愛すべき『蟲』と迷宮での日常

熟練紳士

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第二十九章

第百三十四話:(蛆蛞蝓外伝)天獄に到達した蛆蛞蝓(3)

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◆一つ目:蛆蛞蝓
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「はい、あーーーん」

 お父様が言っていた。駄目猫タルトは、面白く扱ってこそ光る存在だと。

 だから、ステイシスさん達へのお土産調達を手伝ってくれたお礼に、人通りの多いメインストリートに面したこのカフェでケーキをご馳走してあげているんです。先ほどから、私のケーキが一口欲しそうだったので食べさせてあげている。

 どうしたんですか。周りの視線なんて気にしていたら生きていけませんよ。

「あの・・・アイリ様」

「そんな、様だなんて他人みたいに。アイリで結構ですよ駄目猫タルト様。それとも駄目猫タルト様は、私が差し出したケーキなんて食べられないと仰るんですか」

「そんなことは・・・ほら、でも周りの視線が」

「酷いですわ。こんなにも駄目猫タルト様に尽くしているのに。一体なにが不満なのでしょう。やはり、もう私は用なしなんですね。タルト様が囲うための、亜人を産むだけの存在だったのですね。いいんです・・・私の事なんて。でも、私の可愛い子供達は、どうか・・・どうか!! 捨てないでください」

 シクシク

「ちょ!!」

 間違ったことは言っていません!! 蟲系亜人は、この私の体内で最終調整を行うのです。要するに全て私の産んだ子供!!

「おぃおぃ、聞いたか・・・タルト副教祖様は、あんな美女だけじゃなくてその子供までかよ。もはや歴史に名が残る犯罪者じゃねーか。誰か衛兵呼んで来いよ」

「でも、蟲系亜人って確かヴォルドー領が絡んでいるアレだろう。・・・・・・はっ!? まさか、タルト副教祖はあのヴォルドー家を裏で牛耳っているとか」

「馬鹿、おまえ!! 消されるぞ」

 パパラッチ達が面白おかしく話題を盛り上げてくれる。

 他にも、悲しそうな悲壮感漂う雰囲気を出すと、周りのお客様や野次馬達が「あんな美人からケーキを食べさせて貰えることになにが不満なんだ」「憎しみで人が殺せるなら・・・」など沢山の声援が頂ける。

 お、面白い!!

「た、食べます!! 頂かせて頂きます」

「はい、あーーーん」

 将来的には、ラージャちゃんやゴリフィーナちゃんにこんな事をやってみたいですね。今は、駄目猫タルトさんの予行練習で我慢しておきます。

「本日は助かりました。タルト様のおかげでお買い物も無事に終わりましたので、後は王宮に行くだけです」

「そうなの、それじゃあここでお別れね」

 そんな嬉しそうな顔をしても逃がしませんよ。

「そ、そんなタルト様・・・今日は、タルト様の元にいる私の可愛い子供達と一緒に夜を共にするために色々と準備してきたのに・・・酷いですわ。私の体液が肌が10歳若返ると言って求めてくれていたのに、用がなくなればポイだなんて」

 蟲系亜人達の健康診断をしにいくだけですけどね!! 後半に関しても嘘は、言ってませんよ。

 ざわざわ

 更に周辺が騒がしくなる。「おぃおぃ、二刀流どころじゃねーな。英雄色を好むというが・・・女でも当てはまるとはね」「鬼畜ここに極まりだな」などなど楽しい声が聞こえている。

「わ、分かっていて仰っていますよねアイリさ・・・ん」

「勿論です!! 駄目猫タルト様」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 それから駄目猫タルトさんと腕を組んで王宮までやってきました。事前に連絡がいっていた事とヴォルドー家の家紋も加えて、『ウルオール』で歴史の教科書にまで顔が載っている駄目猫タルトさんが居れば顔パスです。

 応接間まで案内されて待つこと数分。駄目猫タルトさんは、魂が抜けてしまったかのようにだらりとしている。色々と諦めればいいのに残念です。その為に、お父様も子孫を残せるように蟲系亜人を駄目猫タルトさんの元に送ったのにね。

 紳士であるお父様にしか出来ない心遣いです。

 タタタタタ

 この足音とこの気配間違い有りません。

 バタン!!

 扉が大きく開き、ミルア様とイヤレス様が着てくださった。そして、足下には次郎様まで。

「お待たせしました~。むむ、今までに見たことが無い容姿・・・瀬里奈さんに近い邪悪なフォースを感じます。中に誰か入っていそうですね。ミルアは、どう思う?」

「うーーん、瀬里奈さんが関わっているのは間違いなさそうだけど幻想蝶ちゃんや絹毛虫ちゃんとは別ベクトルの女子力がする気がする。どちらかといえば、瀬里奈さん寄りの女子力?」

 ガーーーン

 じょ、女子力は決して幻想蝶ちゃんや絹毛虫ちゃんに劣らないと自負していた。それなのに、瀬理奈様と同じく別ベクトルの女子力が高いなんて評価。もう、今日はベットを涙で濡らすしかありません。

