感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ4

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 声が出てしまった。
 毎回、これは無理だと思う。
「それは、本当に無理なんです」
 奥村さんが、顔を離してくれた。
「お前、乳首弱いよな……。心配するな、個人差はあっても、ここは誰でも感じる箇所だ。恥ずかしがることじゃない」
 なんの慰めにもならない。
 抵抗しようにも、また、口に含まれると、すぐに体に力が入らなくなった。 
 触れられているところだけでなく、おかしい気がした。
 いつまで……。
 いつもなら、そろそろ終わるはず……。
 呼吸をしたいだけなのに、声が漏れる。
 両手でもまれながら、交互に舌で刺激される。
「奥村さん、本当に、もう……」
 限界だと思った。
「ちょうど、そろそろだと思う」
 奥村さんが、やめてくれた。
 私は大きく息を吐き出した。三度ほど深呼吸をしたら少し落ち着いた。
「断っておくが……これまでもこれからも、あくまで教授のやり方だ」
 奥村さんがわざわざそう言った。
 また、何かをされる。
 私は不安になった。
 奥村さんが私の太ももに触れた。手が熱い。
 徐々に内側にずれて、私の閉じた足の間に差し込まれた。
 指先が、ひた隠しにしている場所に触れた。
 私はつい、奥村さんの腕に手を伸ばして掴んだ。
「今は、少し触るだけだ」
 教えてもらったからといって、平気になるわけはない。
「この次は、もう少し先に進めるが……」
 数日後には、どうせ本当の……。
 いれることが本当なら、触るだけなのは本当でないのか……。
 頭が混乱している。
 奥村さんは、あいている方の手で、私の手をどけた。
 奥村さんが、指を動かす。
 胸を触られた時の比ではなかった。
 意識を他に移したくて、数字を思い浮かべる。
 すぐに、かき消されてしまう。
 どんなに押さえようとしても声が出る。
 私は、両手で口を押さえた。
 教授のやり方……
 奥村さんが、言っていた。
 今、私に触れているのが教授ならかまわないのか……
 相手が教授でも恥ずかしいものは恥ずかしい。
 それよりも、触られているところが、熱くて、どうにかなりそうだった。
 奥村さんが、動きをとめた。
 タイマーもなっていないのに。
「やめてほしくなかっただろ?」
 奥村さんに訊かれた。
 言葉には、できないけれど、確かにそう思ってしまった。
「それが普通だ。安心しろ」
 奥村さんは、スマホを取って時間を確認している。
「この日は、タイマーの設定を失敗して、予定より長くなったと書いてあった。タイマーだけに頼るとこういう事態を招く。他の対策も考慮する必要あり」
 奥村さんは大きなため息をついた。
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