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皇宮での邂逅
老執事マルティンの質問Ⅱ
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老執事マルティンに、ディアナ嬢に意地悪をしたのはなぜかと問われ、俺はその内容に違和感を感じ気を引き締めた。
今、なんて言った?俺がディアナ嬢に意地悪しただと?俺がいじめたのはディアナ嬢の幼馴染だという侍従見習いだ。さっきもそう話したはずだ。
俺は頭をフル回転させて宰相の爆弾発言から今の今までのマルティンとの会話を確認し直す。
いや、そんな話は出ていない、、、俺の説明が拙くて勘違いさせたのか?
「マルティン、俺がいじめたのはディアナ嬢ではない、その幼馴染みだという侍従見習いだ。まあ、もちろん幼馴染みを攻撃されたら、会う前からいい印象は持たれないだろうが・・・ただ、ディアナ嬢本人に会った事はないぞ?」
再度説明するも、マルティンの表情は何も変わらない。いや、微かだった苦笑が少し深まった?
「殿下、まだお気づきになられないので?」
そう、言われても、、、。
戸惑う俺に一呼吸おいてから、マルティンはさらりと爆弾投下した。
「殿下のおいたなさったバーベンベルクの侍従見習い。その方はほぼ間違いなく、ディアナ嬢ご本人でございますよ。」
「・・・は?」
「お気づきにはなりませんでしたか?」
淡々と続けられたが、、、俺の頭は真っ白で、言葉が耳を上滑りする。
「ま、さか・・・あの、細っこいのが?」
回らない頭を必死で動かして、侍従見習いの姿を思い出す。
すばしこかったが、身体の線が細くて目立たない地味な顔立ちだった。それに、、、
「髪も、瞳も茶色だったぞ?それに、声もけっこう低かった・・・あれが変装だというのか?」
この老執事が無駄な嘘を吐かない事を、俺は良く知っている。だが、いくら何でも、あれが令嬢とは思えない。
俺が懐疑的な目を向けると、マルティンは少し残念そうに微笑んだ。
「あの魔導師団長殿が関わっているのです。姿や声を変えるなど、何という事もないはず。単に都合がいいから侍従見習いの姿を借りたのでしょう。むしろ、注目すべきはあの地震でございますよ。」
「地震・・・あの変な地震か!?」
驚く俺を見て、マルティンはああそう言えば、とうなずいた。
「失礼いたしました。殿下にはまだお知らせしていなかったですね。先ほど殿下のお話しにも出た先日の地震、あれは魔導師団長殿の起こしたものです。」
「起こした・・・地震を・・・まさか、魔力の暴走?」
知識としては知っているが、まさか本当にそんなことがあるのだろうか?
半信半疑で答えた俺に、だが、マルティンは当然のようにうなずいた。
「そうです。そして、詳細は省きますが、陛下を始め皇宮の主だった方々は、あれが魔導師団長殿が起こしたものだと知っております。もちろん私も。ただ、私は一介の執事、知らされることも無いので、原因が分からなかったのですが・・・先ほど殿下のお話を聞いて分かりました。」
「魔導師団長殿は殿下もご存じの通り、そもそも、ご自分の極親しい方にしか感情を動かされません。殿下のおいたのレベルから考えるに、家族、それも、辺境伯殿か愛娘殿以外では怒りで魔力を暴発させることは無いでしょう。とすると、どんなに状況的に有り得なくても、傷付いたのは辺境伯かディアナ嬢ご本人。諸般の状況から、この場合はディアナ嬢とみるべきです。」
そんな、、、。でも、マルティンが嘘を吐くとは思えないし、説明も筋が通ってる。
頭を、早く、切り替えなければ。
「分かった・・・つまり、俺は、単にディアナ嬢をいじめて傷つけただけでなく、魔導師団長の逆鱗にも触れたのだな?」
真剣な顔で言った俺を見て、話を受け入れた事を理解したのだろう。マルティンは微笑してから言葉を続けた。
「残念ながら、そういうことになりますね。そこで、殿下に再度伺いたいのです。ディアナ嬢のどこがお気に召さなかったのでしょう?私には好ましい、少なくとも我儘ではない常識的な人物に思われるのですが?」
今、なんて言った?俺がディアナ嬢に意地悪しただと?俺がいじめたのはディアナ嬢の幼馴染だという侍従見習いだ。さっきもそう話したはずだ。
俺は頭をフル回転させて宰相の爆弾発言から今の今までのマルティンとの会話を確認し直す。
いや、そんな話は出ていない、、、俺の説明が拙くて勘違いさせたのか?
