感じさせて……。

紫倉 紫

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ゆめ6

二十三

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 奥村さんが髪の毛を手に取って指で弄んでいるのがわかる。
 それだけで、かすかに力がはいる。
「あがるか」
 バスルームの外で体を拭いていると「お前はそのままでさきに寝室へ行っといてくれ」と言われた。
 バスタオルを巻いて先にいった。
 しばらくすると、奥村さんは服を着て入ってきた。
  私は、濡れたバスタオルをベッドの棚において、掛け布団で胸元まで隠して座っていた。裸でいて欲しいわけではないけれど、不公平に感じる。奥村さんは、ベッド端に腰掛けた。
「これから特別メニューだ」
 特別という響きから、何か恥ずかしいことをさせられるのではないかと身構えてしまう。
「だいたい、俺と教授では体格がかなり違う。教授の奥さんよりお前の方が小柄だしな。なにかと条件がちがいすぎる。少しでも楽になるように、ほぐしといてやる」
 ほぐす……
「濡らしてからだ。安心しろ」
 言葉だけで力が抜けそうになる。
 髪を撫でられながら「お前は、そうやってすぐ煽る」と耳元で囁かれた。
 どの辺りが煽ってしまっているのか……
 煽られるというのがどういう状態なのかもよくわからない。
「私が、誘っているってことですか?」
「そうだ。すぐに触って欲しそうな顔をする」
「それは……」 
 奥村さんの思い込みだと言おうとしたのに、唇を塞がれて言葉にできなかった。
 「これからのは教授のやり方な」
 布団を下にずらされたあと、胸を鷲掴みにされた。それから揉まれながら舐めまわされはじめた。気持ちよいというより、くすぐったい。それに、恥ずかしかった。
 しばらくされていると徐々に違う感覚に変わってきた。力が強くなると、声が漏れそうになる。
 ふいに先を口に含まれ「ああ」と声を出してしまった。
 吸われるともう、じっとしていられなくなる。感じすぎて、身をよじって逃げたくなる。
 奥村さんが口を離して体を起こした。
「だいたい15分経った」
 ため息が溢れる。
「あの人は焦らしの名人だな」
 奥村さんが笑いながら、私の頭の上に手をのせた。
「間に特別メニューを入れる」
 布団を剥ぎ取られた。
 奥村さんが太股に触れた。
 
 「明かりを消してやろうか?」
「はい」
 奥村さんがベッドをおりた。私は横たわったままなんとなく腕で胸元を隠す。
 真っ暗になった。
 奥村さんの足音が近づいてくる。さっきより足下寄りに腰掛けた。
「足を立てろ」
 揃えたままで立てると「できるだけ開いてくれ」と言われた。
 見えないとはいえ恥ずかしい。それでも体の幅ほどには開いた。
 奥村さんが足の間に入ってきた。
「よく、濡れてる」
 指が入り口をなぞる。
「力を抜いておけよ」
 そう言われてもどうすればいいのかわからない。
 入ってくる。
「痛くないか?」
「大丈夫です」
 感じているわけでもない。異物感があるだけだ。
「痛くなったら言えよ」
 指が中で動き始めた。
 痛みとは違う。奥村さんの指が内側からおしてくるたび、その辺りがヒリヒリと熱くなる。
 私は目を閉じてたえていた。
「少し奥までいれるぞ」
 もう、奥まで入っているのかと思っていた。感覚が曖昧で……
 奥に進められれば、まだだったのがわかる。少しだけ痛かった。
「やはり狭いな……大丈夫か?」
 痛いと訴えるべきか迷う。
「指を我慢できないとなると、俺のはどうにもならんからなあ。少しずつ拡げれば少しは痛みがやわらぐはずだ」
 考えただけでこわくなる。
「他に刺激を与えながらの方がすんなり行くかもな」
 奥村さんが指を抜いた。
「ちょうど良い具合に、濡れてるな」
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