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第六章
第五十三話 忠誠の在処
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ロードリックの鋭い気迫が、その場を支配した。
誰もが緊張し、その場を動けない。
ただ一人、ウォルフを除いては。
「そう言うと思ったよ、それでこそロードリックだ。だが、俺もここで引くわけにはいかない。母上もボルド様も、そして民達も見捨てるような真似はしない、絶対に」
ウォルフは背にかけていた大剣を外し、静かに構える。
しかし、真っ先に動いたのはミリアンだった。
「だ、団長!?何やってんだよ!そんな事やってる暇はねーだろ!?」
「黙っていろ、ミリアン。…すぐ終わる。俺達は王国騎士団だ、王に仕える者として、誰に着いて行くかは決めなければならない」
その言葉に、ミリアンは何も言えず押し黙った。ロードリックは試そうとしている。
ウォルフの実力をではなく、ウォルフとウッツ、どちらが王に相応しいのか?どちらが着いて行くべき王なのか?を。
それが解ったからこその沈黙だった。
彼らとて、内心ではウッツが正しいとは思っていないのだろう。
元々ウォルフを慕う者達が多い騎士団だが、それを除いても、最近のウッツの言動はあまりにもおかしかった。
今のウッツが、本当に忠誠を誓うべき王なのか迷っている。それが正直な所だろう。
そしてこの決闘が、苦心の上での折衷案であると、ウォルフには痛い程よく解っている。
ロードリックという男の性格から言って、本来であれば、この場でウォルフを問答無用に斬り殺していてもおかしくはない。
忠誠か己の死かと問われれば、迷わず死を選ぶ、それがロードリックだ。
だからこそ、彼の目論見に乗るつもりは毛頭なかった。
「ロードリック。俺は、王家に忠誠を誓ってくれるお前のその心には、本当に感謝しているんだ。だからこそ、お前を死なせるつもりはない」
「戯言だな…既に王家から追放されたお前に感謝などされる覚えはない。…そもそも、ならば何故舞い戻ってきた?お前の存在は王家を揺るがす元凶でしかない。そんなものを、俺が許すと思ったか?」
「まさか。さっきも言ったが、お前ならそうすると思っていたさ。その上で俺はここにいるんだ」
「舐められたものだ…!」
歯を食いしばり、ロードリックは怒りの形相をみせた。
それでも決して冷静さを失わず、力を溜めて、ただひたすらにボルテージを上げていく。
いつもなら飄々としているアイテールでさえも、ロードリックのプレッシャーに圧されているようだ。
「もう一度だけ聞く…引く気はないのだな?」
「ああ、俺は逃げない。お前からも、父の存在からもな…!」
それが合図となって、二人は剣を振るった。
上段から一気に振り下ろされたロードリックの剣を、ウォルフは自らの剣で受けるでも弾くでもなく、その威力と速度を上回る力で切断し、そのまま彼の首筋を捉えた。
ピタリと首筋で止まったウォルフの剣に、ロードリックの血がわずかに垂れる。
まさに一瞬の出来事であった。
ロードリック程の達人が放つ一撃を超えて、その剣だけを斬るというのは並の芸当ではない。
通常であれば、打ち合って鍔迫り合いになるか、弾き合って二の太刀へと続くだろう。
だが、ウォルフはそれすらもさせなかった。この場の誰もがに圧倒的な実力差を見せつけた形だ。
「ふ、わずか二カ月の間に、ずいぶんと腕を上げたものだ。宣言通り、俺を殺さずに勝つとはな。…行け、もう邪魔をするつもりはない、ヴェロニカ様もボルド様も、まだ処刑されてはいないはずだ」
「ロードリック…ありがとう。市民を頼む!」
「ああ…待て、忠告しておく。王城の警備には騎士団の半数があたっているが、カサンドラに気をつけろ。アイツはもう以前のアイツじゃない。お前を見たら何をしでかすか解らん、危険な状態だ。他の連中は、お前の言う事なら聞くだろうが…くれぐれも注意しろ」
