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うつつ6
九
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エレベーターへ向かう和明の後をついていく。また、緊張してきた。ラブホテルの内装は、意外に高級感があった。なんとなくもっと暗い雰囲気をイメージしていた。
和明は部屋の前で立ち止まり。ドアを開けた。
入るとすぐに次の扉があった。手前にスリッパが二つ並べてある。和明が靴を脱いで入っていったので後に続く。
大きなテレビが見えた。
ベッドは、ダブルより大きい気がした。和明は備え付けの棚を開けて、前にしゃがみ込んだ。
「ここで、買えるんだ」と聞こえた。何かはわからない。
二人がけのソファがあったので、ひかりはそこへ座る気で近づいていく。テーブルの上にメニューがあった。一人一品サービスとある。他にもパウチされた物が、数枚あったので手に取った。
「君がそんな物に興味を持つとは思わなかった」
めくると、コスプレ衣装が載っていた。
「興味があるわけでは……」
メイド服も、チャイナ服も、ずいぶん丈が短い。
和明が微笑む。
「お風呂を見に行こう」
ミストサウナもついているはずだ。
ソファの隣のドアを開けると、洗面台があり、その奥にも扉があった。のぞき込むと、扉の方はどうやらトイレらしく、もう一つ磨りガラス製の扉があった。和明が、開ける。大きなお風呂が見えた。浴室用のテレビもある。
「たまるのに時間がかかりそうだ」
「そうですね」と返した。
和明が、ひかりの髪に触れた。
「君は、キレイなんだろうね」
ひかりの容姿に興味がないことは知っていた。
「君を見た人は、必ずそう言って褒めてくれる」
ひかりの髪をひと束手に取って、鼻を近づける。
「君は、清潔で礼儀正しいと……思ってはいたよ」
ひかりは静かに息を吐いて、目を閉じる。瞼が震えてしまう。
「僕なんかより、君の価値を理解できる男は、いくらでもいただろうに」
そうかもしれないが、和明以外の誰かに思われることに、ひかり自身がなんの価値も感じない。
「今まで、本当に寂しい思いをさせたね」
抱きしめられた。和明の胸に顔を埋め和明の香りに包まれる。鼓動と一緒に声が響く。
「どうしてだろう。最近は、不思議なくらい、君が欲しいんだよ」
和明が、そんな言葉を口にするなんて、想像もできなかった。
涙が、溢れた。肩が震えてしまう。
「泣いているのかい?」
和明が体を離した。
ひかりは、手で顔を覆ってうつむいた。和明が困惑しているのが、肩に置かれた手から伝わってくる。
「嬉しくて」
「嬉しくて泣いてしまうほど、僕を愛してくれているんだね」
頷いた。
「それなら、その洗面台に手をついて」
体の向きを変えられた。大きな鏡に自分の顔が映った。目も鼻も赤くなっている。鏡の中の和明がひかりに微笑みかけてきた。
背後から、ベルトを外す音が聞こえてくる。スカートを捲り上げられた。
下着の上から押しつけられる。
「もう、染み出すほど濡れているじゃないか」
こんな場所にくれば、そういう気分にもなる。
和明は、ひかりの下着をさげることなく、脇にずらしただけで、中に入ってきた。
「触ってもいないのに、すんなり入った」
和明は部屋の前で立ち止まり。ドアを開けた。
入るとすぐに次の扉があった。手前にスリッパが二つ並べてある。和明が靴を脱いで入っていったので後に続く。
大きなテレビが見えた。
ベッドは、ダブルより大きい気がした。和明は備え付けの棚を開けて、前にしゃがみ込んだ。
「ここで、買えるんだ」と聞こえた。何かはわからない。
二人がけのソファがあったので、ひかりはそこへ座る気で近づいていく。テーブルの上にメニューがあった。一人一品サービスとある。他にもパウチされた物が、数枚あったので手に取った。
「君がそんな物に興味を持つとは思わなかった」
めくると、コスプレ衣装が載っていた。
「興味があるわけでは……」
メイド服も、チャイナ服も、ずいぶん丈が短い。
和明が微笑む。
「お風呂を見に行こう」
ミストサウナもついているはずだ。
ソファの隣のドアを開けると、洗面台があり、その奥にも扉があった。のぞき込むと、扉の方はどうやらトイレらしく、もう一つ磨りガラス製の扉があった。和明が、開ける。大きなお風呂が見えた。浴室用のテレビもある。
「たまるのに時間がかかりそうだ」
「そうですね」と返した。
和明が、ひかりの髪に触れた。
「君は、キレイなんだろうね」
ひかりの容姿に興味がないことは知っていた。
「君を見た人は、必ずそう言って褒めてくれる」
ひかりの髪をひと束手に取って、鼻を近づける。
「君は、清潔で礼儀正しいと……思ってはいたよ」
ひかりは静かに息を吐いて、目を閉じる。瞼が震えてしまう。
「僕なんかより、君の価値を理解できる男は、いくらでもいただろうに」
そうかもしれないが、和明以外の誰かに思われることに、ひかり自身がなんの価値も感じない。
「今まで、本当に寂しい思いをさせたね」
抱きしめられた。和明の胸に顔を埋め和明の香りに包まれる。鼓動と一緒に声が響く。
「どうしてだろう。最近は、不思議なくらい、君が欲しいんだよ」
和明が、そんな言葉を口にするなんて、想像もできなかった。
涙が、溢れた。肩が震えてしまう。
「泣いているのかい?」
和明が体を離した。
ひかりは、手で顔を覆ってうつむいた。和明が困惑しているのが、肩に置かれた手から伝わってくる。
「嬉しくて」
「嬉しくて泣いてしまうほど、僕を愛してくれているんだね」
頷いた。
「それなら、その洗面台に手をついて」
体の向きを変えられた。大きな鏡に自分の顔が映った。目も鼻も赤くなっている。鏡の中の和明がひかりに微笑みかけてきた。
背後から、ベルトを外す音が聞こえてくる。スカートを捲り上げられた。
下着の上から押しつけられる。
「もう、染み出すほど濡れているじゃないか」
こんな場所にくれば、そういう気分にもなる。
和明は、ひかりの下着をさげることなく、脇にずらしただけで、中に入ってきた。
「触ってもいないのに、すんなり入った」
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