「マルティン、俺がいじめたのはディアナ嬢ではない、その幼馴染みだという侍従見習いだ。まあ、もちろん幼馴染みを攻撃されたら、会う前からいい印象は持たれないだろうが・・・ただ、ディアナ嬢本人に会った事はないぞ?」
再度説明するも、マルティンの表情は何も変わらない。いや、微かだった苦笑が少し深まった?
「殿下、まだお気づきになられないので?」
そう、言われても、、、。
戸惑う俺に一呼吸おいてから、マルティンはさらりと爆弾投下した。
「殿下のおいたなさったバーベンベルクの侍従見習い。その方はほぼ間違いなく、ディアナ嬢ご本人でございますよ。」
「・・・は?」
「お気づきにはなりませんでしたか?」
淡々と続けられたが、、、俺の頭は真っ白で、言葉が耳を上滑りする。
「ま、さか・・・あの、細っこいのが?」
回らない頭を必死で動かして、侍従見習いの姿を思い出す。
すばしこかったが、身体の線が細くて目立たない地味な顔立ちだった。それに、、、
「髪も、瞳も茶色だったぞ?それに、声もけっこう低かった・・・あれが変装だというのか?」
この老執事が無駄な嘘を吐かない事を、俺は良く知っている。だが、いくら何でも、あれが令嬢とは思えない。
俺が懐疑的な目を向けると、マルティンは少し残念そうに微笑んだ。
「あの魔導師団長殿が関わっているのです。姿や声を変えるなど、何という事もないはず。単に都合がいいから侍従見習いの姿を借りたのでしょう。むしろ、注目すべきはあの地震でございますよ。」
「地震・・・あの変な地震か!?」
驚く俺を見て、マルティンはああそう言えば、とうなずいた。
「失礼いたしました。殿下にはまだお知らせしていなかったですね。先ほど殿下のお話しにも出た先日の地震、あれは魔導師団長殿の起こしたものです。」
「起こした・・・地震を・・・まさか、魔力の暴走?」
知識としては知っているが、まさか本当にそんなことがあるのだろうか?
半信半疑で答えた俺に、だが、マルティンは当然のようにうなずいた。
「そうです。そして、詳細は省きますが、陛下を始め皇宮の主だった方々は、あれが魔導師団長殿が起こしたものだと知っております。もちろん私も。ただ、私は一介の執事、知らされることも無いので、原因が分からなかったのですが・・・先ほど殿下のお話を聞いて分かりました。」
「魔導師団長殿は殿下もご存じの通り、そもそも、ご自分の極親しい方にしか感情を動かされません。殿下のおいたのレベルから考えるに、家族、それも、辺境伯殿か愛娘殿以外では怒りで魔力を暴発させることは無いでしょう。とすると、どんなに状況的に有り得なくても、傷付いたのは辺境伯かディアナ嬢ご本人。諸般の状況から、この場合はディアナ嬢とみるべきです。」
そんな、、、。でも、マルティンが嘘を吐くとは思えないし、説明も筋が通ってる。
頭を、早く、切り替えなければ。
「分かった・・・つまり、俺は、単にディアナ嬢をいじめて傷つけただけでなく、魔導師団長の逆鱗にも触れたのだな?」
真剣な顔で言った俺を見て、話を受け入れた事を理解したのだろう。マルティンは微笑してから言葉を続けた。
「残念ながら、そういうことになりますね。そこで、殿下に再度伺いたいのです。ディアナ嬢のどこがお気に召さなかったのでしょう?私には好ましい、少なくとも我儘ではない常識的な人物に思われるのですが?」
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