帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

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皇宮での邂逅

エピソードIII人であるか否か、、、フィン兄さまは懊悩中

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ディーが僕の部屋で寝てしまった。

寝顔はライムンドなのが残念だ。
でも、しばらく一緒に居ると、漏れ出す魔力を通じて、僕の魔力が、これはディアナだと認識するようになるから、実はそんなに違和感はない。

ステファンに邪魔されながらお昼を食べた後、、、チョコプリンを買い直したら、ディーはとても喜んでいた、、、僕の普段居る研究室(もちろん、昨日のうちに用事を作って、他の奴らは出払っている)を案内したり、疲れるとよく行く研究棟の裏手の木立(バーベンベルクの二人の秘密基地によく似てるわ、と言われて嬉しかった。実は僕もそう思って来ている) を見せたりした。

そのうち欠伸をしたので、一休みしようと学生寮の部屋に連れて来たら、またはしゃいだ挙句、ちょっと目を離したすきに、ベッドで丸くなっていた。

気が付けば夏の長い日が暮れようとしている。
「入って来いよ。」
窓を開けると、一話の鳩が飛び込んできて、僕の机に降りた。

「やっと話せる!」
エルンストの悲鳴のような声がして、僕は思わずニヤリとしてしまった。
ディーとの時間を邪魔されたくなくて、使い魔が入れない結界を作っていたのだ。
今この瞬間、父上以外の、なら、世界中の誰と競っても、魔術で負ける気がしない。

「早く帰って来て下さいよ~。団長がもう、拗ねて拗ねて拗ねて、このままじゃ辺境伯をお呼びするしか手が無いのでは、て言うくらい仕事を放棄して拗ねてるんです。」
こいつ、一息で拗ねてるを四回も。
父上は今日一日、一体何をやっていたんだ。

仕方ない。ディーも寝てしまったし、父上に話もあるし、会いに行くか。

でも。

「ディーがはしゃぎ過ぎて、疲れて寝てしまったんだ。折角だから僕も添い寝してから行く。話す事もあるから、その前に今日やるべき事はやるように、父上に伝えておいてくれ。」

一方的に言うと、鳩の頭を撫で、帰るよう促した。
軽く頷くと、サッと飛び立って行く鳩。父上の創る使い魔は本当に賢いな。
大学で創っているものはこうは行かない。

あーあ。

僕は眠っているディーの隣にゴロリと横になると、溜め息をついた。
ライムンドの顔をしたディーの鼻を、ちょんちょんつついてみる、、、起きないか。

一人だとつい考えてしまう。

僕は、大学一の秀才だ。
新たに学ぶ事はほとんど無く、自分のレベルや、今の魔導師のレベルを確認するために在籍している。
二年居て分かったのは、僕は人としては有り得ないくらいの魔力を持つと言う事。

でも。

、なんだよな・・・」

父上や、、、ディーとは、比べ物にならない。
高さに例えれば、一般の魔導師達が帝都の民家や、せいぜい皇宮とすれば、僕は天究の塔。
群を抜いて高いけど、人が作れるレベルだ。
一方父上やディーは、バーベンベルクの北方に聳える国境の山脈のようだ。

人のレベルでは無い。
その事に気付いた時、、、僕は、その差に気付いてしまう、己の魔力の高さを呪った。
そして同時に、その他大勢の人である事に安心したのだ。

でも、今日、、、。

僕はキレそうになった。
ステファンが驚いていたけど、当然だ。
どんなに怒り、嘆いても、『人』は魔力と感情を一体化させて暴発したりしない。
せいぜい、感情の振り幅が大きくなるくらいだ。


僕は、人だと思って生きてきたけれど。
万能に見える父上の能力を羨みながらも、人である事に安心し、ディーを心配だと思いながらも、自分は違うと安心していたけれど。


僕も、、、人では無いのだろうか?
それは一体、何を意味して、どんな生を覚悟しなくてはいけないのか。

知っているのは父上だけだ。

聞けば、答えてくれるのだろうか?
それとも、自分で考えろと突き放されるのか?

僕は覚悟を決めるまで、ディーの安らかな寝息を聞きながら、ベッドに横たわっていた。

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