感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ5

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「流石に、4回も出す気はない。途中まででいい」
 だけど、触ることには変わりない。
「そういや、髪を洗うんだったな」
「次でも、いいですけど」 
 奥村さんは少し考えて「次は無理だ」と言った。
「俺は邪魔だな……また、つかっておけばいいか」
 奥村さんはバスタブに戻った。
「のぼせるから、早く洗ってくれ」
 こちら側の縁に、片肘をついてこちらをみている。
「あの、みないでもらえますか?」
「気にするな」
 私はすぐに諦めた。髪を洗い始める。
 とにかく洗って……
 洗っても終わりではなかった。
 手でさせられて、上がった後にも十五分、何かをさせられる。
 さっき見てしまった、奥村さんのものを思い出して、頭を思い切り振った。
「馬鹿! 泡がかかる」
 飛ばしてしまったらしい。
「ごめんなさい」
「もう、洗い終わったよな」
 まだだと伝える前に、頭からお湯をかけられた。
「女の体を、泡が流れ落ちて行くのって、なかなかいいもんだな」
 変なことを言うから、恥ずかしさが増してしまう。
「自分で流します」
 奥村さんの方へ手を伸ばす。
「まだ、シャワーでいろいろ試したい」
 いったい、何をされると言うのだ。
「あー、研修中はまずいか……」
 研修期間中だけでなく、その後も、こんな目にあわされるんだろうか。
シャワーヘッドを渡された。
 髪をすすぐ。
「さっさとこなして、上がるか」
 奥村さんが出てきた。右手を掴まれる。
「軽く、しごくだけでいい」
 握らされる。やっぱり、熱い。手首を掴まれて、ゆっくり上下に手を動かされる。
「少しは慣れてきたか?」
 慣れるわけない。
「そのうち、欲しくて欲しくてたまらなくなるかもしれないぞ」
 それは絶対ないと、思った。
 奥村さんが「出すのは、次の次に取っておきたい」と言った。
 何が待っているのか、予想できない。
 上がってすぐに、ソファと、ベッドとどちらが良いか訊かれた。
 ソファの方が簡単に済みそうな気がする。選ぶと「俺がお前の立場なら、絶対ベッドが良い」と意地悪に笑った。
「それならベッドにします」
「変更は不可。俺はソファの方が楽だからな」
 どんなことをさせられるんだろう。
「次のは、俺も結構大変なんだからな。できれば、したくない」
 自分ばかりが我慢していると思いがちだけど、奥村さんにも、嫌なこともあるんだろう。
 ソファに座るように言われた。
 奥村さんは、私の足元に、向かい合って座った。
「教授の記録まんまと、俺のサービスつきと、どっちが良い?」
 見上げられると、落ち着かない。今日は、この後も、ふたコマすると言っていた。あまり負担をかけるのも悪い。
「教授の記録のままでいいです」
「せっかく、羞恥を和らげてやろうと思ったのに」
「そうなんですね。お気遣いいただいて……」
「眼鏡は外してやるから。邪魔になるしな」
「はあ。ありがとうございます……」
 奥村さんが、軽くため息をついて、少しだけ笑った。
「とにかく、診察をした時みたいな格好をしてくれ」
 私の思考は一瞬にして凍りついた。
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