新 女子総合格闘家ＪＫマスクガールヒカリ（１8禁）

プロローグ ヒカリの序奏 １

第一章　ヒカリの序奏

１
「ＪＫマスクガールヒカリ、グラウンドパンチ炸裂！」

　ヤァッ～タアツ～～トウッ！

「おおっと、逆転、羽交い締めにされたＪＫマスクガールヒカリ、ピンチ！　さらに、ヘッドロックをされたＪＫマスクガールヒカリ、どうする～」

　ＪＫに負けてはいられないという挑戦者の意地でもあり、叩きのめしたいというのが本音だった。

「ＪＫマスクガールヒカリ、敵を一歩ずつロープに近づけていき、足を取って転ばした～、そして裏拳打ち、パンチ、パンチ、パンチ、すさまじい得意の後ろ回し蹴り、そして、捕まえてパイルドライバー、決まった！　相手が動けない！」

　カンカンカンカンカン～～

「今年も女子総合格闘技大会ＭＭＡ優勝！　ＪＫマスクガールヒカリ！」

　ゥォオオ～～～～～～～～～！

「やったぜ、ＪＫマスクガールヒカリ！」
「俺らのＪＫマスクガールヒカリ、ＪＫマスクガールヒカリ、ＪＫマスクガールヒカリ～～～」
　紙吹雪の中で、ＪＫマスクガールヒカリがベルトを受け取って腰に巻き付けているのを見て、会場は熱狂的なファンで大盛り上がりだ。テレビカメラもＪＫマスクガールヒカリのポーズをズームで撮っている。
　ＪＫマスクガールヒカリを称える声に混じって、前列に鉢巻きをしていた応援団は、大声で歓喜の声が高らかだ。
  社会が変わり、総合格闘技のルールも改正された。プロレスと同じようなコスチューム、技も認められ、マウスピースは普遍のルールだが五本指を露出したグローブやスポーツアンダーサポーターも身に付けるかどうかさえも自由だ。ルールが改訂されて本当の意味での総合格闘技となった。それに伴って個性的な選手が大会に出場し、総合格闘技の人気は高まった。
　超新星のように現れたＪＫ選手、ピンクで統一され、上下に分かれたセパレートリングコスチュームだ。下はＶカットに帯状で五本帯でつながっていて、マスクは赤を主体に強い豹をイメージして耳のある赤い女豹となっている。もっとも耳は折りたたみ、マスクの色調は薄めだ。目と鼻、口が空いている。頭の後ろでクロスで縛っている。マスク中央、おでこの所には、大きめのスパンコールで赤い宝石をつけ、そこを太陽の炎のごとく、回りに赤い放射状に描かれていて、若者にそのセンスが気に入れられている。　
　首にはピンクのチョ－カー、胸はＦカップの巨乳を覆うピンクの布が覆っていて淡いピンクの毛をはやしている。肩から金色の帯が２本見える。そして、中央にはかわいい青いリボンを付けているのだ。赤いリングシューズに手袋、肘、膝にあるのも赤である。胸がＦカップあるので、揺れにくくするために下から持ち上げ、両サイドから押し上げて、巨乳は目立つが、そこが本人の悩みである。
　ＪＫマスクガールヒカリは、かわいらしさをアピールするために、下はシースルーのレースのミニスカート、その中にピンクのハイレグビキニ水着を着用している。スカートはピンクのベルトをし、金の星形付きバックルで輝いている。腰の両サイドには、ピンクのリボンを付けてかわいらしくアピールしている。ハイレグビキニ水着の下は、Ｔバックのような白のスイムインナーをはいている。試合中にくいこむことがあって、これもＪＫマスクガールヒカリにとっては悩みの一つだった。
　勝者であるＪＫマスクガールヒカリのインタビューが始まった。
「ＪＫマスクガールヒカリ選手、おめでとうございます」
「ありがとう～」
「この気持ちをだれに一番伝えたいですか」
「あ～、それは・・・」

　ＪＫマスクガールヒカリは、母親にまだ赤ちゃんだった頃、私設の希望の里の前に捨てられた。だから、子どもの頃からずっと希望の里で育ち、16才になってから自立し、アパートに住みながら学園に通っている。名前は施設職員が付けた。希望の里から山が見えるから、「山下」、幸せに育って欲しい気持ちから、「幸子」、ＪＫマスクガールヒカリの本名は「山下幸子」と名付けられた。
　もともと格闘技は、寂しさから、物心ついた時に近くの道場を見ていて誘われて憧れて始めた。そこで教えていた師範代に声をかけられ、無料で教えてもらえた。雑巾がけなど手伝いながら他の人よりも多く一生懸命に練習したからこそ、このように強くなった。今は、その道場で夜と週末だけ、師範代として教え、収入を得ていた。ここでは、白の空手着、黒帯にまでなったのである。そして、その経験が総合格闘家へ進むきっかけとなったのだ。しかし、顔は知られたくないので事務所と相談して覆面をし、ＪＫマスクガールヒカリとしてデビューした。
　ファイトマネーのほとんどは、自分が出た私設の希望の里に名前を言わずに寄付している。だから、一番伝えたいのは、希望の里の子ども達だった。
　ＪＫマスクガールヒカリは後ろの方の目立たない所の男の子の方を見た。今日も応援に来てくれている。告白されて付き合うことになった佐原優真だ。女子総合格闘家ＪＫマスクガールの大ファンということも付き合おうと思った理由の一つだが、彼の優しさや純粋さ、努力家であることに心が打たれたのだ。しかし、忙しくて学園や道場以外では会うことも出来ず、デートにも行っていない。それでも心は通い合っていた。
　同じ学園の二つ後輩の１年生だが、部活が同じで幸子（ＪＫマスクガールヒカリ）の道場生でもある。部活はともかく空手は初心者で、山下幸子との時間を共有したくて道場に入り、熱心に練習をしている。
　優真は、山下幸子が総合格闘家ＪＫマスクガールだとわかっていない。しかし、優真は、山下幸子と同じぐらい、ＪＫマスクガールヒカリのファンでもあった。だから、山下幸子としてではなく、ＪＫマスクガールヒカリファンとして見てくれていてもうれしいことだった。
　もう一人大切な人が来てくれている。
　凜々しい顔つきの女子プロレスラー、横川七海だ。幼い頃から、同じ道場の先輩として鍛えてもらった恩人だ。七海は空手からプロレスに変えてテレビでも人気者になっている。黒のレザーハイレグパンツにスカート、同じく黒のレザースポーツブラがコスチュームだ。髪の毛も黒くロングでモデルの仕事も兼ねている。

  本当に伝えたい人のことは秘密だ。
「一番伝えたいのは、ここに来て応援してくれた人だけでなく、テレビの前で、この私を応援してくていたファン、いつか会いたいですね、皆さん、ありがとう」
「全試合勝ち進み、ＪＫマスクガールヒカリに勝てる人は、難しいと思いますが、ＪＫマスクガールヒカリは前のインタビューでポニーテールだとお聞きしました。そのポニーテールを掴める幸運者は出ると思いますか」
「無理でしょう、私に勝って縛ってある覆面の紐を解ける人はいない。その前に必ず勝ちます！」
　強気の発言に天井から、紙吹雪が飛んできて祝福の嵐となり、ＪＫマスクガールヒカリコールがやまなかった。

「ＪＫマスクガールヒカリ、今日も僕のために頑張ってくれてありがとう、もうすぐ、君を見付けて会いにいくよ」
　テレビ画面に話しかけているのは、女子格闘技オタクで、今はＪＫマスクガールヒカリに異常なまでに感心を持っている。一方的に悪い妄想をいだいている同じ年齢の山田健太だ。
  山田健太は格闘技の情報を収集し、貪欲に知識を貪り、妄想するところに脳が活性化される。そのためか、想像力を活性化し、学力が優秀なのだ。
　ＪＫマスクガールヒカリの影響で自分の体に合う柔道を習っているが、スポーツには興味がなく全般的に苦手だ。家は大金持ちで自由にやりたい放題だが、人付き合いは苦手というより、興味ある人としか関わらないので友達はいない。見えない不気味なオーラを出して山田健太の周りに人が来ないのだ。
　部屋にはＪＫマスクガールヒカリの宣伝用ポスターを貼り、胸や股間の部分にはマジックで予想した乳首や性器、毛を書いている。
　ＪＫマスクガールヒカリはフィギュアの人形が売られていて、健太はこれをテレビの前に置き、大会が始まると自分の肉棒をしごき始める。
　ピンチや試合が終わると、精液をぶちまけるのだ。時には、ポスターをイスの上に置いて、ＪＫマスクガールヒカリの顔にずぼんから肉棒を出して擦りつけ、ドビュッ～と出して満足するのだ。
「もうすぐ、会えるよＪＫマスクガールヒカリ、人形やポスターじゃなくて、生身のＪＫマスクガールヒカリを汚して、セックスする。そして、僕の変態嫁に調教してあげるからね」
　山田は頭脳明晰で、ＩＴに強くコンピュータ情報検索に優れた能力をもっている。もう少しで、ＪＫマスクガールヒカリの通っている学園が予想できる段階にきていた。ＪＫマスクガールヒカリは無防備で何でもインタビューに答える。その言葉の分析で住んでいる地域、学園を検索し、そこに転校するのだ。
　すでに山田は何回も転校して、やっと目星がついたのだ。ＪＫマスクガールヒカリの通っているのは光丘学園だ。