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~第四章~
いざバルトロ領へ!【五】
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グラン·カルロリムの北門を抜けバルトロ領へ続く街道を行く。
先行するカヴァル達が魔獣達を殲滅してくれているお陰で後続の僕らや護衛に着いている《蒼き深雷》のギルドメンバー達は軒並み暇そうだった。
「これ、ぶっちゃけ護衛いらなくない?」
僕の横を歩くレインが呟く。
「まぁね、カヴァル達もSランク冒険者だし、この辺りの魔獣くらい訳ないもんな~」
「暇ねー……リョウマなんか楽しい話して!」
「えー!無理だよ……」
グラン·カルロリムからそろそろ三十キロ程。
そんな時ギルド念話が頭に鳴り響く。
「もしもし、こちらカヴァル……」
「どうした?カヴァルくん?」
「いやね、この辺りに来たら急に魔獣が減っちゃってねー。サクラちゃんに索敵掛けて貰ってるんだけど……この先なんか、全く魔獣がいないんだよ?どう思います?」
「魔獣いないんじゃ楽でいいじゃない?」
「うむ。レインくんの言う通り楽でいいんだが……なんか引っ掛かるな。それは」
「だよね、とりあえず前線はそんな感じだ……また連絡する」
カヴァルからの念話が切れる。
「魔獣いないんじゃ前も暇ねー」
「レイン。でも魔獣がカンストするマップなんて今まで無かったよ?なんか怪しくない?」
「まぁ、言われてみれば……確かに」
僕らは一松の不安を感じながらバルトロ領へ歩を進めた。
「《大鴉の尻尾》の先行部隊はかなり優秀ですね……ここまで打ち漏らしの魔獣ゼロですよ?どう思いますビダン」
「うむ。カリンの言う通り先行部隊は優秀なんだろうが……ちょっと違和感を覚えるな……」
「ビダンもですか………」
ビタンは後ろの馬車を護衛しているギルドメンバーを一人呼ぶ。
「マルコ、ちょっと野暮用頼まれてくれ!前線に上がって索敵を掛けろ」
「了解しました!」
ビダンから命令を受けたギルドメンバー、マルコは馬に飛び乗り前線へ上がって行った。
「これで、何か分かると良いんだがな………」
前線ではカヴァル小隊が暇を持て余しながら歩いていた。
「……し、し、しいたけ!」
「けむし!」
「し、し、えー?また、し?」
「お前達なぁー、暇だからって、しりとりすんなよ……」
「ブッフォンくん、サクラちゃんが、し攻めするよー」
「ムッシシシ」
「いや、だからしりとりはやめろよ。危機感ゼロだな…」
「……そろそろバルトロ領へ入るぞ。皆」
「やっとかー!新しいお家どんなんだろ~」
「気が早いねー、スズちゃん」
女子二人のそんな会話を聞いて頭を掻くブッフォン。
「平和だな……お前達」
そんな時後方から砂煙を上げて一頭の馬に乗った冒険者が近づいてくる。
「なんか来たぞカヴァル?」
「誰だろうね?」
「はじめまして、ギルド《蒼き深雷》のマルコと申します。ギルドマスターの指示で前線に上がって来たのです……が………」
「ん?暇だよ?しりとりしたいの?」
「え?しりとり?」
「いやいや、何でもない聞き流してくれ!」
ブッフォンが慌ててスズの妄言をかき消す。
「で?マルコさんどう言う要件かな?」
「いや、あの……前線には魔獣はいないのですか?もしやもう駆逐済み!」
「いや、前言が正解だよマルコさん。この辺りには魔獣はいない。ゼロだ」
「え?ゼロ。そんな馬鹿な!索敵は掛けているんですか?」
「もちろん!三十キロ先まで索敵してるよ」
サクラがVサインでマルコに応える。
「さ、三十キロ!………そ、そうですか……では前線は何にも問題は無いですね。私は隊に戻ります!では失礼っ」
「なんか慌ただしい人だねー、しりとりしていけば良かったのに……」
隊に戻ったマルコはビダンに前線の事を報告し、更にはサクラの索敵能力についてもビダンに伝えた。
「なぁ、マルコ………お前さんの索敵範囲ってどのくらいだった?」
「……十キロです」
「だよなー、十キロでも最上位だ。《大鴉の尻尾》の索敵能力……バケモンかよ……」
こうして何事も無く、一行はバルトロ領の領都カザンに入ったのだった。
先行するカヴァル達が魔獣達を殲滅してくれているお陰で後続の僕らや護衛に着いている《蒼き深雷》のギルドメンバー達は軒並み暇そうだった。
「これ、ぶっちゃけ護衛いらなくない?」
僕の横を歩くレインが呟く。
「まぁね、カヴァル達もSランク冒険者だし、この辺りの魔獣くらい訳ないもんな~」
「暇ねー……リョウマなんか楽しい話して!」
「えー!無理だよ……」
グラン·カルロリムからそろそろ三十キロ程。
そんな時ギルド念話が頭に鳴り響く。
「もしもし、こちらカヴァル……」
「どうした?カヴァルくん?」
「いやね、この辺りに来たら急に魔獣が減っちゃってねー。サクラちゃんに索敵掛けて貰ってるんだけど……この先なんか、全く魔獣がいないんだよ?どう思います?」
「魔獣いないんじゃ楽でいいじゃない?」
「うむ。レインくんの言う通り楽でいいんだが……なんか引っ掛かるな。それは」
「だよね、とりあえず前線はそんな感じだ……また連絡する」
カヴァルからの念話が切れる。
「魔獣いないんじゃ前も暇ねー」
「レイン。でも魔獣がカンストするマップなんて今まで無かったよ?なんか怪しくない?」
「まぁ、言われてみれば……確かに」
僕らは一松の不安を感じながらバルトロ領へ歩を進めた。
「《大鴉の尻尾》の先行部隊はかなり優秀ですね……ここまで打ち漏らしの魔獣ゼロですよ?どう思いますビダン」
「うむ。カリンの言う通り先行部隊は優秀なんだろうが……ちょっと違和感を覚えるな……」
「ビダンもですか………」
ビタンは後ろの馬車を護衛しているギルドメンバーを一人呼ぶ。
「マルコ、ちょっと野暮用頼まれてくれ!前線に上がって索敵を掛けろ」
「了解しました!」
ビダンから命令を受けたギルドメンバー、マルコは馬に飛び乗り前線へ上がって行った。
「これで、何か分かると良いんだがな………」
前線ではカヴァル小隊が暇を持て余しながら歩いていた。
「……し、し、しいたけ!」
「けむし!」
「し、し、えー?また、し?」
「お前達なぁー、暇だからって、しりとりすんなよ……」
「ブッフォンくん、サクラちゃんが、し攻めするよー」
「ムッシシシ」
「いや、だからしりとりはやめろよ。危機感ゼロだな…」
「……そろそろバルトロ領へ入るぞ。皆」
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「気が早いねー、スズちゃん」
女子二人のそんな会話を聞いて頭を掻くブッフォン。
「平和だな……お前達」
そんな時後方から砂煙を上げて一頭の馬に乗った冒険者が近づいてくる。
「なんか来たぞカヴァル?」
「誰だろうね?」
「はじめまして、ギルド《蒼き深雷》のマルコと申します。ギルドマスターの指示で前線に上がって来たのです……が………」
「ん?暇だよ?しりとりしたいの?」
「え?しりとり?」
「いやいや、何でもない聞き流してくれ!」
ブッフォンが慌ててスズの妄言をかき消す。
「で?マルコさんどう言う要件かな?」
「いや、あの……前線には魔獣はいないのですか?もしやもう駆逐済み!」
「いや、前言が正解だよマルコさん。この辺りには魔獣はいない。ゼロだ」
「え?ゼロ。そんな馬鹿な!索敵は掛けているんですか?」
「もちろん!三十キロ先まで索敵してるよ」
サクラがVサインでマルコに応える。
「さ、三十キロ!………そ、そうですか……では前線は何にも問題は無いですね。私は隊に戻ります!では失礼っ」
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隊に戻ったマルコはビダンに前線の事を報告し、更にはサクラの索敵能力についてもビダンに伝えた。
「なぁ、マルコ………お前さんの索敵範囲ってどのくらいだった?」
「……十キロです」
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こうして何事も無く、一行はバルトロ領の領都カザンに入ったのだった。
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