神妙な面持ちで、ロードリックは言った。その声にはわずかに躊躇いがあるようだった、ロードリックをしてそこまで言わせるとは、カサンドラはどういう状態に陥っているのか、ウォルフは肝を冷やしながらロードリックに頭を下げた。
「よし…皆、行こう!」
駆け出すウォルフ達の背中に、ミリアンが大声で叫ぶ。
「こっちが終わったらアタシらも行く!気をつけろよー!」
ウォルフは少し驚きながら、ぎこちなく手を振って、その場を後にするのだった。
ロードリック達と別れてしばらくして、ウォルフ達は王宮へ向かう跳ね橋の袂に到着した。
本来であれば、暴動が起こっている以上、この橋も下げられているはずだが、跳ね橋は降りたままだ。
ミリアンに聞いた情報では、既に一部の諸侯達の兵が、王宮や王城に入り込んでいるらしい。
急いで王城へ向かおうとした時、跳ね橋を渡った所に、倒れている人間がいる。
「セドリック?!どうしてここに…大丈夫か?リヒャルトはどうした?」
近寄ってみれば、それは前騎士団長で、ロードリックの父セドリックであった。
彼はリヒャルトの護衛騎士のはずだが、何故こんな場所で独り倒れているのだろう。
かなりの大怪我を負っていて、息はあるが意識はない。
すぐさまセヴィが回復魔法で治療をしていると、王城の方から、何人かの人影が近づいてくるのが見えた。
「あれは、イーリスの生体兵器…ということは」
「!皆、伏せろ!」
アイテールの声にわずかに遅れて、魔導連弩の槍が飛来した。
ウォルフが動けないセヴィを庇おうとした時、ヴァレイが二人の前に立って、その槍を受け止めた。
「ヴァレイ!」
「問題ありません、障壁の展開が間に合いました。それよりも、敵が来ます。警戒を、マスター」
ヴァレイが見据える先には、黒ずくめの生体兵器たちが群れを成して近づいてくる。
以前、ウォルフ達を襲った時とは比べ物にならない数だ。
ざっと見ただけでも、その数100体はくだらないだろう。
驚くべき数の生体兵器を前に、ウォルフ達は息を呑む。
そしてウォルフ達を取り囲む彼らを割って現れたのは、さらに驚くべき相手であった。
「フフ、ようやくきたわね、君達。久しぶりね、ウォルフ。元気そうでなによりだわ」
「シャルロッテ王妃…」
第一王妃、シャルロッテ。
全身に眩いばかりの黄金のドレスを身に纏い、またそれに負けない程に輝く金髪と美貌の持ち主は、まさにウッツの愛した王妃その人であった。
シャルロッテはにこやかに笑いながら、右手を振り上げ、従えた生体兵器達を傅かせてみせた。
「貴方がいなくなって、カサンドラはずいぶん変わってしまったわ。まったく仕方のない子ね」
美しい笑顔とは裏腹に、ゾッとするほど冷たい声でシャルロッテは嗤う。
一方で、ウォルフ達を見つめる瞳にはありありと殺意が宿っているのが感じ取れた。
「マスター、彼女は…」
言いかけたヴァレイを制止し、ウォルフは静かに口を開く。
「シャルロッテ様、何故ここに?この者達は?」
「ああ、彼らはウッツ様から貸し与えられた兵士達よ。とても素晴らしい実力の持ち主たちなの。安心なさい、ヴェロニカ解放を謳って侵入してきた賊は、全て彼らが撃退したわ。役に立たない騎士団なんかよりよっぽど使えるわね」
それを聞き、ウォルフは苦笑しながら彼女の言葉を否定した。
もはや彼女の言葉は、聞くに堪えない妄言だ。
「白々しい…それがお前の目的だったか、イーリス。いい加減、お前の茶番には飽き飽きだ。お前は、諸侯らの兵をこいつらに食わせる為に、反乱を手引きしたんだな」
「アッハハハハ!さすがだね、ウォルフ!気付いていたか。いや、そこのゴーレムが教えたのかい?そうさ、反乱を手引きしたのはこの私だ。アンジェロとかいう小僧を利用してね。ククク…」
シャルロッテの美しい笑顔は、狂気に醜く歪み、やがてモザイクのようにあちこちが入れ替わった。
それが治まった時に現れたのは、やはり、あのダークエルフイーリスであった。
誰もが緊張し、その場を動けない。
ただ一人、ウォルフを除いては。
「そう言うと思ったよ、それでこそロードリックだ。だが、俺もここで引くわけにはいかない。母上もボルド様も、そして民達も見捨てるような真似はしない、絶対に」
ウォルフは背にかけていた大剣を外し、静かに構える。
しかし、真っ先に動いたのはミリアンだった。
「だ、団長!?何やってんだよ!そんな事やってる暇はねーだろ!?」
「黙っていろ、ミリアン。…すぐ終わる。俺達は王国騎士団だ、王に仕える者として、誰に着いて行くかは決めなければならない」
その言葉に、ミリアンは何も言えず押し黙った。ロードリックは試そうとしている。
ウォルフの実力をではなく、ウォルフとウッツ、どちらが王に相応しいのか?どちらが着いて行くべき王なのか?を。
それが解ったからこその沈黙だった。
彼らとて、内心ではウッツが正しいとは思っていないのだろう。
元々ウォルフを慕う者達が多い騎士団だが、それを除いても、最近のウッツの言動はあまりにもおかしかった。
今のウッツが、本当に忠誠を誓うべき王なのか迷っている。それが正直な所だろう。
そしてこの決闘が、苦心の上での折衷案であると、ウォルフには痛い程よく解っている。
ロードリックという男の性格から言って、本来であれば、この場でウォルフを問答無用に斬り殺していてもおかしくはない。
忠誠か己の死かと問われれば、迷わず死を選ぶ、それがロードリックだ。
だからこそ、彼の目論見に乗るつもりは毛頭なかった。
「ロードリック。俺は、王家に忠誠を誓ってくれるお前のその心には、本当に感謝しているんだ。だからこそ、お前を死なせるつもりはない」
「戯言だな…既に王家から追放されたお前に感謝などされる覚えはない。…そもそも、ならば何故舞い戻ってきた?お前の存在は王家を揺るがす元凶でしかない。そんなものを、俺が許すと思ったか?」
「まさか。さっきも言ったが、お前ならそうすると思っていたさ。その上で俺はここにいるんだ」
「舐められたものだ…!」
歯を食いしばり、ロードリックは怒りの形相をみせた。
それでも決して冷静さを失わず、力を溜めて、ただひたすらにボルテージを上げていく。
いつもなら飄々としているアイテールでさえも、ロードリックのプレッシャーに圧されているようだ。
「もう一度だけ聞く…引く気はないのだな?」
「ああ、俺は逃げない。お前からも、父の存在からもな…!」
それが合図となって、二人は剣を振るった。
上段から一気に振り下ろされたロードリックの剣を、ウォルフは自らの剣で受けるでも弾くでもなく、その威力と速度を上回る力で切断し、そのまま彼の首筋を捉えた。
ピタリと首筋で止まったウォルフの剣に、ロードリックの血がわずかに垂れる。
まさに一瞬の出来事であった。
ロードリック程の達人が放つ一撃を超えて、その剣だけを斬るというのは並の芸当ではない。
通常であれば、打ち合って鍔迫り合いになるか、弾き合って二の太刀へと続くだろう。
だが、ウォルフはそれすらもさせなかった。この場の誰もがに圧倒的な実力差を見せつけた形だ。
「ふ、わずか二カ月の間に、ずいぶんと腕を上げたものだ。宣言通り、俺を殺さずに勝つとはな。…行け、もう邪魔をするつもりはない、ヴェロニカ様もボルド様も、まだ処刑されてはいないはずだ」
「ロードリック…ありがとう。市民を頼む!」
「ああ…待て、忠告しておく。王城の警備には騎士団の半数があたっているが、カサンドラに気をつけろ。アイツはもう以前のアイツじゃない。お前を見たら何をしでかすか解らん、危険な状態だ。他の連中は、お前の言う事なら聞くだろうが…くれぐれも注意しろ」
