そうだな!」
志雄は肩の力を抜き、ぎこちなく笑った。
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その様子を、少し離れた屋根の上から眺めている影があった。
黒いフードを深くかぶった男。足をぶらりと垂らし、陽を背にして目を細めている。
「へぇ……あいつも、この大会に出るのか」
低い声。
「賊と戦ってた時に使ってた技……なんだったっけな」
フードの下で、口元がにやりと歪む。
「まあいい。あの技を使うなら――戦いたい」
ゆっくりとフードを外した。
陽光を浴びて現れたのは、金髪に黒い毛先を混ぜたツーブロック。鋭さと遊び心を混ぜた瞳。
身に纏うのはスーツ風のジャケットと黒のジーンズ、首元にはネックウォーマー。背中には黒刀が揺れていた 。
「俺も、参加するか」
その目は、志雄を獲物ではなく“面白い相手”として見定めていた。
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その頃。
「……?」
志雄がふと振り返ると、雑踏の向こうに見覚えのある水色髪が見えた。
「氷河! 終わったのか?」
氷河は人混みを縫って、真っ直ぐこちらに歩いてきた。
「ああ。団長に、全部伝えてきた」
「そ、そうか……」
志雄は喉を鳴らし、落ち着かない目でツムギを見やる。彼女がこくりと頷いた。
「……氷河、その……実は――」
そして武闘会参加の経緯を話した。
氷河は短い沈黙ののち、額に手を当てて深く息を吐いた。
「武闘会に出るのか……!? お前、元いた世界に帰りたくないのか? さっき団長に頼んで、お前と面会できるようにしてきたんだぞ」
声は怒鳴りではなく、苛立ちと心配が入り混じった調子だった。
「どこ道草食ってんだよ……」
志雄は縮こまるように頭を下げる。
「ホント、ごめん」
しばし、静寂。だがやがて氷河は肩を落とし、苦笑を浮かべた。
「……まあ、資金は確保しなきゃならんのも確かだ」
「え?」
「よし。俺も参加しよう」
「ええっ!? 参加すんのか!?」
「二人で出れば、その分勝率も上がる。……だから、早めに終わらせて団長に会うぞ」
氷河の銀の瞳は真剣そのものだった。
志雄はその眼差しに圧されながらも、拳を握った。
「よっしゃー! 一緒に行こう!」
ツムギはそんな二人を見て、柔らかに微笑んだ。
「……なんだか、心強いですね」
⸻
その会話を、遠くの屋根の上から悠木が聞いていた。
「二人で出るのか……面白ぇ」
彼は黒刀を軽く叩き、笑みを浮かべた。
「大会が楽しみになってきたな」
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