帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

文字の大きさ
88 / 241
皇宮での邂逅

転移門を使ってみました。

しおりを挟む
「では、行くよ。せっかくだから、この転移門を使ってみようか?」
父さまが、魔導師像を見つめながら言った。なんだかちょっと懐かしそう。
「使ったこと、あるの?父さま?」

聞いてみると、ああ、と頷かれた。
「これは、本当に昔からあって、、、。初代魔導師団長、この像のモデルなんだけど、が作ったものなんだ。そして、この敷地内で私が手を加えてない、数少ない魔術式だよ。」
想いのこもった、良い術式だ。父さまは感慨深げに転移門を見てるけど。

初代魔導師団長、て、ことは。
建国の英雄兄弟と共にオストマルク帝国を興した、謎多き『黒の魔導師』?
初代魔導師団長ってことになってるけど、建国してすぐに姿を消したから、実際は団長の地位に就いてないって、、、。一昨日お昼を食堂で食べた時に、魔導師団長あるあるで聞いたけど?

父さまに聞くと、ああ、となんでもないことのように言われた。
「本当に一瞬だけど、団長をしていたらしいよ。」
ちょっと煩わしいことがあって、もう建国したし良いか、と辞めちゃったって。

そうなんだ!・・・て、え?なんでそんな、直接聞きました、みたいな言い方するの?
じーっと見つめてみたけど、父さまは知らん顔してる。
こう言うときは絶対教えてくれないんだよね、、、。
まあ、団長だけに伝わる話っていうのもステキだから、今度ご機嫌な時に聞いてみよう!

それより。

「行こう。父さま」
「ああ。向こうはこの間行った噴水のある庭園だ。覚えてる?」
「うん、わたしも一人でやってみる!」
「分かった。もし何処かへ飛んでいきそうなら、私が連れ戻すから、安心してやってごらん。」
ありがとう、父さま。この安心感、たまらないわ!
冷たい石板に指先を当てて、目を瞑り木立に囲まれた噴水を思い浮かべる。

フッと浮き上がる感じがして。
次の瞬間、私は噴水の庭園にいた。



わぁ!
嬉しくて思わず声を上げてしまい、慌てて辺りを見回す。

「大丈夫。もう君の周りには結界が張ってあるから。」
すぐ隣で声がして見上げると、父さまが何でもないことのように言った。
「私と君の姿は他の人には見えないし、話も聞こえない。でも、他の人の姿は見えるし話は聞こえるから、まあ、ぶつからないようにだけ、気を付けなさい。」
「はい!」
「とりあえず一緒に動こう。もし万が一はぐれても、私がすぐ見つけるから心配しないで。」
でも、それでも心配だったり困った時には、、、ここで待ってなさい。
そう言って父さまは、噴水の一部分を指差した。
皇帝家の獅子の紋章がある。
「ここに触れて、今と同じように、今度はあの魔導師像を思い浮かべる。そうしたら魔導師団に帰れるから。待つのも嫌な時や、本当に一人で困ったら、帰っていなさい。」

父さまと離れるつもりはないけど、こうやって、万が一のことも考えてくれるから、本当に安心。
私は父さまの腕にグリグリ頭を押し付けた。
「父さまが母さまのものじゃなかったら、絶対お嫁さんにしてもらうのになぁ~。」
「グッ」
頭上で息が詰まる音がした。
「・・・ディー、父さまはディーをお嫁さんにはもらえないけど、誰かに渡すのもイヤだ。もう、バーベンベルクに帰っちゃおうか。」
父さまの切なそうな声がする。
いやいや、せっかく母さまたちも帝都に来るんだから、こっちでも楽しい思い出を作ろうよ!
私はパッと顔を上げると、父さまの腕を引っ張った。
「ううん、バーベンベルクには帰らない。ここで父さまと、秘密の冒険をするのよ!」
ね、まずはこの庭園から出てみよう?

あそこが出入口かな?
私が木立に消える小径を目指すと、父さまは。
ディーらしいね、と言いながら、がっくりと項垂れた。
しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...