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結局時間稼ぎという目的は達せられてしまった。
でもこれでよかったと、そう思いたいわ。
「マリ・・・?それにあんたルルシアだね」
「アース。久しぶりね」
「身にまとう雰囲気が変わったね。それにマリが戦意喪失。一体どれほどの力がーーー」
「アース!!」
マリがアースに向かって力強い声を発した。
そのことに驚きを見せたものの、すぐに我に返り私に向かって剣を向ける。
「精神捜査の魔法かい?流石はリリノアール、いやチャリオットの弟子か」
「違うわよ。貴女と戦うつもりもないの。どうせ今からじゃ私も貴女もマリも蚊帳の外よ」
「どういうこったい?」
アースとこんな風に話すとは思ってもみなかった。
多分あの時殺しあってマリの介入がなかったら、こうして話をしていなかったかもしれないわね。
「負けたの私。邪なる魔法を使っても勝てなかったの」
「邪なる魔法。聖なる魔法と対になる魔法といわれるあれかい」
「アースは知らなかったのね。じゃあどうしてマリに従っていたの?」
「マリの殺気が私の戦意を喪失させるには十分なくらい強かったからね」
「それほど?」
確かにマリの魔法はどれも強力だったと思う。
でもそれほどの脅威に感じるほどでもなかった。
それこそアースのが今の私から見ても脅威だ。
「今はそのような殺気を感じられないね」
「それは当たり前の話。これだけ完膚なきまでに敗北したらね。もしかしたらこれも、リィナの作戦だったのかしら?」
「シリィならそれもやりかねないわね。余りにも強硬手段だけど」
「シリィ?それって一体誰なの?」
「シリィの話はされてないのね。シリィはねーーー」
シリィについて知らなかったマリに、私の過去での話をしてあげた。
彼女は時より同情の目を向けていたけど、今の私はグレンやガウリ様、王国のみんなのおかげで救われてるわよ。
「なるほど苦労したんだねぇ」
「でもその話を聞くと、どう考えてもリィナはシリィそのままだわ。彼女は今リィナと同じ様な事をしてるわ」
「リィナがシリィになろうとしてる?でもシリィは帝国の宝具を使ってそれが可能としてたのに」
「使ってる様子はないわね」
だとしたらリィナがマリの知らない場所で何かを使ってるって事かしら?
いや、もしかしたらーーー
「あらー?アースに聖女ゴールドマリーだー。なんでこんなトコロ居んのー?」
声のする方を見ると大きな鎌を持った少年が現れた。
私は彼を知っている。
「クロムウェル様?」
「あー義姉さん久しぶりですね」
「おい。マリ、ルルシア。あっしが時間を稼ぐ。さっさと逃げよ」
アースが額に汗を浮かべてる?
よくみるとゴールドマリーも身体を震わせていた。
いや、顔は怒りでどうにかなりそうな顔だった。
「クロムウェルぅうううううう!」
「あはっ!その顔、さいっこうだねぇ!」
「ねぇ、どういうこと?」
「こいつが妹を亜里奈を最初に強姦して薬品を投与した張本人!絶対に、絶対に許さないわ!邪なる蛇!」
「え?」
そうか、クロムウェル様の記憶もリリノアールのねつ造された記憶。
アハトに関する記憶もそのほぼ全てが別人だったし、クロムウェルが別人じゃないなんて予想くらい出来たのに。
「あー、ゴールドマリー。君の役目は終わってるんだよ」
邪なる蛇が一瞬で斬り刻まれた。
なにあの鎌?
「ルルシア、マリを連れて逃げるんだ。こいつがいるって事はリリノアール一行もここにいるって事だ!」
「母上の命令は受けてないよ。ただ帝国が共和国に何の目的で侵攻したのか気になるから見に来ただけだよ」
「黙れ!あんたに話すことなんか何も無い!聖なる邪の道」
さっきの黒い空間。
でもそこに聖なる力のような物も感じる。
まさかこれって転移?
「喰らえ!ミサイルバズーカ!」
何あの灰色の鉄のような塊は!?
転移と言うよりカバンなの?
「これが異世界の爆弾かー」
「異世界!?」
「でも、僕には通じない」
鉄の塊は斬り刻まれた後に消失してしまった。
あの鎌って、切った物を消滅させる付与がされてるの?
そんなの聞いたこと無いけど。
「そんなの想定内!」
「んー、僕もあんまり力を使いたくないんだけどさぁー」
クロムウェルが鎌を振り下ろすと突風が吹き荒れた。
次の瞬間マリが勢いよくクロムウェルに向かって飛んでいく。
「死になよ」
「させないわ!アメイジングペガサス」
クロムウェルが振るう鎌の餌食になるところを間一髪で避けた。
でも今のは何よ。
「すごいなぁ。見たことない魔法まで使えるようになってる」
「クロムウェル。あなた、目的はなんなの?」
「そうだなー、ゴールドマリーの首を取ろうと思ったけどやめた。義姉さんの首をもらいますかね」
「させるわけないでしょ。それよりも目的を言わないなら痛い目に遭わせるわ」
「アハハ!義姉さん。首、もらうよ!」
そういうとクロムウェルが鎌を振るって再び私を彼の元へと引き寄せる。
なるほど、空気が圧縮されて流されてるのね。
でも仕組みがわかれば勝てる!
でもこれでよかったと、そう思いたいわ。
「マリ・・・?それにあんたルルシアだね」
「アース。久しぶりね」
「身にまとう雰囲気が変わったね。それにマリが戦意喪失。一体どれほどの力がーーー」
「アース!!」
マリがアースに向かって力強い声を発した。
そのことに驚きを見せたものの、すぐに我に返り私に向かって剣を向ける。
「精神捜査の魔法かい?流石はリリノアール、いやチャリオットの弟子か」
「違うわよ。貴女と戦うつもりもないの。どうせ今からじゃ私も貴女もマリも蚊帳の外よ」
「どういうこったい?」
アースとこんな風に話すとは思ってもみなかった。
多分あの時殺しあってマリの介入がなかったら、こうして話をしていなかったかもしれないわね。
「負けたの私。邪なる魔法を使っても勝てなかったの」
「邪なる魔法。聖なる魔法と対になる魔法といわれるあれかい」
「アースは知らなかったのね。じゃあどうしてマリに従っていたの?」
「マリの殺気が私の戦意を喪失させるには十分なくらい強かったからね」
「それほど?」
確かにマリの魔法はどれも強力だったと思う。
でもそれほどの脅威に感じるほどでもなかった。
それこそアースのが今の私から見ても脅威だ。
「今はそのような殺気を感じられないね」
「それは当たり前の話。これだけ完膚なきまでに敗北したらね。もしかしたらこれも、リィナの作戦だったのかしら?」
「シリィならそれもやりかねないわね。余りにも強硬手段だけど」
「シリィ?それって一体誰なの?」
「シリィの話はされてないのね。シリィはねーーー」
シリィについて知らなかったマリに、私の過去での話をしてあげた。
彼女は時より同情の目を向けていたけど、今の私はグレンやガウリ様、王国のみんなのおかげで救われてるわよ。
「なるほど苦労したんだねぇ」
「でもその話を聞くと、どう考えてもリィナはシリィそのままだわ。彼女は今リィナと同じ様な事をしてるわ」
「リィナがシリィになろうとしてる?でもシリィは帝国の宝具を使ってそれが可能としてたのに」
「使ってる様子はないわね」
だとしたらリィナがマリの知らない場所で何かを使ってるって事かしら?
いや、もしかしたらーーー
「あらー?アースに聖女ゴールドマリーだー。なんでこんなトコロ居んのー?」
声のする方を見ると大きな鎌を持った少年が現れた。
私は彼を知っている。
「クロムウェル様?」
「あー義姉さん久しぶりですね」
「おい。マリ、ルルシア。あっしが時間を稼ぐ。さっさと逃げよ」
アースが額に汗を浮かべてる?
よくみるとゴールドマリーも身体を震わせていた。
いや、顔は怒りでどうにかなりそうな顔だった。
「クロムウェルぅうううううう!」
「あはっ!その顔、さいっこうだねぇ!」
「ねぇ、どういうこと?」
「こいつが妹を亜里奈を最初に強姦して薬品を投与した張本人!絶対に、絶対に許さないわ!邪なる蛇!」
「え?」
そうか、クロムウェル様の記憶もリリノアールのねつ造された記憶。
アハトに関する記憶もそのほぼ全てが別人だったし、クロムウェルが別人じゃないなんて予想くらい出来たのに。
「あー、ゴールドマリー。君の役目は終わってるんだよ」
邪なる蛇が一瞬で斬り刻まれた。
なにあの鎌?
「ルルシア、マリを連れて逃げるんだ。こいつがいるって事はリリノアール一行もここにいるって事だ!」
「母上の命令は受けてないよ。ただ帝国が共和国に何の目的で侵攻したのか気になるから見に来ただけだよ」
「黙れ!あんたに話すことなんか何も無い!聖なる邪の道」
さっきの黒い空間。
でもそこに聖なる力のような物も感じる。
まさかこれって転移?
「喰らえ!ミサイルバズーカ!」
何あの灰色の鉄のような塊は!?
転移と言うよりカバンなの?
「これが異世界の爆弾かー」
「異世界!?」
「でも、僕には通じない」
鉄の塊は斬り刻まれた後に消失してしまった。
あの鎌って、切った物を消滅させる付与がされてるの?
そんなの聞いたこと無いけど。
「そんなの想定内!」
「んー、僕もあんまり力を使いたくないんだけどさぁー」
クロムウェルが鎌を振り下ろすと突風が吹き荒れた。
次の瞬間マリが勢いよくクロムウェルに向かって飛んでいく。
「死になよ」
「させないわ!アメイジングペガサス」
クロムウェルが振るう鎌の餌食になるところを間一髪で避けた。
でも今のは何よ。
「すごいなぁ。見たことない魔法まで使えるようになってる」
「クロムウェル。あなた、目的はなんなの?」
「そうだなー、ゴールドマリーの首を取ろうと思ったけどやめた。義姉さんの首をもらいますかね」
「させるわけないでしょ。それよりも目的を言わないなら痛い目に遭わせるわ」
「アハハ!義姉さん。首、もらうよ!」
そういうとクロムウェルが鎌を振るって再び私を彼の元へと引き寄せる。
なるほど、空気が圧縮されて流されてるのね。
でも仕組みがわかれば勝てる!
応援ありがとうございます!
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