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 かつてこの世界には災厄をもたらす魔王がいた。
 魔王は人々にもたらした災厄、それは死者の魂を冥界から呼び戻し死者の身体へと入れなおす。
 それは戦うことしかできない勇者よりも称えられるはずだった。
 しかしその力は死者を生者にするものではなかった。
 そして蘇ったのは生前とは別の姿をした何かだった。



 戦うのが怖い。
 戦わなきゃ守れない。
 傷つけるのが怖い。
 戦って傷つけずに守りたい!

「なんだ!?」

「ルル。大丈夫ですの?」

「頼もしいな。俺が惚れた女は」

 ヴァルカンが力を最大限に開放してくれた。
 おかげで力の余波でモモさんの負のオーラを相殺してくれてる。

「お前、戦えるのか?」

「カイン、私はいつだって頼れるお姉さんだったでしょ?」

「お前、こんな時にーーー」

 私はカインに笑顔を向ける。
 カインもそれ以上は何も言わなかった。

「俺がお兄さんだ。そのこと忘れんじゃねぇよ」

「誰が!」

「ルルシアァアア!この生意気な!」

 無詠唱で魔法を放ってくるモモさん。
 体感でわかる。
 この魔法は当たったらヤバイ。

「ヴァルカン、アメイジングモード」

『ハ!?ナンデスカソレ!?』

「できないなんて言わせない。私はモモさんを傷つける気はない!」

『無茶ヲ言ウマスターデス』

 無茶は承知よ。
 でもやってもらわないと困る。

『マスターノ魔法ヲ解析シマス。魔法ヲ展開シテクダサイ』

「グレイスソーサリーよ。マリアがつけてくれたの。アメイジングエンペライオン」

『解析開始』

「ダブルハウリング」

 アメイジングエンペライオンで魔力を打ち消そうとしても、この負のオーラは打ち消せない。
 でもそれでいい。
 魔法を使わせないことが一番の目的なのだから。

「魔法が打ち消された!?だからなに!」

「エンペライオンが」

 エンペライオンが砕かれた。
 これでもまだ足りないの?
 
「ヴァルカン解析は大丈夫?」

『心配ありません』

「よそ見とは馬鹿にしてくれるわね!この人間風情が!」

「しまっーーー」

 モモさんの魔法が私に迫りくる中、モモさん自身も突っ込んできた。
 斜線上にはグレンがいるしやってくれるわ。
 避けることはできるけど消すとなると魔力を練る時間がない。
 このままではモモさんの負のオーラを纏った体術がクリーンヒットする。
 しかしそれは私の頼れる仲間達が何とかしてくれる。

「まったく、世話が焼けますの。カイン様、魔法はよろしくお願いしますわよ」

「あぁもちろんだ」

 マリアが私を抱え上げて、カインが魔法を相殺した。
 流石はカイン。
 負のオーラごと聖なる力で斬り裂いてるわね。

『解析完了』

「遅いわよ」

『否。解析災厄をもたらす魔王がいた。
 魔王は人々にもたらした災厄、それは死者の魂を冥界から呼び戻し死者の身体へと入れなおす。
 それは戦うことしかできない勇者よりも称えられるはずだった。
 しかしその力は死者を生者にするものではなかった。
 そして蘇ったのは生前とは別の姿をした何かだった。



 戦うのが怖い。
 戦わなきゃ守れない。
 傷つけるのが怖い。
 戦って傷つけずに守りたい!

「なんだ!?」

「ルル。大丈夫ですの?」

「頼もしいな。俺が惚れた女は」

 ヴァルカンが力を最大限に開放してくれた。
 おかげで力の余波でモモさんの負のオーラを相殺してくれてる。

「お前、戦えるのか?」

「カイン、私はいつだって頼れるお姉さんだったでしょ?」

「お前、こんな時にーーー」

 私はカインに笑顔を向ける。
 カインもそれ以上は何も言わなかった。

「俺がお兄さんだ。そのこと忘れんじゃねぇよ」

「誰が!」

「ルルシアァアア!この生意気な!」

 無詠唱で魔法を放ってくるモモさん。
 体感でわかる。
 この魔法は当たったらヤバイ。

「ヴァルカン、アメイジングモード」

『ハ!?ナンデスカソレ!?』

「できないなんて言わせない。私はモモさんを傷つける気はない!」

『無茶ヲ言ウマスターデス』

 無茶は承知よ。
 でもやってもらわないと困る。

『マスターノ魔法ヲ解析シマス。魔法ヲ展開シテクダサイ』

「グレイスソーサリーよ。マリアがつけてくれたの。アメイジングエンペライオン」

『解析開始』

「ダブルハウリング」

 アメイジングエンペライオンで魔力を打ち消そうとしても、この負のオーラは打ち消せない。
 でもそれでいい。
 魔法を使わせないことが一番の目的なのだから。

「魔法が打ち消された!?だからなに!」

「エンペライオンが」

 エンペライオンが砕かれた。
 これでもまだ足りないの?
 
「ヴァルカン解析は大丈夫?」

『心配ありません』

「よそ見とは馬鹿にしてくれるわね!この人間風情が!」

「しまっーーー」

 モモさんの魔法が私に迫りくる中、モモさん自身も突っ込んできた。
 斜線上にはグレンがいるしやってくれるわ。
 避けることはできるけど消すとなると魔力を練る時間がない。
 このままではモモさんの負のオーラを纏った体術がクリーンヒットする。
 しかしそれは私の頼れる仲間達が何とかしてくれる。

「まったく、世話が焼けますの。カイン様、魔法はよろしくお願いしますわよ」

「あぁもちろんだ」

 マリアが私を抱え上げて、カインが魔法を相殺した。
 流石はカイン。
 負のオーラごと聖なる力で斬り裂いてるわね。

『解析完了』

「遅いわよ」

『否。早急ニ済マセマシタ。アメイジングモードニ移行シマス』

 やっと来たわね。
 私は誰も傷つけたくないし傷つきたくない。
 これはそれを体現するための魔法。
 
「五十嵐?」

 モモさんが何かを発していたが、私は気にせず飛びかかった。
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