35 / 241
バーベンベルク城にて
議題を考えてみました
しおりを挟む
部屋に戻り、アンナと侍女に手伝ってもらってシャワーで汗を流し、寝衣に着替える。
ちなみに、バーベンベルク城の裏手の森には熱いお湯の沸く泉がいくつかあって、城内の浴室はみんなそこからお湯を引いている。使用人用に大きい浴場もあるの。
城下町には温泉街もあって、帝国でも有名な観光地なんだって。
、、、あんなに眠たかったのに、シャワーを浴びたら眠気が覚めてしまったわ。
こうなると、寝衣会議、なんだか楽しそうに思えてくる。
髪を乾かして梳かしてもらっていると、コンコン、とノックの音がした。
「ルー兄さま?どうぞ。」
声を掛けると、「おう」と何だか気合の入った声がして、兄さまが何か手に持って現れた。あ、兄さまも寝衣だ。懐かしいけど、一緒に寝ていたころとはやっぱり違う。でも、髪を乾かすのを面倒がって、しめったままなのは一緒なのね。
落ち着かないのか、うろうろしてる。変なの。
私がくすくす笑うとこっちを見て、すぐまた顔をそらした。
「??」
髪も梳かし終わったので、侍女にお礼を言って立ち上がり、自分の姿を鏡に映す。うん、いつもと変わらないけどな。
子どもは汗をかきやすいからと、薄手の綿と綿レースで出来たくるぶしまでのワンピースの寝衣。何度も水をくぐって柔らかくなった薄い綿は体に沿ってとても着やすい。
夏の初めのこの季節、襟ぐりは鎖骨まで空いてるけど肩を冷やさないように小さい綿レースの袖が付いている。
小さい頃から同じようなの着てるよね?
首をかしげていると。
「お前な、兄とは言え異性が居るんだから、ガウンくらい着ろよ!」
言うなり、手に持っていたものを投げてきた。
「だって、兄上やフィン兄さまならともかく、ルー兄さまでしょう。小さい頃は同じベッドで寝てたじゃない。」
何を今さら。そう思ったのだけど。
何のかんの理屈をつけて、退室する侍女を捕まえ無理やりガウンを着せられてしまった。
こんなにきっちり着ると、ちょっと暑いんだけどな。
アンナも侍女も退室し、二人でソファに座って父さまと母さまを待つ。
「兄さまは、何のお話か分かる?」
手持無沙汰なので一番疑問に思っていることを聞くと。
「もうすぐ、兄上が帝国大学をご卒業されるだろう?卒業式の後、すぐに帝国騎士団に入られるらしいんだ。だから、その辺りの話じゃないかな?」
兄さまも考えていたのか、答えはすぐに帰ってくる。
「兄上、バーベンベルクの騎士団に入るんじゃないの?」
驚いて聞くと。
「若いうちは他の家に行って苦労した方がいいって、お祖父様がおっしゃったらしい。母上も大学ご卒業後は同じように帝国騎士団に入って、選ばれて近衛騎士団に移って、結婚まで過ごされたそうだから。」
先代バーベンベルク辺境伯であるお祖父さまは、母さまに辺境伯の地位を譲った後、帝都ノイブルクに住処を移し、乞われて五つある帝国騎士団の一つを任されている。
「お祖父さまのところ・・・じゃないよね。我が家は結構厳しいね。」
「?どこでもそんなもんだろ。バーベンベルクやお祖父様の騎士団じゃあ、跡取り様だから、修行にならないよ。僕だって、、、。」言いかけて、ふと気づいたように言葉を止める兄さま。
うん、兄さまだって?
聞き直そうとした時。
フッと部屋の中に風が生まれて。
父さまと、そのローブにくるまれた母さまが姿を現した。
父さま、同じ階なんだから、少しは歩かないと、運動不足になるよ?
ちなみに、バーベンベルク城の裏手の森には熱いお湯の沸く泉がいくつかあって、城内の浴室はみんなそこからお湯を引いている。使用人用に大きい浴場もあるの。
城下町には温泉街もあって、帝国でも有名な観光地なんだって。
、、、あんなに眠たかったのに、シャワーを浴びたら眠気が覚めてしまったわ。
こうなると、寝衣会議、なんだか楽しそうに思えてくる。
髪を乾かして梳かしてもらっていると、コンコン、とノックの音がした。
「ルー兄さま?どうぞ。」
声を掛けると、「おう」と何だか気合の入った声がして、兄さまが何か手に持って現れた。あ、兄さまも寝衣だ。懐かしいけど、一緒に寝ていたころとはやっぱり違う。でも、髪を乾かすのを面倒がって、しめったままなのは一緒なのね。
落ち着かないのか、うろうろしてる。変なの。
私がくすくす笑うとこっちを見て、すぐまた顔をそらした。
「??」
髪も梳かし終わったので、侍女にお礼を言って立ち上がり、自分の姿を鏡に映す。うん、いつもと変わらないけどな。
子どもは汗をかきやすいからと、薄手の綿と綿レースで出来たくるぶしまでのワンピースの寝衣。何度も水をくぐって柔らかくなった薄い綿は体に沿ってとても着やすい。
夏の初めのこの季節、襟ぐりは鎖骨まで空いてるけど肩を冷やさないように小さい綿レースの袖が付いている。
小さい頃から同じようなの着てるよね?
首をかしげていると。
「お前な、兄とは言え異性が居るんだから、ガウンくらい着ろよ!」
言うなり、手に持っていたものを投げてきた。
「だって、兄上やフィン兄さまならともかく、ルー兄さまでしょう。小さい頃は同じベッドで寝てたじゃない。」
何を今さら。そう思ったのだけど。
何のかんの理屈をつけて、退室する侍女を捕まえ無理やりガウンを着せられてしまった。
こんなにきっちり着ると、ちょっと暑いんだけどな。
アンナも侍女も退室し、二人でソファに座って父さまと母さまを待つ。
「兄さまは、何のお話か分かる?」
手持無沙汰なので一番疑問に思っていることを聞くと。
「もうすぐ、兄上が帝国大学をご卒業されるだろう?卒業式の後、すぐに帝国騎士団に入られるらしいんだ。だから、その辺りの話じゃないかな?」
兄さまも考えていたのか、答えはすぐに帰ってくる。
「兄上、バーベンベルクの騎士団に入るんじゃないの?」
驚いて聞くと。
「若いうちは他の家に行って苦労した方がいいって、お祖父様がおっしゃったらしい。母上も大学ご卒業後は同じように帝国騎士団に入って、選ばれて近衛騎士団に移って、結婚まで過ごされたそうだから。」
先代バーベンベルク辺境伯であるお祖父さまは、母さまに辺境伯の地位を譲った後、帝都ノイブルクに住処を移し、乞われて五つある帝国騎士団の一つを任されている。
「お祖父さまのところ・・・じゃないよね。我が家は結構厳しいね。」
「?どこでもそんなもんだろ。バーベンベルクやお祖父様の騎士団じゃあ、跡取り様だから、修行にならないよ。僕だって、、、。」言いかけて、ふと気づいたように言葉を止める兄さま。
うん、兄さまだって?
聞き直そうとした時。
フッと部屋の中に風が生まれて。
父さまと、そのローブにくるまれた母さまが姿を現した。
父さま、同じ階なんだから、少しは歩かないと、運動不足になるよ?
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる