75 / 241
皇宮での邂逅
この世界の秀才が集う処(後)(フィン視点)
しおりを挟む
「でさ、フィンったら、指摘された間違いを言い訳した教授になんて言ったと思う?」
「うーん。フィン・・・さまは優しいからな~、笑って聞き流したとか?」
「何それ、フィンが優しいなんて、何の冗談よ?」
ディーとステファンが楽しそうに僕の話で盛り上がっている。
本当は直ぐにも席から叩き出したいけど、
盛り上がりに水をさせなくて、あの椅子を蹴ることが出来ない。
それに、あいつは公には素性を隠してるけど、実は帝国南部と国境を接する隣国の第三王子だ。
騎士道に厚く、魔術の軽んじられるお国柄のはずなのに、何故か魔術を極めたいと、この大学に留学している。
実際、あの態度に騙されがちだが、あいつの魔力はかなり高いし、センスもいい。在籍する魔導科の中でも、僕を除けば一二を争う才能だろう。
ディーに会わせたくなくて、昨日のうちに妨害工作をしておいたのに、どうしてこうなったのか。
お前なんて早く国に帰ってしまえ!
すっかり食欲も失せて黙々と食べていると、ステファンが笑いながら僕のデザート、、、ディーに上げようと思っていたチョコプリンだった、、、をひと匙すくった。
「ステファン!」
咄嗟に手刀をかます。
あいつは頭を抱えながら、ディーに向かって顔をしかめてみせた。
「ほらね。こいつに優しさなんてあるもんか。」
「こいつはね、教授に、式を書きながら頭で展開すれば、違和感に気付くはず。出来ないなら魔術のセンスがない。しないのなら魔術を教える資格が無い、て言ったんだよ~!」
もう、言われた教授は怒りで真っ赤だし、周りの学生はやり取りに真っ青だし、、、。
ああ、そう言えばそんな事もあったな、と僕は懐かしく思い出す。
「怒った教授が、なら、お前がやってみろ!て叫んだら、こいつ、分かりました、て間違った術式を展開したんだよ。」
それは、教授が苦手で普段使わない氷系の魔法で、間違いは制御にあった為、一瞬にして教室は猛吹雪に。
その中で一人、結界の中で、間違った部分と修正方法を説明するフィン。
終わった時には、クラスのほとんどが氷漬けになり、大騒ぎとなったと。
そうだったかな?サッと説明して、すぐに治癒魔法を混ぜた温風で温めたから、実害は出なかったんだけど。
「それ以来、こいつのあだ名は氷雪のフィンさ。」
なあ?にやにやするステファン。
胡散臭いな。
僕はイヤそうな顔を向けた。
「うるさい。食べ終わったならさっさとどっか行けよ。」
「えー、俺、今度はライムンド君の話が聞きたいな~。」
やっぱり言い出したか。
現れた時から、ディーが目的な気がしたんだ。
驚いてむせたディーに水を渡しながら、
「お前、本当に早くどっか行け!」
睨みつける。
「やだよ!男とはつるまず、女の子には丁寧だけど冷たく、唯一妹ちゃんにだけ執着を見せるフィンが、突然男の子を連れて大学に来たんだ。
気になって当然だろう?」
ステファンはそう言うと、ディーの顔を覗き込んだ。
「フィンと全く似てないのに、かすかに漏れる魔力が、なんかフィンに似てる気がするんだよね~。
しかも、よく分からないけど、なんか色々掛かってない?この子。
お前の親友としても、魔導科の学生としても、すごく気になるんだよ。」
ねえ、君は何者なの?
ステファンは一見軽い口調で笑顔のままだが、目が笑ってない。
もう、強制排除しようか。
僕が手を上げかけた時。
「私ですか~?」
大学に来てから敢えて使っていたのだろう、バーベンベルク訛りを強調しながら、ディーがのんびり笑った。
「私はバーベンベルクでフィンさまを始め辺境伯さまご家族に代々お仕えする侍従です。」
にこっと微笑んだ。
「辺境伯さまご家族が今度帝都にいらっしゃるので、旅程のあいだ、旦那さまをお世話する為に遣わされたんですよ。」
旦那さまが田舎者の私を心配して、色々してくださってるんじゃ無いかなぁ?
にこにこ。他意のなさそうな顔で、朗らかに話すディー。
いつの間にか、会話もスムーズに出来るようになったんだな。
しみじみしていたのに。
「旦那さまって、もしかして?」
ステファンがチラッと僕を見てから、ディーに聞いた。
「フィンさまのお父上さま、ここでは魔導師団長さま。と言ったほうが宜しいですか?アルフレートさまですよ。」
ディーは、素直に説明する。
あれ、この流れは、ちょっとイヤだな。
「へぇ!!あの魔導師団長の世話?なら、本当に辺境伯家の侍従なの?」
奴の目が明らかに輝きだした。
僕の警戒心がチカチカ点滅する。 マズい。非常にマズい気がする。
会話を止めようと口を開くも一瞬遅く。
「フィンさまの下のご兄妹の幼馴染みです。」
ディーは設定の通りの説明をしてしまった。
途端にあいつは思いっきり食いついた。
「じゃあ、じゃあさ、ディアナ嬢ってどんな子なの?噂ばっかりで誰も会ったことが無いからか、可愛いとか、美人とかいうありきたりな噂の他、イカツイとか、田舎臭いとか、剣を振り回して遊ぶだけのガサツな子とか、色々あるんだよね!」
あいつはいつもの世間話の続きで聞いたのかもしれないが。
驚きの中に衝撃を受けた表情のディーを見ると、胸が痛む。
お前、僕の前で、よくそんな言葉を口にしたな!
今度こそ、強制排除しようと腕をつかもうとした時。
「俺さ、ディアナ嬢が帝都に来たら、結婚を申し込もうと思ってるんだ。だから、詳しく教えて欲しいな!幼馴染み君!」
ステファンの野郎、僕の地雷を踏みやがったな!
「うーん。フィン・・・さまは優しいからな~、笑って聞き流したとか?」
「何それ、フィンが優しいなんて、何の冗談よ?」
ディーとステファンが楽しそうに僕の話で盛り上がっている。
本当は直ぐにも席から叩き出したいけど、
盛り上がりに水をさせなくて、あの椅子を蹴ることが出来ない。
それに、あいつは公には素性を隠してるけど、実は帝国南部と国境を接する隣国の第三王子だ。
騎士道に厚く、魔術の軽んじられるお国柄のはずなのに、何故か魔術を極めたいと、この大学に留学している。
実際、あの態度に騙されがちだが、あいつの魔力はかなり高いし、センスもいい。在籍する魔導科の中でも、僕を除けば一二を争う才能だろう。
ディーに会わせたくなくて、昨日のうちに妨害工作をしておいたのに、どうしてこうなったのか。
お前なんて早く国に帰ってしまえ!
