77 / 241
皇宮での邂逅
エピソードIII人であるか否か、、、フィン兄さまは懊悩中
しおりを挟む
ディーが僕の部屋で寝てしまった。
寝顔はライムンドなのが残念だ。
でも、しばらく一緒に居ると、漏れ出す魔力を通じて、僕の魔力が、これはディアナだと認識するようになるから、実はそんなに違和感はない。
ステファンに邪魔されながらお昼を食べた後、、、チョコプリンを買い直したら、ディーはとても喜んでいた、、、僕の普段居る研究室(もちろん、昨日のうちに用事を作って、他の奴らは出払っている)を案内したり、疲れるとよく行く研究棟の裏手の木立(バーベンベルクの二人の秘密基地によく似てるわ、と言われて嬉しかった。実は僕もそう思って来ている) を見せたりした。
そのうち欠伸をしたので、一休みしようと学生寮の部屋に連れて来たら、またはしゃいだ挙句、ちょっと目を離したすきに、ベッドで丸くなっていた。
気が付けば夏の長い日が暮れようとしている。
「入って来いよ。」
窓を開けると、一話の鳩が飛び込んできて、僕の机に降りた。
「やっと話せる!」
エルンストの悲鳴のような声がして、僕は思わずニヤリとしてしまった。
ディーとの時間を邪魔されたくなくて、使い魔が入れない結界を作っていたのだ。
今この瞬間、父上以外の、人間なら、世界中の誰と競っても、魔術で負ける気がしない。
「早く帰って来て下さいよ~。団長がもう、拗ねて拗ねて拗ねて、このままじゃ辺境伯をお呼びするしか手が無いのでは、て言うくらい仕事を放棄して拗ねてるんです。」
こいつ、一息で拗ねてるを四回も。
父上は今日一日、一体何をやっていたんだ。
仕方ない。ディーも寝てしまったし、父上に話もあるし、会いに行くか。
でも。
「ディーがはしゃぎ過ぎて、疲れて寝てしまったんだ。折角だから僕も添い寝してから行く。話す事もあるから、その前に今日やるべき事はやるように、父上に伝えておいてくれ。」
一方的に言うと、鳩の頭を撫で、帰るよう促した。
軽く頷くと、サッと飛び立って行く鳩。父上の創る使い魔は本当に賢いな。
大学で創っているものはこうは行かない。
あーあ。
僕は眠っているディーの隣にゴロリと横になると、溜め息をついた。
ライムンドの顔をしたディーの鼻を、ちょんちょんつついてみる、、、起きないか。
一人だとつい考えてしまう。
僕は、大学一の秀才だ。
新たに学ぶ事はほとんど無く、自分のレベルや、今の魔導師のレベルを確認するために在籍している。
二年居て分かったのは、僕は人としては有り得ないくらいの魔力を持つと言う事。
でも。
「人としては、なんだよな・・・」
父上や、、、ディーとは、比べ物にならない。
高さに例えれば、一般の魔導師達が帝都の民家や、せいぜい皇宮とすれば、僕は天究の塔。
群を抜いて高いけど、人が作れるレベルだ。
一方父上やディーは、バーベンベルクの北方に聳える国境の山脈のようだ。
人のレベルでは無い。
その事に気付いた時、、、僕は、その差に気付いてしまう、己の魔力の高さを呪った。
そして同時に、その他大勢の人である事に安心したのだ。
でも、今日、、、。
僕はキレそうになった。
ステファンが驚いていたけど、当然だ。
どんなに怒り、嘆いても、『人』は魔力と感情を一体化させて暴発したりしない。
せいぜい、感情の振り幅が大きくなるくらいだ。
僕は、人だと思って生きてきたけれど。
万能に見える父上の能力を羨みながらも、人である事に安心し、ディーを心配だと思いながらも、自分は違うと安心していたけれど。
僕も、、、人では無いのだろうか?
それは一体、何を意味して、どんな生を覚悟しなくてはいけないのか。
知っているのは父上だけだ。
聞けば、答えてくれるのだろうか?
それとも、自分で考えろと突き放されるのか?
僕は覚悟を決めるまで、ディーの安らかな寝息を聞きながら、ベッドに横たわっていた。
寝顔はライムンドなのが残念だ。
でも、しばらく一緒に居ると、漏れ出す魔力を通じて、僕の魔力が、これはディアナだと認識するようになるから、実はそんなに違和感はない。
ステファンに邪魔されながらお昼を食べた後、、、チョコプリンを買い直したら、ディーはとても喜んでいた、、、僕の普段居る研究室(もちろん、昨日のうちに用事を作って、他の奴らは出払っている)を案内したり、疲れるとよく行く研究棟の裏手の木立(バーベンベルクの二人の秘密基地によく似てるわ、と言われて嬉しかった。実は僕もそう思って来ている) を見せたりした。
そのうち欠伸をしたので、一休みしようと学生寮の部屋に連れて来たら、またはしゃいだ挙句、ちょっと目を離したすきに、ベッドで丸くなっていた。
気が付けば夏の長い日が暮れようとしている。
「入って来いよ。」
窓を開けると、一話の鳩が飛び込んできて、僕の机に降りた。
「やっと話せる!」
エルンストの悲鳴のような声がして、僕は思わずニヤリとしてしまった。
ディーとの時間を邪魔されたくなくて、使い魔が入れない結界を作っていたのだ。
今この瞬間、父上以外の、人間なら、世界中の誰と競っても、魔術で負ける気がしない。
「早く帰って来て下さいよ~。団長がもう、拗ねて拗ねて拗ねて、このままじゃ辺境伯をお呼びするしか手が無いのでは、て言うくらい仕事を放棄して拗ねてるんです。」
こいつ、一息で拗ねてるを四回も。
父上は今日一日、一体何をやっていたんだ。
仕方ない。ディーも寝てしまったし、父上に話もあるし、会いに行くか。
でも。
「ディーがはしゃぎ過ぎて、疲れて寝てしまったんだ。折角だから僕も添い寝してから行く。話す事もあるから、その前に今日やるべき事はやるように、父上に伝えておいてくれ。」
一方的に言うと、鳩の頭を撫で、帰るよう促した。
軽く頷くと、サッと飛び立って行く鳩。父上の創る使い魔は本当に賢いな。
大学で創っているものはこうは行かない。
あーあ。
僕は眠っているディーの隣にゴロリと横になると、溜め息をついた。
ライムンドの顔をしたディーの鼻を、ちょんちょんつついてみる、、、起きないか。
一人だとつい考えてしまう。
僕は、大学一の秀才だ。
新たに学ぶ事はほとんど無く、自分のレベルや、今の魔導師のレベルを確認するために在籍している。
二年居て分かったのは、僕は人としては有り得ないくらいの魔力を持つと言う事。
でも。
「人としては、なんだよな・・・」
父上や、、、ディーとは、比べ物にならない。
高さに例えれば、一般の魔導師達が帝都の民家や、せいぜい皇宮とすれば、僕は天究の塔。
群を抜いて高いけど、人が作れるレベルだ。
一方父上やディーは、バーベンベルクの北方に聳える国境の山脈のようだ。
人のレベルでは無い。
その事に気付いた時、、、僕は、その差に気付いてしまう、己の魔力の高さを呪った。
そして同時に、その他大勢の人である事に安心したのだ。
でも、今日、、、。
僕はキレそうになった。
ステファンが驚いていたけど、当然だ。
どんなに怒り、嘆いても、『人』は魔力と感情を一体化させて暴発したりしない。
せいぜい、感情の振り幅が大きくなるくらいだ。
僕は、人だと思って生きてきたけれど。
万能に見える父上の能力を羨みながらも、人である事に安心し、ディーを心配だと思いながらも、自分は違うと安心していたけれど。
僕も、、、人では無いのだろうか?
それは一体、何を意味して、どんな生を覚悟しなくてはいけないのか。
知っているのは父上だけだ。
聞けば、答えてくれるのだろうか?
それとも、自分で考えろと突き放されるのか?
僕は覚悟を決めるまで、ディーの安らかな寝息を聞きながら、ベッドに横たわっていた。
11
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる