帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

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皇宮での邂逅

この世界の秀才が集う処(後)(フィン視点)

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「でさ、フィンったら、指摘された間違いを言い訳した教授になんて言ったと思う?」
「うーん。フィン・・・さまは優しいからな~、笑って聞き流したとか?」
「何それ、フィンが優しいなんて、何の冗談よ?」
ディーとステファンが楽しそうに僕の話で盛り上がっている。
本当は直ぐにも席から叩き出したいけど、
盛り上がりに水をさせなくて、あの椅子を蹴ることが出来ない。
それに、あいつは公には素性を隠してるけど、実は帝国南部と国境を接する隣国の第三王子だ。
騎士道に厚く、魔術の軽んじられるお国柄のはずなのに、何故か魔術を極めたいと、この大学に留学している。
実際、あの態度に騙されがちだが、あいつの魔力はかなり高いし、センスもいい。在籍する魔導科の中でも、僕を除けば一二を争う才能だろう。
ディーに会わせたくなくて、昨日のうちに妨害工作をしておいたのに、どうしてこうなったのか。

お前なんて早く国に帰ってしまえ!

すっかり食欲も失せて黙々と食べていると、ステファンが笑いながら僕のデザート、、、ディーに上げようと思っていたチョコプリンだった、、、をひと匙すくった。
「ステファン!」
咄嗟に手刀をかます。
あいつは頭を抱えながら、ディーに向かって顔をしかめてみせた。
「ほらね。こいつに優しさなんてあるもんか。」
「こいつはね、教授に、式を書きながら頭で展開すれば、違和感に気付くはず。出来ないなら魔術のセンスがない。しないのなら魔術を教える資格が無い、て言ったんだよ~!」

もう、言われた教授は怒りで真っ赤だし、周りの学生はやり取りに真っ青だし、、、。

ああ、そう言えばそんな事もあったな、と僕は懐かしく思い出す。
「怒った教授が、なら、お前がやってみろ!て叫んだら、こいつ、分かりました、て間違った術式を展開したんだよ。」
それは、教授が苦手で普段使わない氷系の魔法で、間違いは制御にあった為、一瞬にして教室は猛吹雪に。
その中で一人、結界の中で、間違った部分と修正方法を説明するフィン。

終わった時には、クラスのほとんどが氷漬けになり、大騒ぎとなったと。

そうだったかな?サッと説明して、すぐに治癒魔法を混ぜた温風で温めたから、実害は出なかったんだけど。

「それ以来、こいつのあだ名は氷雪のフィンさ。」
なあ?にやにやするステファン。

胡散臭いな。
僕はイヤそうな顔を向けた。
「うるさい。食べ終わったならさっさとどっか行けよ。」

「えー、俺、今度はライムンド君の話が聞きたいな~。」

やっぱり言い出したか。
現れた時から、ディーが目的な気がしたんだ。
驚いてむせたディーに水を渡しながら、
「お前、本当に早くどっか行け!」
睨みつける。

「やだよ!男とはつるまず、女の子には丁寧だけど冷たく、唯一妹ちゃんにだけ執着を見せるフィンが、突然男の子を連れて大学に来たんだ。
気になって当然だろう?」
ステファンはそう言うと、ディーの顔を覗き込んだ。

「フィンと全く似てないのに、かすかに漏れる魔力が、なんかフィンに似てる気がするんだよね~。
しかも、よく分からないけど、なんか色々掛かってない?この子。
お前の親友としても、魔導科の学生としても、すごく気になるんだよ。」
ねえ、君は何者なの?

ステファンは一見軽い口調で笑顔のままだが、目が笑ってない。
もう、強制排除しようか。
僕が手を上げかけた時。

「私ですか~?」
大学ここに来てから敢えて使っていたのだろう、バーベンベルク訛りを強調しながら、ディーがのんびり笑った。
「私はバーベンベルクでフィンさまを始め辺境伯さまご家族に代々お仕えする侍従です。」
にこっと微笑んだ。
「辺境伯さまご家族が今度帝都にいらっしゃるので、旅程のあいだ、旦那さまをお世話する為に遣わされたんですよ。」
旦那さまが田舎者の私を心配して、色々してくださってるんじゃ無いかなぁ?
にこにこ。他意のなさそうな顔で、朗らかに話すディー。

いつの間にか、会話もスムーズに出来るようになったんだな。
しみじみしていたのに。

「旦那さまって、もしかして?」
ステファンがチラッと僕を見てから、ディーに聞いた。
「フィンさまのお父上さま、ここでは魔導師団長さま。と言ったほうが宜しいですか?アルフレートさまですよ。」
ディーは、素直に説明する。
あれ、この流れは、ちょっとイヤだな。

「へぇ!!あの魔導師団長の世話?なら、本当に辺境伯家の侍従なの?」
奴の目が明らかに輝きだした。
僕の警戒心がチカチカ点滅する。 マズい。非常にマズい気がする。
会話を止めようと口を開くも一瞬遅く。

「フィンさまの下のご兄妹の幼馴染みです。」
ディーは設定の通りの説明をしてしまった。
途端にあいつは思いっきり食いついた。

「じゃあ、じゃあさ、ディアナ嬢ってどんな子なの?噂ばっかりで誰も会ったことが無いからか、可愛いとか、美人とかいうありきたりな噂の他、イカツイとか、田舎臭いとか、剣を振り回して遊ぶだけのガサツな子とか、色々あるんだよね!」

あいつはいつもの世間話の続きで聞いたのかもしれないが。

驚きの中に衝撃を受けた表情のディーを見ると、胸が痛む。
お前、僕の前で、よくそんな言葉を口にしたな!
今度こそ、強制排除しようと腕をつかもうとした時。

「俺さ、ディアナ嬢が帝都こっちに来たら、結婚を申し込もうと思ってるんだ。だから、詳しく教えて欲しいな!幼馴染み君!」

ステファンの野郎、僕の地雷を踏みやがったな!
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