すっかり食欲も失せて黙々と食べていると、ステファンが笑いながら僕のデザート、、、ディーに上げようと思っていたチョコプリンだった、、、をひと匙すくった。
「ステファン!」
咄嗟に手刀をかます。
あいつは頭を抱えながら、ディーに向かって顔をしかめてみせた。
「ほらね。こいつに優しさなんてあるもんか。」
「こいつはね、教授に、式を書きながら頭で展開すれば、違和感に気付くはず。出来ないなら魔術のセンスがない。しないのなら魔術を教える資格が無い、て言ったんだよ~!」
もう、言われた教授は怒りで真っ赤だし、周りの学生はやり取りに真っ青だし、、、。
ああ、そう言えばそんな事もあったな、と僕は懐かしく思い出す。
「怒った教授が、なら、お前がやってみろ!て叫んだら、こいつ、分かりました、て間違った術式を展開したんだよ。」
それは、教授が苦手で普段使わない氷系の魔法で、間違いは制御にあった為、一瞬にして教室は猛吹雪に。
その中で一人、結界の中で、間違った部分と修正方法を説明するフィン。
終わった時には、クラスのほとんどが氷漬けになり、大騒ぎとなったと。
そうだったかな?サッと説明して、すぐに治癒魔法を混ぜた温風で温めたから、実害は出なかったんだけど。
「それ以来、こいつのあだ名は氷雪のフィンさ。」
なあ?にやにやするステファン。
胡散臭いな。
僕はイヤそうな顔を向けた。
「うるさい。食べ終わったならさっさとどっか行けよ。」
「えー、俺、今度はライムンド君の話が聞きたいな~。」
やっぱり言い出したか。
現れた時から、ディーが目的な気がしたんだ。
驚いてむせたディーに水を渡しながら、
「お前、本当に早くどっか行け!」
睨みつける。
「やだよ!男とはつるまず、女の子には丁寧だけど冷たく、唯一妹ちゃんにだけ執着を見せるフィンが、突然男の子を連れて大学に来たんだ。
気になって当然だろう?」
ステファンはそう言うと、ディーの顔を覗き込んだ。
「フィンと全く似てないのに、かすかに漏れる魔力が、なんかフィンに似てる気がするんだよね~。
しかも、よく分からないけど、なんか色々掛かってない?この子。
お前の親友としても、魔導科の学生としても、すごく気になるんだよ。」
ねえ、君は何者なの?
ステファンは一見軽い口調で笑顔のままだが、目が笑ってない。
もう、強制排除しようか。
僕が手を上げかけた時。
「私ですか~?」
大学に来てから敢えて使っていたのだろう、バーベンベルク訛りを強調しながら、ディーがのんびり笑った。
「私はバーベンベルクでフィンさまを始め辺境伯さまご家族に代々お仕えする侍従です。」
にこっと微笑んだ。
「辺境伯さまご家族が今度帝都にいらっしゃるので、旅程のあいだ、旦那さまをお世話する為に遣わされたんですよ。」
旦那さまが田舎者の私を心配して、色々してくださってるんじゃ無いかなぁ?
にこにこ。他意のなさそうな顔で、朗らかに話すディー。
いつの間にか、会話もスムーズに出来るようになったんだな。
しみじみしていたのに。
「旦那さまって、もしかして?」
ステファンがチラッと僕を見てから、ディーに聞いた。
「フィンさまのお父上さま、ここでは魔導師団長さま。と言ったほうが宜しいですか?アルフレートさまですよ。」
ディーは、素直に説明する。
あれ、この流れは、ちょっとイヤだな。
「へぇ!!あの魔導師団長の世話?なら、本当に辺境伯家の侍従なの?」
奴の目が明らかに輝きだした。
僕の警戒心がチカチカ点滅する。 マズい。非常にマズい気がする。
会話を止めようと口を開くも一瞬遅く。
「フィンさまの下のご兄妹の幼馴染みです。」
ディーは設定の通りの説明をしてしまった。
途端にあいつは思いっきり食いついた。
「じゃあ、じゃあさ、ディアナ嬢ってどんな子なの?噂ばっかりで誰も会ったことが無いからか、可愛いとか、美人とかいうありきたりな噂の他、イカツイとか、田舎臭いとか、剣を振り回して遊ぶだけのガサツな子とか、色々あるんだよね!」
あいつはいつもの世間話の続きで聞いたのかもしれないが。
驚きの中に衝撃を受けた表情のディーを見ると、胸が痛む。
お前、僕の前で、よくそんな言葉を口にしたな!
今度こそ、強制排除しようと腕をつかもうとした時。
「俺さ、ディアナ嬢が帝都に来たら、結婚を申し込もうと思ってるんだ。だから、詳しく教えて欲しいな!幼馴染み君!」
ステファンの野郎、僕の地雷を踏みやがったな!
11
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる