帝国最強(最凶)の(ヤンデレ)魔導師は私の父さまです

波月玲音

文字の大きさ
105 / 241
皇宮での邂逅

老執事マルティンの質問I

しおりを挟む
しばらく空いてしまったので、ざっくりあらすじを。

バーベンベルク女辺境伯と魔導師団長の末娘ディアナは、帝室が渇望していた黄金の瞳と、父親譲りの人外の魔力を持つ女の子。
長兄の大学卒業・騎士叙任を祝うため、生まれて初めて家族と帝都に行くことになったけれど、事情により、変装して予定より一足早く父親と帝都に滞在中。
お仕事をしながら従兄弟や伯父と会ったり、魔導師団の皆さんと仲良くなったり、次兄と出かけて隣国の王子と知り合いになったり、、、。

中でも一番深く関わったのは、皇宮の探検で知り合った男の子達。彼らはお互い知らされてないけれど、ディアナの婚約者候補だった。
仲良くなれそうな子もいたのに、変装しているディアナに意地悪してくる子がいて、結局友人にはなれずじまい。

しかも、自分の帝都での評判があまり良くない事を知ってしまったディアナは帝都での社交に自信がなくなる。
そんな彼女に父親は皇太子が主催する貴族子弟のお茶会を覗くことを提案。二人は姿を隠してお茶会に潜入する。

一方、変装したディアナに意地悪をした張本人である皇太子は、諸般の事情から、ディアナに選ばれて婚約しなければ皇太子の座を追われるかもしれないこと、それなのに、意地悪をした相手がディアナであることを知り、追い込まれる。
打つ手を思いつけない皇太子が頼ったのは皇太子宮に勤めて五十余年の執事だった。

変装したディアナと出会ってからの事を包み隠さず話し、助力を乞う皇太子に、老執事のマルティンは協力を約束。今後の方策を考えるために質問を始めた。





「まずは、殿下が、悪夢を見始めた日ですが、いつか、を覚えていらっしゃいますか?」
さっき思い出したよな、、、。
思いつつ考える。
ああ、あれは、、、!
「お昼時に奇妙な地震があっただろう?あの日だ。」
「ああ、あの・・・」
マルティンが頷くのを見ながら、俺は更に記憶を手繰り寄せる。
「そうだ、侍従見習いに手を出したのも、あの日だ。」
お昼前に侍従見習いとの一件があり、その後風呂に入っていたら地震があった。
その晩から悪夢が続いている。
そう、捕捉すると。
「ああ、それで・・・やっと分かりました。」
マルティンの目がキラッと光ったような気がした。
そのまま考え込んでいる。

「他には?こうなった以上何でも答えるぞ。」
まあ、お前は俺の事は何でも知ってるがな。
そう笑うと、マルティンは生真面目な顔のまま、そうでもございません、と返してきた。
「二、三年前の殿下ならともかく、日々大人への成長著しい今の殿下は、私には謎だらけでございますよ。」
「そんなもんだろうか?」
自分で上手くいかないことが多くて、もがいてるだけだけどな。
「ええ。特に殿下のお気持ちは、私のみならず、おそらく殿下ご自身もハッキリとお分かりではないかと。」
自分の気持ち?
「それはないだろう?」
俺は首を傾げた。
「俺の気持ちだろう?流石に、俺が分からない訳が無い。」

そう言うと。
マルティンが、思いもかけないことを聞いていた。
「では、お尋ねしますが?
殿下はディアナ嬢に対して、お気持ちを頂きたい相手、と言う以外にどのような感情をお持ちですか?」

ディアナ嬢に対する気持ち。
攻略対象と言えば身も蓋も無いが、現状の俺にとってはそれ以外に表しようがない。
そもそも俺は彼女に個人的に興味を持ったことがないしな。
社交の場でもほとんど話題に上ることは無いし、あってもどちらかと言うと良い噂ではなかった気がする。
魔導師団長の娘と言う事では嫌っていたし、その事はもうマルティンに伝えた筈だ。

「多少の噂は耳に入れたが、あまり良いものでも無かったし。考えた事が無いな。」
そう言うと。
マルティンは当然のように、では今考えなされませ、と言いだした。
うーん。そんな事、急に言われてもなあ、、、。
うんうん唸りだした俺に、マルティンは微かに笑んで話しかける。。
「先ほどの陛下や宰相閣下とのお話の時も何も考えませんでしたか?ディアナ嬢は魔導師団長アルフレート殿の血筋を色濃く継がれたご令嬢ですが、お姿はバーベンベルクの辺境伯によく似ていらっしゃると、宰相閣下も仰せでしたね。」

そう言えばそんな話をしたな。
あの魔導師団長に似ていたら、いくら美しかろうがとても微笑んで挨拶なんか出来ないと思ったから、さっきはほっとした。

そして、外見は辺境伯似と聞いて、思い出した辺境伯の姿を思い浮かべたんだ、、、あの紅髪に、あの華やかな顔立ちに、希少な黄金の瞳の眼差しを、、、。
うん、外見は、まあ、わりとましかもしれない。少なくとも、会っても顔をしかめずに済みそうだ。
だが、それをマルティンに言うのは何だか癪に障る。
「・・・随分派手なご令嬢だな。」
俺が仏頂面で言うと。
マルティンは微かに苦笑した。
「お言葉がお心内を正確に表してはいない様ですね。やはり殿下のお気持ちを慮るのは難しうございます。」
いや、分かってるだろ。その科白は。
俺が心の中で突っ込んでいると、マルティンはそのまま言葉を続けた。
「ディアナ嬢のお姿が殿下のお好みに非常に沿うのは分かりましたが、ご性格などはいかがでしたか?意地悪をされたとおっしゃいましたね。お話しはされましたか?どのような点がお気に召さなかったのでしょう?」

非常に沿うってなんだ!
前半の言葉に内心悶えながら、俺は後半の質問の内容にハッと気持ちを引き締めた。
しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...