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皇宮での邂逅
魔導師の皆さんにもうっすらバレてました
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久しぶりに賑やかな朝食を取った後、オスカー兄上は大学寮に帰って行った。
後十日で卒業式。騎士科の総代だから、何かと用があるんだって。
フィン兄さまは、今日一日空けてくれたみたい。
元々父さまの仕事ぶりを心配した母さまに言われて、たまに手伝いに来ているらしく、今日は私に付き添ってくれるんだって。
相変わらずフィン兄さまは優しい。
「有難う。兄さま。」
にっこりしてお礼を言うと、珍しくおねだりされた。
この格好のうちに一緒にお出掛けしたいらしい。
「でも、ライだけど。いいの?」
「令嬢に戻ってしまうと、通りすがりの者にも見せたくなくなるからな。封印してあっても、漏れる魔力の気配はディーのものだから大丈夫。」
「じゃあ、じゃあね、大学を、案内してもらえる?この格好なら目立たないでしょう?」
せっかくだから、私もおねだりしてみよう。
「うーん。魔導学科はあまり綺麗なところじゃないぞ。」
フィン兄さまは渋ったけど。
普段の兄さまの生活を見てみたいと言ったら、直ぐにオッケーが出ました!!やったね!
執務室で片付けをした後、朝のお使いに行く準備をする。
「今日はフィンに任せて休んでもいいぞ、嬢ちゃん。」
「大丈夫です。よく寝てすっかり元気になりました。」
心配そうなエルンストさんに笑顔で答え、ローちゃんを呼んだ。
寝室で感動の再会をしたローちゃんは、、、私が眠っている間、ずーっと見守っていてくれたんだって、、、!あのぐったりが嘘のように元気になっていた。いつものように肩に乗せて書類を持てば準備オッケー。
「フィン。色々と、頼んだぞ。」
父さまの言葉に、
「親父殿の後始末は慣れてますから。」
嫌味っぽく言うと、フィン兄さまは私の肩をさり気なく抱いた。
「さ、行こうか・・・。弟妹の幼馴染みのライ君。」
触れると、やっぱりディーだね。などと喜んでる。
うーん。フィン兄さまはいつも距離が近いけど。
弟妹の幼馴染みの肩は、普通抱かないと思うよ?
今朝の魔導師団は何となくザワザワしている。
みんな何となくあちこちで固まり、ヒソヒソ話してるの。
どうしたのかな?と思っていると、
「チッ、やっぱり怪しまれてるな・・・」
フィン兄さまが舌打ちと共に呟いた。
何のことか聞こうと首を傾げた時。
「あ、ほら、ライムンドが来たぞ!」
顔馴染みになって来た魔導土木科で受付をしてくれるおじさんが私を見つけた。
「あ、本当だ。」
「ライムンド!」
直ぐに人が集まって来て、ちょっとびっくりする。
でも。
隣に居るのがフィン兄さまだと気付くと、今度はちょっと引いていくみんな。
その中に私はさっきの魔導土木受付のおじさんを見つけ、声を掛けた。
「昨日預かった書類、決裁降りました。」
父さまのサインが入った書類を渡すと、受け取りのサインをしながら、その人は物問いたげに、チラッと兄さまを見た。
ちょっとためらって、でも、押さえきれないと言うように、私ではなく、フィン兄さまに聞いて来る。
「昨日のあの奇妙な地震、あれは団長の魔力が起こしたんじゃないのか?」
あらら、バレちゃってる?
思わず目が泳ぐ私と違い、兄さまはあくまで自然で冷静だった。
「確かに昨日、この辺りで揺れがあったようですね。それと父にどんな関係が?」
「いや、だって、あれだけの揺れなのに、揺れたのは皇宮だけで、帝都は無傷。しかも物理的な被害は聞いた限りじゃ全く無い。魔導土木科の俺が言うんだ。こんな地震ありえない。」
「でも、俺は昔、駆け出しの土木屋だった頃、こう言う地震にあったことがある。」
もう二十年以上前だから、覚えている人も少ないが。
その時は皇宮と帝都の一部だったが、同じ様に、揺れの割に被害は少なくて。
あの時の事を後から聞いたことがある。魔導師団内では、当時成人前の団長が起こしたんじゃないかと囁かれてたんだ。
「噂、と言うことで?」
「確かに噂だけどな。俺みたいな魔導師って言っても魔力の少ない技術畑の奴には分からないが、上級魔導師以上の方々は、今回、二十年前と同じ魔力を感じたらしいぞ。」
なるほど、父さまは前科持ちだから、中年以上の人にはあの時と同じ、、、となるのね。
あっさり噂で片付けようとした兄さまをおじさんはジロッと睨んでくる。
魔導師団て、魔力にしろ魔術にしろ魔導技術にしろ、とにかく実力がモノを言うから、身分とか権威とかが軽いところがある。それに、術式も技術も理論が重要だから、合理的で探究心の強い人が多い気がする。
このおじさんも、職人頑固親父系ね。フィン兄さまが魔導師団長の息子だって知っていて、引き下がる様子を見せない。
でも、引き下がらないのは兄さまも同じだった。
「以前の記録が有るので?」
「無いけどよ!」
「無いのでしょう。それが答えですよ。きっと今回も記録は残りません。不用意に噂話はしない方がいい。」
ここで兄さまは、フッと笑った。
「我が父の、魔導師団長の実力と気まぐれな奇行については、あなた方が帝国の誰よりもご存知のはず。
別にこれくらいの事で騒ぎ立てることもないでしょう?面倒ごとに巻き込まれると余計な仕事が増えますよ。他部署のお知り合いに聞かれても、どうぞ、ご内聞に。」
奇行って、、、。要は、地震を起こしたのは父さまだけど、別に深い意味はないから気にしないで。
何時もの事でしょう?でも、色々言われると面倒だから、他部署には内緒ね、て言うこと?
私が絶句してると、おじさんを始め、皆さんは、妙に納得されてしまった。
「ま、まあ、そう言われて見れば何時もの事か?」
「なんかちょっとやらかしちゃったって事だね。」
「そして、大ごとにする気は無い、何処とも揉めたく無い、と。」
「確かに何時もの事か。」
え、え?いいの?見てみると、皆さん、スッキリとした表情で仕事に戻って行く。
「ライムンド、序でに決裁書類貰ってくよ。お前が来てから、団長仕事早いな。」
「意外とお前に仕事で仕切られて、切れたのかもな?」
「こえー、ライムンドさまってか?」
軽口を叩く皆さんに、フィン兄さまがさっさと書類の受け渡しを捌いてくれて。
気付くと私の手は空っぽになっていた。
「さてさて、噂の収束も済んだし、帰ろうか?もう明日から絡まれることもないぞ、ディー。」
フィン兄さまに肩をポンポンと叩かれて。
私は兄さまが残ってくれたりエルンストさんが心配した訳が、やっと分かったわ。
後十日で卒業式。騎士科の総代だから、何かと用があるんだって。
フィン兄さまは、今日一日空けてくれたみたい。
元々父さまの仕事ぶりを心配した母さまに言われて、たまに手伝いに来ているらしく、今日は私に付き添ってくれるんだって。
相変わらずフィン兄さまは優しい。
「有難う。兄さま。」
にっこりしてお礼を言うと、珍しくおねだりされた。
この格好のうちに一緒にお出掛けしたいらしい。
「でも、ライだけど。いいの?」
「令嬢に戻ってしまうと、通りすがりの者にも見せたくなくなるからな。封印してあっても、漏れる魔力の気配はディーのものだから大丈夫。」
「じゃあ、じゃあね、大学を、案内してもらえる?この格好なら目立たないでしょう?」
せっかくだから、私もおねだりしてみよう。
「うーん。魔導学科はあまり綺麗なところじゃないぞ。」
フィン兄さまは渋ったけど。
普段の兄さまの生活を見てみたいと言ったら、直ぐにオッケーが出ました!!やったね!
執務室で片付けをした後、朝のお使いに行く準備をする。
「今日はフィンに任せて休んでもいいぞ、嬢ちゃん。」
「大丈夫です。よく寝てすっかり元気になりました。」
心配そうなエルンストさんに笑顔で答え、ローちゃんを呼んだ。
寝室で感動の再会をしたローちゃんは、、、私が眠っている間、ずーっと見守っていてくれたんだって、、、!あのぐったりが嘘のように元気になっていた。いつものように肩に乗せて書類を持てば準備オッケー。
「フィン。色々と、頼んだぞ。」
父さまの言葉に、
「親父殿の後始末は慣れてますから。」
嫌味っぽく言うと、フィン兄さまは私の肩をさり気なく抱いた。
「さ、行こうか・・・。弟妹の幼馴染みのライ君。」
触れると、やっぱりディーだね。などと喜んでる。
うーん。フィン兄さまはいつも距離が近いけど。
弟妹の幼馴染みの肩は、普通抱かないと思うよ?
今朝の魔導師団は何となくザワザワしている。
みんな何となくあちこちで固まり、ヒソヒソ話してるの。
どうしたのかな?と思っていると、
「チッ、やっぱり怪しまれてるな・・・」
フィン兄さまが舌打ちと共に呟いた。
何のことか聞こうと首を傾げた時。
「あ、ほら、ライムンドが来たぞ!」
顔馴染みになって来た魔導土木科で受付をしてくれるおじさんが私を見つけた。
「あ、本当だ。」
「ライムンド!」
直ぐに人が集まって来て、ちょっとびっくりする。
でも。
隣に居るのがフィン兄さまだと気付くと、今度はちょっと引いていくみんな。
その中に私はさっきの魔導土木受付のおじさんを見つけ、声を掛けた。
「昨日預かった書類、決裁降りました。」
父さまのサインが入った書類を渡すと、受け取りのサインをしながら、その人は物問いたげに、チラッと兄さまを見た。
ちょっとためらって、でも、押さえきれないと言うように、私ではなく、フィン兄さまに聞いて来る。
「昨日のあの奇妙な地震、あれは団長の魔力が起こしたんじゃないのか?」
あらら、バレちゃってる?
思わず目が泳ぐ私と違い、兄さまはあくまで自然で冷静だった。
「確かに昨日、この辺りで揺れがあったようですね。それと父にどんな関係が?」
「いや、だって、あれだけの揺れなのに、揺れたのは皇宮だけで、帝都は無傷。しかも物理的な被害は聞いた限りじゃ全く無い。魔導土木科の俺が言うんだ。こんな地震ありえない。」
「でも、俺は昔、駆け出しの土木屋だった頃、こう言う地震にあったことがある。」
もう二十年以上前だから、覚えている人も少ないが。
その時は皇宮と帝都の一部だったが、同じ様に、揺れの割に被害は少なくて。
あの時の事を後から聞いたことがある。魔導師団内では、当時成人前の団長が起こしたんじゃないかと囁かれてたんだ。
「噂、と言うことで?」
「確かに噂だけどな。俺みたいな魔導師って言っても魔力の少ない技術畑の奴には分からないが、上級魔導師以上の方々は、今回、二十年前と同じ魔力を感じたらしいぞ。」
なるほど、父さまは前科持ちだから、中年以上の人にはあの時と同じ、、、となるのね。
あっさり噂で片付けようとした兄さまをおじさんはジロッと睨んでくる。
魔導師団て、魔力にしろ魔術にしろ魔導技術にしろ、とにかく実力がモノを言うから、身分とか権威とかが軽いところがある。それに、術式も技術も理論が重要だから、合理的で探究心の強い人が多い気がする。
このおじさんも、職人頑固親父系ね。フィン兄さまが魔導師団長の息子だって知っていて、引き下がる様子を見せない。
でも、引き下がらないのは兄さまも同じだった。
「以前の記録が有るので?」
「無いけどよ!」
「無いのでしょう。それが答えですよ。きっと今回も記録は残りません。不用意に噂話はしない方がいい。」
ここで兄さまは、フッと笑った。
「我が父の、魔導師団長の実力と気まぐれな奇行については、あなた方が帝国の誰よりもご存知のはず。
別にこれくらいの事で騒ぎ立てることもないでしょう?面倒ごとに巻き込まれると余計な仕事が増えますよ。他部署のお知り合いに聞かれても、どうぞ、ご内聞に。」
奇行って、、、。要は、地震を起こしたのは父さまだけど、別に深い意味はないから気にしないで。
何時もの事でしょう?でも、色々言われると面倒だから、他部署には内緒ね、て言うこと?
私が絶句してると、おじさんを始め、皆さんは、妙に納得されてしまった。
「ま、まあ、そう言われて見れば何時もの事か?」
「なんかちょっとやらかしちゃったって事だね。」
「そして、大ごとにする気は無い、何処とも揉めたく無い、と。」
「確かに何時もの事か。」
え、え?いいの?見てみると、皆さん、スッキリとした表情で仕事に戻って行く。
「ライムンド、序でに決裁書類貰ってくよ。お前が来てから、団長仕事早いな。」
「意外とお前に仕事で仕切られて、切れたのかもな?」
「こえー、ライムンドさまってか?」
軽口を叩く皆さんに、フィン兄さまがさっさと書類の受け渡しを捌いてくれて。
気付くと私の手は空っぽになっていた。
「さてさて、噂の収束も済んだし、帰ろうか?もう明日から絡まれることもないぞ、ディー。」
フィン兄さまに肩をポンポンと叩かれて。
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