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帝都のひと夏
男子部屋にてⅠ(ルー視点)
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「あーあ、ディアナちゃんと一緒だと思って、あれこれ楽しみにしてたのになぁ!」
晩餐の後早々に引きあげてきた部屋で、追い出すようにメイドを引き取らせると。
マクシミリアン殿下はソファにだらしなく座ってぶつぶつ言い出した。
俺は聞き流してサッサと寝支度を整える。
こいつはずーっと快適な馬車だったから疲れてないだろうが、俺は強行軍の後のベッドだ。
今日ばかりは何の警戒もせずにひたすら寝たい。
だが、その前に。
俺はソファの殿下をちょいちょい手招きした。
「ん?」
目だけは俺の動きを捉えたものの、動く気配が無い。
ここではライなんだって、何度言えば分かるんだ。
「こんな仕付けのなってない侍従は必要無いから追い出・・・」
「イヤですよ、ルーファス様!何かご用ですか?」
サッと立ち上がって胡散臭い笑みを浮かべる。
ライはそんな笑い方しないぞ!
まあ、良いけど。
近づいて来るのを見計らってガシッと腕を掴むと、腕輪をはめる。
「!?」
一瞬柔らかな光を放った後、何事も無かったかのように鈍く光る金属製の腕輪を見て。
「やられた!」
殿下はチッと舌打ちをした。
俺は思わずニヤリと笑う。
失礼な。
防御策ってものだよ。
そのままやさしく腕輪ごと殿下の手首を撫でてやる。
「マクシミリアン殿下は我が妹に大層ご執心だ。しかし、あの子はまだ幼くてね、思春期後半の、悪い遊びを覚えた男の子の餌食にする訳にはいかないんですよ。」
「うへえ、気持ち悪いな、手、離せよ。俺はどんなに綺麗でも男には興味無いんだ!」
またも失礼な。俺だってそうだ。
俺はサッと手を離すとにっこりと微笑んだ。
「俺もですよ、殿下・・・ところで、普段の殿下はご自分を俺、と言われるんですね。僕、などと言われるより遥かにその方が貴方らしい・・・そんな悪ガキな殿下に、一言お伝えすることがあります。いいですか?」
ここで表情も口調も改める。
「この腕輪は帝国魔導師団長特製だ。単なる魔力封じの腕輪だと思ってるだろうが、違うからな。監視機能と拘束機能が付いている。お前はどこにいても俺たちの目からは逃れられないし、今後ディアナに手が届く距離より近づくと、自動でお前の運動機能が停止するようになる。」
「あ?運動機能が停止って、どういうことだ?動けなくなるってことか?」
「初めは手足の筋肉が強張るだけだが、無理に近づこうとすると、徐々にその他の器官にも効力が及ぶようになるそうだ。どういう事か、分かるか?」
「・・・」
「最後には脳や心臓も止まるってことだよ。」
「!まさか、帝国皇帝の甥でユランの王子の俺に・・・」
蒼ざめながらも強がるマクシミリアン殿下。こいつ甘いな。情報収集不足にも程がある。
「父上にそんなのが通じるものか。自国の皇帝陛下でさえ呼び捨てなのに。お前がここで生かされているのは、ディアナが口添えし、母上が許容したからにすぎない・・・これ以上、何かしてみろ。お前、人々の記憶事、存在を消されるぞ。」
これで大人しくなれば発動しないんだが。
様子を観察していると。
状況はすぐに理解したらしいこいつは、「クソッ」と小さく吐き捨てたのち、、、ニヤリとした。
「いいよいいよ、七日経って俺の部下が来さえすれば、本来の姿と身分でディアナちゃんに会えるんだ。お前達だって、まさか正規のルートで会おうというのを止めることはしないだろう?」
「状況によるがな。」
冷たく返したのに全然堪えないで、それで良いよ、充分さ、と嘯く殿下。
「居城で大事に育てられた世間知らずのご令嬢なんて、すぐ落とせる。」
すぐに、兄なんかより俺が良くなるさ。
にやにや笑うのがライなだけに違和感が半端ない。
ディアナをユランごとき田舎の国の令嬢と一緒にするな!
一瞬カッとなったが、黙って睨むだけとする。
俺が挑発に乗らないのをどう思ったのか、こいつは益々調子に乗ってきた。
「それまでは精々、今まで通り楽しませてもらうよ。どんな表情を思い出そうかなぁ。毎晩鏡の前で試したから、七日くらいすぐ過ぎそう・・・」
やっぱり懲りてなかったか。
この発言を引き出して。
俺は思わずほくそ笑んだ。
お仕置き出来そうですよ、父上。
笑いを堪えるために俯くと。
「おっと、これは失言。もうしないって言ったっけ。でもさ、俺が何をおかずにしているかなんて、誰にも分かりゃしないだろ・・・あれ?怒らないの?え、笑ってる?」
何で笑うんだ?
殿下が首を傾げた瞬間。腕輪がポゥッと光った。
発動を確認し、俺は耐えきれずに大笑いする。
ほんとに情報収集不足だよな。
お前は、お前の頭の中なんて丸裸に出来る人を、怒らせたんだよ。
晩餐の後早々に引きあげてきた部屋で、追い出すようにメイドを引き取らせると。
マクシミリアン殿下はソファにだらしなく座ってぶつぶつ言い出した。
俺は聞き流してサッサと寝支度を整える。
こいつはずーっと快適な馬車だったから疲れてないだろうが、俺は強行軍の後のベッドだ。
今日ばかりは何の警戒もせずにひたすら寝たい。
だが、その前に。
俺はソファの殿下をちょいちょい手招きした。
「ん?」
目だけは俺の動きを捉えたものの、動く気配が無い。
ここではライなんだって、何度言えば分かるんだ。
「こんな仕付けのなってない侍従は必要無いから追い出・・・」
「イヤですよ、ルーファス様!何かご用ですか?」
サッと立ち上がって胡散臭い笑みを浮かべる。
ライはそんな笑い方しないぞ!
まあ、良いけど。
近づいて来るのを見計らってガシッと腕を掴むと、腕輪をはめる。
「!?」
一瞬柔らかな光を放った後、何事も無かったかのように鈍く光る金属製の腕輪を見て。
「やられた!」
殿下はチッと舌打ちをした。
俺は思わずニヤリと笑う。
失礼な。
防御策ってものだよ。
そのままやさしく腕輪ごと殿下の手首を撫でてやる。
「マクシミリアン殿下は我が妹に大層ご執心だ。しかし、あの子はまだ幼くてね、思春期後半の、悪い遊びを覚えた男の子の餌食にする訳にはいかないんですよ。」
「うへえ、気持ち悪いな、手、離せよ。俺はどんなに綺麗でも男には興味無いんだ!」
またも失礼な。俺だってそうだ。
俺はサッと手を離すとにっこりと微笑んだ。
「俺もですよ、殿下・・・ところで、普段の殿下はご自分を俺、と言われるんですね。僕、などと言われるより遥かにその方が貴方らしい・・・そんな悪ガキな殿下に、一言お伝えすることがあります。いいですか?」
ここで表情も口調も改める。
「この腕輪は帝国魔導師団長特製だ。単なる魔力封じの腕輪だと思ってるだろうが、違うからな。監視機能と拘束機能が付いている。お前はどこにいても俺たちの目からは逃れられないし、今後ディアナに手が届く距離より近づくと、自動でお前の運動機能が停止するようになる。」
「あ?運動機能が停止って、どういうことだ?動けなくなるってことか?」
「初めは手足の筋肉が強張るだけだが、無理に近づこうとすると、徐々にその他の器官にも効力が及ぶようになるそうだ。どういう事か、分かるか?」
「・・・」
「最後には脳や心臓も止まるってことだよ。」
「!まさか、帝国皇帝の甥でユランの王子の俺に・・・」
蒼ざめながらも強がるマクシミリアン殿下。こいつ甘いな。情報収集不足にも程がある。
「父上にそんなのが通じるものか。自国の皇帝陛下でさえ呼び捨てなのに。お前がここで生かされているのは、ディアナが口添えし、母上が許容したからにすぎない・・・これ以上、何かしてみろ。お前、人々の記憶事、存在を消されるぞ。」
これで大人しくなれば発動しないんだが。
様子を観察していると。
状況はすぐに理解したらしいこいつは、「クソッ」と小さく吐き捨てたのち、、、ニヤリとした。
「いいよいいよ、七日経って俺の部下が来さえすれば、本来の姿と身分でディアナちゃんに会えるんだ。お前達だって、まさか正規のルートで会おうというのを止めることはしないだろう?」
「状況によるがな。」
冷たく返したのに全然堪えないで、それで良いよ、充分さ、と嘯く殿下。
「居城で大事に育てられた世間知らずのご令嬢なんて、すぐ落とせる。」
すぐに、兄なんかより俺が良くなるさ。
にやにや笑うのがライなだけに違和感が半端ない。
ディアナをユランごとき田舎の国の令嬢と一緒にするな!
一瞬カッとなったが、黙って睨むだけとする。
俺が挑発に乗らないのをどう思ったのか、こいつは益々調子に乗ってきた。
「それまでは精々、今まで通り楽しませてもらうよ。どんな表情を思い出そうかなぁ。毎晩鏡の前で試したから、七日くらいすぐ過ぎそう・・・」
やっぱり懲りてなかったか。
この発言を引き出して。
俺は思わずほくそ笑んだ。
お仕置き出来そうですよ、父上。
笑いを堪えるために俯くと。
「おっと、これは失言。もうしないって言ったっけ。でもさ、俺が何をおかずにしているかなんて、誰にも分かりゃしないだろ・・・あれ?怒らないの?え、笑ってる?」
何で笑うんだ?
殿下が首を傾げた瞬間。腕輪がポゥッと光った。
発動を確認し、俺は耐えきれずに大笑いする。
ほんとに情報収集不足だよな。
お前は、お前の頭の中なんて丸裸に出来る人を、怒らせたんだよ。
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