「ミルア様、イヤレス様。そのアイリ様は、中身はですね」

「あ『両刀遣いのタルト』」

「本当だ『酒池肉林のタルト』だ」

「ぎゃふん。もう、こんな場所までそんな話が・・・」

 人の噂の広まる速度は凄いですね。もう、王宮に居るお二人の耳に入るとは有名人は辛いと言うことですか。

「イヤレス様、ミルア様、蛆蛞蝓です。本日は急なご訪問で誠に申し訳ありません。実は、お二人に折り入ってお願いがありまして・・・」

「なんだとぉ~、あんな大きな体の蛆蛞蝓ちゃんが一体何処に・・・」

「きっと、この中ですよ」

 プニプニ

 正体をばらした途端に二人が驚いた顔をしている。そして、ホッペやお腹などを触ってくる。人語を話せるのは、中から直接操作しているからですよ。

 止めて、くすぐったいです。

「うーーん、おかしい・・・端から見たら美少女二人が美女相手に悪戯している光景なのだけど。実際は、男の娘二人が腹の中に蟲を宿した人型模型とじゃれ合っているだけとは」

「思った以上に元気そうですねタルト様。では、そろそろご満足いたしましたかミルア様、イヤレス様」

「この肌質・・・僕達を再現してない? 肌触りがそっくりなんだけど」

 す、鋭いですね。この人型模型製造には私も一枚噛んでおりまして瀬理奈様からお二人の肌質を再現して欲しいといわれてお手伝いしました。

「お察しの通りです。瀬理奈様からご要望でして・・・完璧でしょう?この私が全力で取り組みましたから」

「と言うことは・・・アイリ様に抱きつくともれなく至宝の二人と同じ感覚が!?」

 今頃気がつきましたか。そもそも、今その至宝のお二人が目の前にいる時点で抱きつけば良いのに。お二人は、なんだかんだで寛大ですから、きっとあること無いこと噂にする程度で許してくれますよ。

「そうですよ。ここにくるまで腕を組んでいてあげたのに・・・残念でしたね。もう少し味わっておけば良かったのに」

「そんなに、僕達を抱きしめたいですか?」

「ふふふ、三回回ってワンって言ったら構いませんよ」

 ミルア様もイヤレス様もノリノリだ。

 クルクルクル

「ワン!!」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 今や、『ウルオール』を代表する程の冒険者であり、歴史に名を残した数少ない人になっている駄目猫タルトさん。プライドより欲望に素直なところは嫌いじゃありませんよ。

「見ました? 今、猫耳亜人がワンって言いましたよ」

「えぇ、プライドがないんでしょうか」

「キャー、そんな豚を見るような目で見られると・・・・・・」

 この駄目猫タルト、はやくなんとかしないと!! イヤレス様とミルア様の教育によろしくありません。

「タルト様・・・お二人に触れないでくださいね。汚れます。だから、ここは肌質が同じ私が涙をのんでタルト様の生け贄になります・・・・・・シクシク」

「蛆蛞蝓ちゃん。僕達の為に犠牲になるなんて・・・安心して、今回の一件は雑誌のインタビュー記事で直ぐに世間に公表するから!!」

「蛆蛞蝓ちゃん~、貴方の犠牲は決して忘れないから」

 ミルア様とイヤレス様と抱き合いってから、約束通りタルト様を抱きしめてあげた!! ほら~、同じ肌質ですぞ。

「なんか違うけど・・・間違っているけど!! といか、やめて~。これ以上変な噂が広まったらもうお外を歩けない」

「大丈夫ですよ。もう手遅れですから」

 にっこりと駄目猫タルトさんに伝えた。事実・・・もはや、手遅れでしょう。アレだけ街中でやらかして・・・これから、ミルア様とイヤレス様の手にとって更に広まるんです。明日には国中に広まるでしょう。

 それから、タルト様が満足するまで抱きしめてあげた。もう、借りてきた猫のようにぐったりしてしまった。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 焦燥しきったタルト様が床で死に絶えてる最中、本題を切り出した。

「茶番はこのくらいにして、本日はお二人がお持ちの黄金の杖と白銀の杖を借用させて頂きたく参りました」

 なにやら少しお困りのご様子。

「ちゃんと、原形留めて返してくれるなら・・・」

「蛆蛞蝓ちゃんが借用したい理由ってあれでしょう?お姉様達が迷宮で倒したランクAのモンスター・・・テンペスターとシュナイザーが素材になっているからでしょう」

「その通りです!! お父様の配下のランクAモンスターのテスタメント様。今は亡きギルドの最終兵器だったランクAモンスターのドッペルゲンガー。この二人については、既に解析を終えております。ですが・・・私の研究にはそれだけでは足りないのです」

「えっ!? レイア様配下のランクAモンスター? ランクAに該当するモンスターって迷宮最下層にしか」

駄目猫タルトさん。世の中知って良い情報といけない情報があります。本職の蟲程得意でありませんが、駄目猫タルトさんの記憶をまた操作する事になりますよ」

「・・・・・・ちょ、ちょーーとまった!! 蛆蛞蝓ちゃん、今私の記憶を過去にも弄った事あるような事いいましたよね?」

 そりゃ、神器テミスをお父様が譲り受けた件とかね。まぁ、今ではジュラルド様に死ぬまで貸し出しておりますが。

「ありますが、何か?」

「もしかして、私・・・レイア様にあーーんなことやこーんなことを」

「腐っているのは、頭の中だけにしてくださいね駄目猫タルトさん。いい加減、怒りますよ」

「あ、ハイ・・・大人しく座っています」

 よろしい。後で、鰹節を買ってあげます。

「そっか、蛆蛞蝓ちゃんでも詰まるような研究をしているんだ。よーーし、大事な物だけど、貸しちゃう!! だから、代わりに一つお願いが」

「・・・は!! そうか、なるほど、それは良いアイディア!! 流石、ミルア」

「この蛆蛞蝓。あの杖が借用できるなら何でも・・・本当に何でもやっちゃう」




 蛆蛞蝓ちゃんが家を出て早四日・・・風の噂で面白い情報が耳に入ってきた。なんでも
『ウルオール』で駄目猫タルトが更に有名になったそうじゃ無いか。白昼堂々、絶世のアルビノの美女を相手に色恋沙汰を置かし、『両刀遣いのタルト』とか『酒池肉林のタルト』など様々な二つ名が爆発的に増えたらしい。

 この私の全盛期を遙かに超える知名度である事は言うまでも無い。おまけに、王宮で義弟達が毒牙に掛かりそうになったとか。それを、アルビノの美少女が文字通り体をなげうって止めたとまで流布されている。

「一体、何処を目指しているんだ駄目猫タルトは」

「あの駄目猫タルトめ!! 私達の可愛い弟達に手を出そうなど・・・」

「『筋肉教団』の副教祖か何か知りませんが、少しお灸を据えてやらねばいけませんね。ゴリヴィエには、最悪死体を届ける事になりそうです」

 ガチャリ

 ゴリフターズがドッペルゲンガー戦と同じく、マジの完全武装をしている。こらこら、二人が離れたら誰が子供にお乳をあげるんだよ。

 バタン

ギギ『心配はないわ!! こんなこともあろうかと粉ミルクの開発に成功しているわ』

「純粋にすごいよ。きっと、私の時の経験を活かして、こんな事も有ろうかと研究していたんだよね?」

ギィィ『当然よ。この瀬理奈・・・レイアちゃんの時は、出来なかったけど、初孫は諦めません』

 懐かしいね。確かに、あの時は、驚いたわ。まさかの無計画だったもんね。開始5分で私が見つかった事もあるらしいけど、準備はしておいて欲しかったわ。

「お義母さま。ラージャとゴリフィーナを頼みます」

「私達は、子供も当然大事ですが・・・弟達も大切な家族なんです」

ギギ『子供達の事は任せて行ってらっしゃい。二人の事は、この瀬理奈が完璧にお世話をしてあげるわ。こう見えても、インターンで保育園で働いていたこともあるのよ!!』

 相変わらず、謎の経歴を持つ瀬里奈さんだわ。

「ゴリフリーナ、ゴリフリーテ・・・殺してもいいけど、脳みそは傷つけないように。最悪、クローンを作って記憶転写するから」

「分かりました!! 」

「では、行って参ります!!」

 ゴリフターズが、地下通路直行のダクトから飛び込んでいった。

 蟲車で急いでも二日はかかるだろうね。
 
 「さて、駄目猫タルト君。もし、君が今回生き残れたのなら、良いサンプルになりそうだ」

 死の運命から逃れ続けている駄目猫タルト君。実に興味深い。

 瀬理奈さんは、武器を用いて最強へと至ろうとしている。

 蛆蛞蝓ちゃんは、己を進化させる事で最強へと至ろうとしている。

 最強へ至る道は人それぞれだが・・・私は、別方面の研究に力を入れている。その内容は、運命とか因果律とかそういう類いの物だ。

 なぜか、私の周りの女性は、死ぬ事が多い。そんな中で、タルト君は数少ない生き残りなのだよ。それも、ゴリフターズの血縁者とかそういう、特異な経歴が全くなく!! これは、ハッキリ言って異常だ。

 だから、今回もゴリフターズの襲撃から生き残れたなら、徹底的にバラバラにして研究したい。もし、死の運命から逃れる因子などを持っているとするならば、是非採取させて頂きたい。

 当然、対価は払おう。必ず肉体を元通りにするだけでなく、物理不老も無料で何度でも行おう。駄目猫タルト君のクローンを製造し、常に若くて鮮度のある体にいつでも換装させてあげよう。悪い取引じゃあるまい。

 それとも、駄目猫タルトが望む願いを何でも一つだけ叶えてあげるのもありだな。

 さぁ、頑張って生き残れよ。
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人生においてジャンケンで負けたことが無い人、何をやっても上手くいく人などなどそういった人材は、少なからず居ると思うんです。そういう人を研究し、己に取り込む事で強くなろうとするのがレイアの研究><※マーガレット嬢も研究対象ですぜ。
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