神妙な面持ちで、ロードリックは言った。その声にはわずかに躊躇いがあるようだった、ロードリックをしてそこまで言わせるとは、カサンドラはどういう状態に陥っているのか、ウォルフは肝を冷やしながらロードリックに頭を下げた。
「よし…皆、行こう!」
駆け出すウォルフ達の背中に、ミリアンが大声で叫ぶ。
「こっちが終わったらアタシらも行く!気をつけろよー!」
ウォルフは少し驚きながら、ぎこちなく手を振って、その場を後にするのだった。
ロードリック達と別れてしばらくして、ウォルフ達は王宮へ向かう跳ね橋の袂に到着した。
本来であれば、暴動が起こっている以上、この橋も下げられているはずだが、跳ね橋は降りたままだ。
ミリアンに聞いた情報では、既に一部の諸侯達の兵が、王宮や王城に入り込んでいるらしい。
急いで王城へ向かおうとした時、跳ね橋を渡った所に、倒れている人間がいる。
「セドリック?!どうしてここに…大丈夫か?リヒャルトはどうした?」
近寄ってみれば、それは前騎士団長で、ロードリックの父セドリックであった。
彼はリヒャルトの護衛騎士のはずだが、何故こんな場所で独り倒れているのだろう。
かなりの大怪我を負っていて、息はあるが意識はない。
すぐさまセヴィが回復魔法で治療をしていると、王城の方から、何人かの人影が近づいてくるのが見えた。
「あれは、イーリスの生体兵器…ということは」
「!皆、伏せろ!」
アイテールの声にわずかに遅れて、魔導連弩の槍が飛来した。
ウォルフが動けないセヴィを庇おうとした時、ヴァレイが二人の前に立って、その槍を受け止めた。
「ヴァレイ!」
「問題ありません、障壁の展開が間に合いました。それよりも、敵が来ます。警戒を、マスター」
ヴァレイが見据える先には、黒ずくめの生体兵器たちが群れを成して近づいてくる。
以前、ウォルフ達を襲った時とは比べ物にならない数だ。
ざっと見ただけでも、その数100体はくだらないだろう。
驚くべき数の生体兵器を前に、ウォルフ達は息を呑む。
そしてウォルフ達を取り囲む彼らを割って現れたのは、さらに驚くべき相手であった。
「フフ、ようやくきたわね、君達。久しぶりね、ウォルフ。元気そうでなによりだわ」
「シャルロッテ王妃…」
第一王妃、シャルロッテ。
全身に眩いばかりの黄金のドレスを身に纏い、またそれに負けない程に輝く金髪と美貌の持ち主は、まさにウッツの愛した王妃その人であった。
シャルロッテはにこやかに笑いながら、右手を振り上げ、従えた生体兵器達を傅かせてみせた。
「貴方がいなくなって、カサンドラはずいぶん変わってしまったわ。まったく仕方のない子ね」
美しい笑顔とは裏腹に、ゾッとするほど冷たい声でシャルロッテは嗤う。
一方で、ウォルフ達を見つめる瞳にはありありと殺意が宿っているのが感じ取れた。
「マスター、彼女は…」
言いかけたヴァレイを制止し、ウォルフは静かに口を開く。
「シャルロッテ様、何故ここに?この者達は?」
「ああ、彼らはウッツ様から貸し与えられた兵士達よ。とても素晴らしい実力の持ち主たちなの。安心なさい、ヴェロニカ解放を謳って侵入してきた賊は、全て彼らが撃退したわ。役に立たない騎士団なんかよりよっぽど使えるわね」
それを聞き、ウォルフは苦笑しながら彼女の言葉を否定した。
もはや彼女の言葉は、聞くに堪えない妄言だ。
「白々しい…それがお前の目的だったか、イーリス。いい加減、お前の茶番には飽き飽きだ。お前は、諸侯らの兵をこいつらに食わせる為に、反乱を手引きしたんだな」
「アッハハハハ!さすがだね、ウォルフ!気付いていたか。いや、そこのゴーレムが教えたのかい?そうさ、反乱を手引きしたのはこの私だ。アンジェロとかいう小僧を利用してね。ククク…」
シャルロッテの美しい笑顔は、狂気に醜く歪み、やがてモザイクのようにあちこちが入れ替わった。
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