帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

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皇宮での邂逅

赤毛の男の子は真面目ないい子でした。

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ちょっと躊躇ってしまったけど、別に悪いことしてるわけじゃないし。
私は思い切って灌木の茂みをかき分けて段差の端まで寄り、一番際に生えている木の一本に掴まった。
もし何かされそうになったら、すぐに逃げられるようにしないとね。
すぐ下からほぼ垂直に段差が削られて、漆喰とレンガで作った壁になっている。大体大人の背丈くらいの高さね。
その壁の近くに。
赤毛の男の子は立って、じっとこっちを睨むように見上げていた。手には拾った模擬刀を構えている。
え、怒ってるの?確かに覗き見はいい趣味じゃないけど、、、。
私が困っていると。
「なんだ、侍従見習いか。」
ふうっ。一息つくと、その子は剣を下ろして目元を和らげた。
それだけでだいぶ印象が変わって、私もほっとする。
「なんでこんなところにいるんだ?」
「えっと、、、。道に迷った?」
聞かれたから、答えたけど。ちょっとみっともないよね。
私が恥ずかしさからほんのり赤くなるのと、その子が驚くのが一緒だった。
「迷った?君、魔導師団所属だろ。隣じゃないか?」
「そうなんだけど・・・。今朝来たばかりで、政務宮の親戚に挨拶に行って、一人で帰る途中で・・・。」

言いながら情けなくなって、段々声が小さくなる。
私ったら、あんなにエラそうに言っていて、まっすぐ帰ることも出来ないなんて、、、。
情けなくてウルウルしてしまうと。
その子は慌てたように目をウロウロさせてから、剣を持ち替えて、手を差し伸べてきた。
「すまない。泣かせるつもりは無かったんだ。」
連れてってやるから降りて来いよ。
そう言いながら見上げてくる。

多分、元来た道を戻れば帰れるんだけどな、、、。
ちょっと迷っていると、男の子は、手のひらをクイっと動かした。
「ほら、遠慮するな。」
真面目な顔。ちゃんと利き手を差し伸べてくれた。訓練後で疲れてるのに送ってくれるという、、、いい子だな。

道は分かるんだけど。
この姿で知り合いを増やすのは、きっと良くないことなんだけど。

この子ともう少し話したくなって、私はコックリと頷いた。
伸ばされた手のひらは、私の足元に届くかどうかといったところで待ってくれている。
でも、あの手を取ったら、また小鳥が攻撃するかもしれない。
「今そっちに行くから、どいて!」
「?っ、おわっ!」

一声掛けると同時に、掴んでいた木を離して飛び降りた。着地に合わせて膝を曲げてしゃがめば、衝撃は少ないもんね。

立ち上がってくるん、と振り返ると。

手を伸ばした格好のまま、その子は肩越しに振り返ってびっくりしていた。

では、飛び降りたりしないのかな?
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