愛すべき『蟲』と迷宮での日常

熟練紳士

文字の大きさ
87 / 126
第二十三章

第九十八話:(ゴリフ外伝)ゴリフの結婚前夜(2)

しおりを挟む
◆一つ目:ゴリフリーナ
********************************************



 人生、一歩道を間違えば取り返しの付かない事があると聞くが…まさか、体験する事になるとは思わなかった。いいや、間違ったというのは相手に失礼だ。なるべくしてなったと考えよう。

 私以外にあの二人を幸せに出来るとも思えない。彼女達の過去を知り、今を受け容れる。それが出来る男がどれだけ居るだろうか…きっと、殆ど居ないであろう。仮に居たとしてもそういう紳士の殆どは既婚者だ。

 ならば、これは天啓だ。

 明日に式を備えている私を気遣ってガイウス皇帝陛下が酒瓶を片手に私の部屋に来てくれた。絹毛虫ちゃんを伸びると言いながらビヨーーーンと伸ばして遊んでいるようにも思えるが、きっとリラックスさせるつもりで敢えてあのような行為をしているのだろう。

モキュウ(伸び~るじゃありません!! ガイウス皇帝陛下!! 乙女の柔肌をなんだと思っているんですか。どうせならブラッシングしてください)

 ガイウス皇帝陛下が絹毛虫ちゃんから差し出されたブラシを受け取り、ご自身の髪の毛を整え始めた。あぁ…絹毛虫ちゃんが暴れているが、ガイウス皇帝陛下の物理的な包容力の前には無意味だった。

モッモキュ(いやぁ~、離して~。お父様、ガイウス皇帝陛下が虐める~。お気に入りのブラシが!!)

「いよいよ明日じゃの!!」

「えぇ、ガイウス皇帝陛下…私のような者の為に、お越し頂いたのは非常にありがたいのですが、本当によろしかったのですか?」

 聞いた話では、執務を放置して王宮から飛び出してきたとか。

 それなりに長いお付き合いがあるにせよ先日まで一代貴族であった私のような者の為に他国まで足をお運び頂けるとは嬉しい限りです。しかし、あまり私を贔屓されてると噂になってしまいます。ただでさえ、隠し子では無いかと疑われているのです。

「ふむ…レイアよ。儂は、レイアの事を実の息子のように思っている。故に、瀬里奈殿が来られない以上、儂が出るのは当然であろう!! それに打算的な考えもある。これを機に『ウルオール』との良い付き合いをする為に色々と手を尽くしている」

 恐らく、領地絡みの事だろう。ランクAは、国家防衛の要でもある。一人で国が落とせる強者だ。それが一気に二人も国外に流出するのだ。『ウルオール』側からしてみれば冗談じゃ無いと思うだろう。だからこそ、トップ同士で妥協案を探しているという事か。

 幸い、『神聖エルモア帝国』と『ウルオール』は国境が接している。侯爵となったことで新たに国境付近の土地があてがわれるだろう。私としては、彼女達のご両親とも仲良くしたい。『ウルオール』だって、『神聖エルモア帝国』とは仲良くしたいはずだ。

「ゴリフリーテやゴリフリーナをダシに使うのは、いささか気が引けますが…同盟関係を結ぶのには良い機会かと思われます。本当であれば、ガイウス皇帝陛下のご子息の誰かと良縁を結ばれるのが理想なのですが…私以外に彼女達を幸せには出来ないでしょう」

「気にするな。それに、大国の王族同士の婚姻など滅多に無いわ。息子達には、諸外国より国内で頑張って貰わねばなるまい」

 それもそうか…国外に目を向けるより国内の地盤を確固たるものにする方が先決か。大国だからこそ、国内に力を入れるべきだとお考えなのであろう。

「そうですね。しかし、結婚は大変だと身をもって実感いたしました。ガイウス皇帝陛下は、何度もご経験されていると思うと本当に頭が下がります。私達の式は極めて異例の小規模ですが…ガイウス皇帝陛下ともなれば招待客の管理などで目が回るほどお忙しかったでしょう」

「儂くらい偉くなれば、そこらへんは人任せでいいんじゃよ。部下達が適当に選別するからな。まぁ、結婚式の影で貴族達が挨拶の順番や入場の順番など様々な事で裏金を動かしていたのは知っているが…あの程度些細な問題じゃ」

「貴族達は相変わらずですね。お金は確かに大事だと思いますが、ガイウス皇帝陛下の結婚式にまで持ち込まないでも良いでしょうに…」

「良くも悪くもそれが貴族社会だからな。ちなみに、レイアの結婚式にも無理矢理参加しようとしていた諸侯もいたぞ」

 えっ!? こう言っては、アレだが…社交界デビューすらしていない私の結婚式に出てこようとする貴族って何を考えているんだ。面識がある貴族なんて殆ど居ないぞ。よくて、冒険者の立場で顔を合わせた事がある程度だ。

「出席者は、ヴァーミリオン王家とガイウス皇帝陛下のみ…。多少無理してでも出席できれば、顔が売れるという計算ですかね」

「そうだろうな。少数精鋭とはこの事かと言うほどの面子じゃ」

「神聖な結婚式をなんだと思っているんでしょう。呆れて物が言えません。そもそも招待客については、相手方に一任しておりますので…ガイウス皇帝陛下以外がご出席する事は叶わないでしょう。座席数も多くありませんし」

 ヴァーミリオン王家の出席者は、ご両親であるミカエル国王とゴリフリーザ王妃と至宝の双子。それに対して此方はガイウス皇帝陛下並びに、蟲達の代表で一郎。本当は、瀬里奈さんを呼びたかったのだが、ガイウス皇帝陛下と話し合った据えにお流れになった。

 やはり、相手の出方がまだ分からないので、様子をみてから紹介した方がよいだろうとの事だ。

「だろうな。それでレイアは、将来生まれてくる子供の名前は決めたか?」

「将来ですか~。まだ、結婚すらしていないのに気が早いですよガイウス皇帝陛下」

 子供の名前…考えないようにしていた。

 悪いが、『ウルオール』のヴァーミリオン王家の家系図を見せて貰った。そうしたら驚愕の事実が分かったんだよ!! 王家の女性の名前にある特徴がある事が。我が目を疑うとはこの事だと思った。

 ヴァーミリオン王家の家系図に名を連ねた女性は、必ず『ゴリフ…』と付いていた。

 嘘だあぁぁぁぁぁぁ!! と思う人も多いかも知れないが歴とした事実だ。最初は、イタズラ好きと聞いた至宝の双子であるミルアとイヤレスの遊びかと思った。だからこそ、王都にある図書館や本屋にまで足を運んで調べた。更には、城下町の者達に聞き込みまでやったよ!!

 だけど、返ってくる答えは同じだった。

 要するに、私と彼女達の間に女の子が生まれたらヴァーミリオン王家の習わしで『ゴリフ…』と名付けなければいけない。現代人の感性を持つ私にはそれが許容できなかった。何が嬉しくて娘にゴリフなんて付けないといけない!!

 そこで考えた…王家で無ければ『ゴリフ…』と付けなくてもいいんじゃないかと!! だから、王位継承権を破棄してもらったのだ。彼女達は、王家の直系かもしれないが外に出たから許してねという作戦だ。

 未来に産まれてくる子供達の為に、今から対策をするとかやり過ぎかも知れないが紳士にしか出来ない行為であろう。

「それは、いかんな!! 名付け親は、儂に任せておけ!! こう見えても子供達の名前は、全部儂が考えた!!」

 ガイウス皇帝陛下が名付け親になってくれるという申し出は本当に光栄だ。それに、あんなに沢山いる子供達全員の名前をご自身で決められていたとは…知らなかった。だが、コレは期待できるぞ。

 世界を股に掛けたという陛下だ。きっと、良い女性の名前をインプットされているであろう。

「ありがとうございます!! 大丈夫だとは思っておりますが、私から一つだけ要望があります」

「言ってみると良い」

「ゴリフと付かない名前を…」

………
……


「えっ!?」

「え!?」

 今までに見たことが無いような顔をされているガイウス皇帝陛下。本気で困ったご様子だ。そんなに難しい注文を言ったのか!? 三文字を使わなければいいのだから楽勝でしょう。

「まさか…」

「レイアよ!! しばし待て。えーーっと、この頁の名前は…」

 ガイウス皇帝陛下が神器プロメテウスを取り出した。私に見えないようにこそこそと…いや、まさかね。そんなはずありませんよね!! 蟲達がガイウス皇帝陛下の側へとワラワラと近寄っていった。

ピピー(このゴリフレットなんて素敵じゃありませんか?)

モナ(いえいえ、こちらのゴリフリーズなんていうのも捨てがたいですよ)

「流石は幻想蝶に蛆蛞蝓じゃ。よく分かっておるな」

 ………あれ?

 何か違和感があると思ったら、ガイウス皇帝陛下が普通に幻想蝶ちゃんと蛆蛞蝓ちゃんと会話している気がする。いつから蟲言語を理解出来るようになったのだろうか。

モキュー(ゴリフォーゼなんていうお名前もかっこいいじゃありませんか)

「もっと女性らしい名前にしてやらねばならんだろう」

 やはり、どう見ても会話が成立している気がする。

「あの~ガイウス皇帝陛下。いつから蟲言語を理解できるようになったのですか」

「神器プロメテウスは、いい女を調べるだけで無く身辺調査にも活用できる。それをちょっと応用すれば、いい女である幻想蝶や蛆蛞蝓の言葉が翻訳されて現れるなど当然であろう」

 す、すげーーーー!!

 神器として、本当にどうでも良い機能しか有していないと思っていたがコレばかりはすごい。あらゆる言語に対応したインターフェースだったとは…いい女の定義は、何も人に限定した物で無かったとか、どうでもいいところで凄いわ。

 だが、今はそれどころでは無い。このままでは、場の雰囲気でゴリフ…って名前で決定されてしまう恐れがある。

「ガイウス皇帝陛下、何も今考えなくても…」

「まぁ、待て待て…おぉ!! これなんてどうじゃ…ゴリフィーナ」

 なんだか、悪い魔法使いに捕らわれてアレな展開が待ってそうな名前ですね。それに、聞こえは良いが、文字に書けば『ゴリフ』+『ィーナ』だという事実!!

「申し訳ありませんが却下です。その名前を付けると娘が悪い魔法使いに捕まりそうな気がします」

「ふむ…良い名だとおもったのだが。では、ゴリスティーナなんてどうじゃ」

 ゴリフから離れた名前だが…なんか、タイムマシーンでも開発しそうな名前だな。世界的に作ってはいけない物を作ってしまいそうな気がしてくる。更に言えば、不幸な事件にまきこまれて死んでしまいそうな予感すらする。

「良い名前ですが…何やら、色々と不幸な事件に巻き込まれる気がしますので却下です」

「不幸な事件か、レイアより事件に巻き込まれる者は早々いないとおもうが…だが、娘の事を案じる父親ならば分からんでも無い。そうなると…ゴリファゼット!!」

 また、ゴリフに戻ったぞ!! 

「ガイウス皇帝陛下!! ゴリフに戻っております!!」

 神器プロメテウスを以てしてもゴリの呪いから開放されないのか。神器の力すら超えると言うのか…もしかして、先日ガイウス皇帝陛下と二人だけで鍋パーティーをした際に鍋敷き代わりにしたのを怒っているのだろうか。神器は、担い手を選ぶと言うので意思を持っている可能性は十分に考えられる。

 今度、ご機嫌取りに綺麗に磨き上げよう。

「…どうやら、神器の調子が悪いようだから子供が産まれた時に考えることにしよう」

「そうしましょう」




 ◆

 お父様の話を終えて帰り際に気づいてしまった。

「ねぇ、ゴリフリーナ…私達姉妹よね?」

「何を今更」

「産まれた順番的に私が姉よね?」

「そうなるわね」

 …!!

 この瞬間、姉であるゴリフリーテが何を考えているか分かってしまった。明日は結婚式…更に言えば、新婦が二人という事で一般的な形式からは少し外れる。そう言った、例外的な結婚式では、年功序列でバージンロードを歩み、誓いのキスを行うのが慣わしとなっている。

 ちなみに、この形式で結婚式を行った著名な人はガイウス皇帝だ。双子の姉妹を纏めて娶った時にこの形式を用いた事から広まったと言われている。

「双子の場合、位置的に言えば最初に産まれた方が妹という地方もあるらしいですわよ」

「何処の地方の話かしらね。ここ『ウルオール』とは全く関係の無い地方のことでしょう」

 私達姉妹の中では、幾つかの暗黙のルールがある。

 一つ目は、家族の為ならば死をも厭わない。
 二つ目は、姉妹で争う事になった場合にはエルフらしく腕力で解決させる。
 三つ目は、幸せになる。

 今回の案件は、二つ目と三つ目に抵触している。

 ゴリフリーテの瞳に闘志が灯っている。結婚前夜だというのに、一戦交える事を厭わないその覚悟。

「姉の顔を立てて譲る気は無いようですね」

「無論。後でもめる位なら今すぐに決着を付けましょう。その方が後腐れないわ」

「今から、30分後…地下闘技場で」

 闘技場…王宮地下にある王族専用の訓練場の名称だ。迷宮にいけない日には、ソコを利用して技を磨く。それが王家の習わし。尤も、『聖』の魔法に耐えうる構造になっていないので魔法の技では無く肉体の技を磨く場所となっている。

 王家の中で総合的には私とゴリフリーテが一番強いが、魔法なしの場合だとお母様も私達に並ぶ。あの細身で何処にそんな力があるのかと疑問が尽きない。


………
……


「姉妹で本気で戦うのは久しぶりかしらね」

「えぇ、ですが手加減は致しません。私も、一番手がいいので」

 長い時間一緒に活動していたからこそお互いの手の内は知り尽くしている。やりづらいことこの上ない。だけど、女の意地があるので負けられない。

「お互い明日の事もあるので、万が一を考えて顔などの露出する部分への攻撃は禁止で」

「当然ですわね。では、ご覚悟をゴリフリーテ!!」

 筋肉と筋肉の熱い衝突が始まった。

************************************************
結婚前夜なので式まではありません!!
ちなみに、明日の結婚式後は初夜をめぐって殴り合いが発生しております!!

次話から本編に戻りますね^^
来週も同じ時間に投稿出来るようにがんばりますが…間に合わなかったらごめんなさい。

PS:
3回OVL大賞に応募しようと思います^^

しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。