38 / 70
第五章
第三十三話 エルフからの手紙
しおりを挟む
「はぁ…」
雲一つない青い空の下で、ウォルフは盛大に溜息を吐いた。ガープから帰って以降、彼はずっとこの調子である。
こうなったのは、帰り際に発覚したアズミの正体と、最後の台詞によるものだ。
ウォルフはアズミを男性だと完全に思い込んでいた為に、何ら気後れもせず、自然体で接することが出来た。それ自体はとても良い事だと言えるのだが、冷静になって考えてみると、異性に対して言うべき事ではなかった言葉や態度があった。
しかも、あの最後の台詞…正直に言って、女性に言われて嬉しくない男はいないだろうが、ウォルフにとっては嬉しさよりも怖さが勝ってしまうのが現状だ。
あれは好意を持たれていると思っていいのだろうか?そう思う反面、自意識過剰なのではという気もするし、その前にミリアンから告げられた女性騎士達の思いも、はっきり言って今は恐ろしいとしか思えない。
ただ、もし本当に好意を持たれているのなら真摯に考えるべきなのではないかという、女性経験の無さと生来の真面目さが、ウォルフの心を複雑に縛っているようだった。
どうも女性から好意を持たれているという経験がない(正確には気付いていなかっただけだが)ウォルフにとって、これが現状ではかなり深刻な悩みである。
「アヤシイ…」
そんなウォルフを、エルエはジト目で睨んでいた。最も、様子のおかしいウォルフを気にしているのはエルエだけでなく、セヴィやアイテールも同じだ。ただ、エルエのように解りやすく態度に示していないだけで、三人は皆ウォルフに何かがあったのだと気を揉んでいるのだった。
ちなみに、ダンテもダンテで、ガープから帰ってからというもの、何かに悩んでいるように考え込む時間が増えている。ダンテについては、特に誰も心配をしていないのが、父親役の少し悲しい所ではあるが。
そんなモヤモヤとした空気に包まれた彼らの元に、一通の手紙が届いたのは、ウォルフが追放されてから数えてちょうど一月が経ったある日の事だ。
それは奇妙な手紙だった。
真っ白な封筒に丁寧に入れられたそれは、差出人の名前も住所もなく、それでいてきっちりと、この屋敷の住所とウォルフの名が明記されている。肝心の中身はと言えば
―近日中に、そちらへ伺います。―
という一文だけ。どう考えても悪戯だろうが、それにしてはどうやってウォルフの事を知ったのかが解らない。少し前に、王家の密偵がうろついていたが、それは全てダンテが秘密裏に処理している。
仮に王家に関連する者達であったなら、真っ先にカサンドラが動くだろう。そうでなく手紙のみというのは不自然に過ぎる。
「さて、これはどうしたらいいと思う?」
ウォルフが手紙を前に呟いた。今はちょうど昼食後で全員集まっていて、お茶の時間だ。皆一様に思う所はあっても、団欒は忘れない。単なる悪戯と一笑に付すのは簡単だが、どうもこの所の騒動に出会う確率の高さを考えると、相談しておいた方がいいような気がした。
「失礼。…この手紙、ずいぶん上等な紙を使っていますな」
「…王家で扱う紙類でも、ここまでの品質のものはそうありません。悪戯にしては手が込み過ぎでは?」
テーブルに置かれた手紙を観察して、ダンテとセヴィがそれぞれ意見を口にする。二人の言うように、この手紙はかなり優秀な製紙技術を使って作られたものに見える。現在、この国で流通している紙類は、海向こうの大陸から齎された技術で作られているものがほとんどだ。一定の品質が保たれており、それでいて安価かつ大量に作れるとあって、上から下まで、ほとんどの民がそれを常用している。
王家だけは、対外的にその中でも1ランク上の上質紙と言う物を使う事が多いのだが、この手紙に使われている紙は明らかにそれと同等…いや、それ以上の物に思えた。
そんな中、エルエだけは、神妙な面持ちでその手紙を見ていた。何か思い当たるものがあるのだろうか?そんな様子に気付いたウォルフが、エルエに声をかける。
「エルエ、どうした?何か気づいたことでもあるのか?」
「アー、ウン。アタシ、たぶんコレと同じの見た事あるよ。昔、まだパパとママが生きてた頃だから、ちょいうろ覚えダケド…」
エルエはそう言って手紙を手に取ると、しげしげとそれを見つめ、匂いを嗅いだりし始めた。やがて、目を瞑って何かを考え込んだ後、パっと目を開いて、手紙を戻した。
「ヤッパそうだ…コレ、エルフの手紙だよー。文字も、紙も、匂いも覚えてる…」
「エルフ?」
エルエがエルフの話をするというのは、なんだかややこしい話だ。エルエ達獣人族は、エルフと長い間戦争状態にあったはずだが、手紙のやり取りがあったのだろうか?
エルエは昔を思い出すように、手紙を撫でてゆっくりと話し始めた。
「アタシのパパは、獣人族の国ライカで、王様の近衛隊長だったのは話したことあるよね?アタシそれでよく、お城に遊びに行かせて貰ってたんだ。アタシたちの王様は子どもには凄く優しかったから、色んなモノをみせてくれて。その中にこうゆう手紙があったのを覚えてる。中身は難しくてチンプンカンプンだったケドー…」
「なるほどな…」
確かに、戦争状態であっても、完全に外交を打ち切る事はしないだろう。むしろ、戦争中だからこそ話し合いをする必要はある。さすがに外交文書の全てを見せていたわけではないだろうが、見せても構わない部分をエルエは見せて貰ったのだろう。
しかし、そうなると新たな疑問が浮かんでくる。何故、エルフからウォルフ宛に手紙が届くのだろう?ウォルフにはエルフと個人的な繋がりは全くない。そもそもエルフは自分達の領地から出てこないし、他人が入っていくのも嫌う人種だ。
ウッツがエルフの王を征し、無闇に人間や獣人を攻撃したり差別したりするのを止めさせたものの、それならばと彼らは余計に自分達の国であった領地へ引き籠ってしまった。それまでは、まるで自分達が上位者であるとでも言うように、国外を出歩くエルフ達もいたらしいが、今ではそんな者達はほとんどいないはずだ。
リヴィエラ同様、エルフの王族は辺境伯として統治を続けているので、年に数回、王家に連絡が来ていたと記憶はしているが、ウォルフはそれに携わったことは無い。
仮にエルフの王族であれば、ウォルフの事を知っていても不思議ではない。彼らが成人の儀のパーティに出席していた記憶はないが、招待状くらいは送っているはずだ、そこでウォルフの事を知ったのだろう。
「とりあえず、来るというのなら待っておればよいのではないか?よもや喧嘩を売りに来るわけではあるまい。まぁ、そうだとしたら、ちょうどよい暇潰しの相手になりそうだが」
ふふんと鼻をならして、アイテールは笑っている。ミニドラゴンの姿をしていても、好戦的な所は変わらないようだ。ウォルフは困ったように頭を掻いて、アイテールを嗜めた。
「おいおい、物騒だな…勘弁してくれ。エルフと喧嘩なんて何をされるか解ったもんじゃないぞ」
あくまで記録上の話でしか知らないが、ウォルフが読んだエルフの容赦ない戦い方は恐ろしいものであった。高度な幻覚魔法を駆使した罠満載の森の迷宮化を始め、獣人に強く作用する邪香の制作、既存の生物が持つ神経毒を、魔法で強化発展させた毒ガスなど、悪辣としか言えないものを造りだしている。正直、戦いなど考えたくもない相手だった。
そんな時、ヴァレイが何かに気付いたようで、ウォルフの隣、誰もいない方向を指差して言った。
「マスター、視覚情報では感知できませんが、そこに何者かがいます。すぐ、私の後ろに退避を」
「!?」
全員が息を呑んで立ち上がり、ヴァレイの指差す方を見る。目には見えないが、本当に何かいるのだろうか。すると、高らかに笑いながら、何者かの声が響いた。
「ハッハッハ!素晴らしい、よく解ったね。私の存在を看破するなど大したものだ。実に興味深いねぇ…!」
雲一つない青い空の下で、ウォルフは盛大に溜息を吐いた。ガープから帰って以降、彼はずっとこの調子である。
こうなったのは、帰り際に発覚したアズミの正体と、最後の台詞によるものだ。
ウォルフはアズミを男性だと完全に思い込んでいた為に、何ら気後れもせず、自然体で接することが出来た。それ自体はとても良い事だと言えるのだが、冷静になって考えてみると、異性に対して言うべき事ではなかった言葉や態度があった。
しかも、あの最後の台詞…正直に言って、女性に言われて嬉しくない男はいないだろうが、ウォルフにとっては嬉しさよりも怖さが勝ってしまうのが現状だ。
あれは好意を持たれていると思っていいのだろうか?そう思う反面、自意識過剰なのではという気もするし、その前にミリアンから告げられた女性騎士達の思いも、はっきり言って今は恐ろしいとしか思えない。
ただ、もし本当に好意を持たれているのなら真摯に考えるべきなのではないかという、女性経験の無さと生来の真面目さが、ウォルフの心を複雑に縛っているようだった。
どうも女性から好意を持たれているという経験がない(正確には気付いていなかっただけだが)ウォルフにとって、これが現状ではかなり深刻な悩みである。
「アヤシイ…」
そんなウォルフを、エルエはジト目で睨んでいた。最も、様子のおかしいウォルフを気にしているのはエルエだけでなく、セヴィやアイテールも同じだ。ただ、エルエのように解りやすく態度に示していないだけで、三人は皆ウォルフに何かがあったのだと気を揉んでいるのだった。
ちなみに、ダンテもダンテで、ガープから帰ってからというもの、何かに悩んでいるように考え込む時間が増えている。ダンテについては、特に誰も心配をしていないのが、父親役の少し悲しい所ではあるが。
そんなモヤモヤとした空気に包まれた彼らの元に、一通の手紙が届いたのは、ウォルフが追放されてから数えてちょうど一月が経ったある日の事だ。
それは奇妙な手紙だった。
真っ白な封筒に丁寧に入れられたそれは、差出人の名前も住所もなく、それでいてきっちりと、この屋敷の住所とウォルフの名が明記されている。肝心の中身はと言えば
―近日中に、そちらへ伺います。―
という一文だけ。どう考えても悪戯だろうが、それにしてはどうやってウォルフの事を知ったのかが解らない。少し前に、王家の密偵がうろついていたが、それは全てダンテが秘密裏に処理している。
仮に王家に関連する者達であったなら、真っ先にカサンドラが動くだろう。そうでなく手紙のみというのは不自然に過ぎる。
「さて、これはどうしたらいいと思う?」
ウォルフが手紙を前に呟いた。今はちょうど昼食後で全員集まっていて、お茶の時間だ。皆一様に思う所はあっても、団欒は忘れない。単なる悪戯と一笑に付すのは簡単だが、どうもこの所の騒動に出会う確率の高さを考えると、相談しておいた方がいいような気がした。
「失礼。…この手紙、ずいぶん上等な紙を使っていますな」
「…王家で扱う紙類でも、ここまでの品質のものはそうありません。悪戯にしては手が込み過ぎでは?」
テーブルに置かれた手紙を観察して、ダンテとセヴィがそれぞれ意見を口にする。二人の言うように、この手紙はかなり優秀な製紙技術を使って作られたものに見える。現在、この国で流通している紙類は、海向こうの大陸から齎された技術で作られているものがほとんどだ。一定の品質が保たれており、それでいて安価かつ大量に作れるとあって、上から下まで、ほとんどの民がそれを常用している。
王家だけは、対外的にその中でも1ランク上の上質紙と言う物を使う事が多いのだが、この手紙に使われている紙は明らかにそれと同等…いや、それ以上の物に思えた。
そんな中、エルエだけは、神妙な面持ちでその手紙を見ていた。何か思い当たるものがあるのだろうか?そんな様子に気付いたウォルフが、エルエに声をかける。
「エルエ、どうした?何か気づいたことでもあるのか?」
「アー、ウン。アタシ、たぶんコレと同じの見た事あるよ。昔、まだパパとママが生きてた頃だから、ちょいうろ覚えダケド…」
エルエはそう言って手紙を手に取ると、しげしげとそれを見つめ、匂いを嗅いだりし始めた。やがて、目を瞑って何かを考え込んだ後、パっと目を開いて、手紙を戻した。
「ヤッパそうだ…コレ、エルフの手紙だよー。文字も、紙も、匂いも覚えてる…」
「エルフ?」
エルエがエルフの話をするというのは、なんだかややこしい話だ。エルエ達獣人族は、エルフと長い間戦争状態にあったはずだが、手紙のやり取りがあったのだろうか?
エルエは昔を思い出すように、手紙を撫でてゆっくりと話し始めた。
「アタシのパパは、獣人族の国ライカで、王様の近衛隊長だったのは話したことあるよね?アタシそれでよく、お城に遊びに行かせて貰ってたんだ。アタシたちの王様は子どもには凄く優しかったから、色んなモノをみせてくれて。その中にこうゆう手紙があったのを覚えてる。中身は難しくてチンプンカンプンだったケドー…」
「なるほどな…」
確かに、戦争状態であっても、完全に外交を打ち切る事はしないだろう。むしろ、戦争中だからこそ話し合いをする必要はある。さすがに外交文書の全てを見せていたわけではないだろうが、見せても構わない部分をエルエは見せて貰ったのだろう。
しかし、そうなると新たな疑問が浮かんでくる。何故、エルフからウォルフ宛に手紙が届くのだろう?ウォルフにはエルフと個人的な繋がりは全くない。そもそもエルフは自分達の領地から出てこないし、他人が入っていくのも嫌う人種だ。
ウッツがエルフの王を征し、無闇に人間や獣人を攻撃したり差別したりするのを止めさせたものの、それならばと彼らは余計に自分達の国であった領地へ引き籠ってしまった。それまでは、まるで自分達が上位者であるとでも言うように、国外を出歩くエルフ達もいたらしいが、今ではそんな者達はほとんどいないはずだ。
リヴィエラ同様、エルフの王族は辺境伯として統治を続けているので、年に数回、王家に連絡が来ていたと記憶はしているが、ウォルフはそれに携わったことは無い。
仮にエルフの王族であれば、ウォルフの事を知っていても不思議ではない。彼らが成人の儀のパーティに出席していた記憶はないが、招待状くらいは送っているはずだ、そこでウォルフの事を知ったのだろう。
「とりあえず、来るというのなら待っておればよいのではないか?よもや喧嘩を売りに来るわけではあるまい。まぁ、そうだとしたら、ちょうどよい暇潰しの相手になりそうだが」
ふふんと鼻をならして、アイテールは笑っている。ミニドラゴンの姿をしていても、好戦的な所は変わらないようだ。ウォルフは困ったように頭を掻いて、アイテールを嗜めた。
「おいおい、物騒だな…勘弁してくれ。エルフと喧嘩なんて何をされるか解ったもんじゃないぞ」
あくまで記録上の話でしか知らないが、ウォルフが読んだエルフの容赦ない戦い方は恐ろしいものであった。高度な幻覚魔法を駆使した罠満載の森の迷宮化を始め、獣人に強く作用する邪香の制作、既存の生物が持つ神経毒を、魔法で強化発展させた毒ガスなど、悪辣としか言えないものを造りだしている。正直、戦いなど考えたくもない相手だった。
そんな時、ヴァレイが何かに気付いたようで、ウォルフの隣、誰もいない方向を指差して言った。
「マスター、視覚情報では感知できませんが、そこに何者かがいます。すぐ、私の後ろに退避を」
「!?」
全員が息を呑んで立ち上がり、ヴァレイの指差す方を見る。目には見えないが、本当に何かいるのだろうか。すると、高らかに笑いながら、何者かの声が響いた。
「ハッハッハ!素晴らしい、よく解ったね。私の存在を看破するなど大したものだ。実に興味深いねぇ…!」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる