193 / 241
帝都のひと夏
伯父さまとお茶をしました
しおりを挟む
折角伯父さまが場を保たせてくれたのだから、と、そこからは社交を頑張った。
リューネブルク侯、リッテンハイム伯、エルスハイマー侯、、、。
宮廷貴族もいるけど、帝国の中部や南部の貴族が多いかな?
相変わらず瞳を見つめられるけど。さっきより意地悪な視線も感じるけど。
でも、騎士さまたちの砕けた、でも気持ちの籠もった賞賛があったから、気にしないで済んだんだと思う。オスカー兄上、今はいないけど、やっぱり後でお礼を言っておかなきゃ。
「こんなもんかな。ルーファス君もディーちゃんもお疲れ様。一旦休憩しようか。」
それからだいぶ経って。
やっとお仲間じゃない高位貴族との挨拶が終わった。流石の伯父さまも少しお疲れのようだし、私なんか頭が情報でぐるぐるしている。少しゆっくりしながら整理しないと、全ての人がごっちゃになっちゃいそう。
「なら、僕達は僕の友人と過ごすよ。行こう、ルーファス君、まだ紹介してない奴がいるんだ。」
「はい、よろしくお願いします。」
じゃあ、また後で合流するね。
そう言うと、オリヴィエ兄さまは、ルー兄さまとさっさと行ってしまった。
「私も控室に戻って、少し騎士団長仲間と話があるんだ。行っても良いかな、ディー?」
母さまが申し訳なさそうな顔をして聞いてきた。
「ええ、もちろん。」
だって、お仕事なんだもの、仕方ないよね?
普段母さまは領地から離れないから、こういう時が貴重だとは前から聞いていたし。
「アルはディーといる?打ち合わせの日時の確認だからそんなに時間はかからないし、またすぐ戻ってくるけど。」
母さまが聞くと、父さまは、珍しく即答せず、私をチラッと見た。
だいぶ心配させてるみたい。本当は母さまについて行きたいのにね。
私は安心させるように父さまに笑いかけた。
「心配してくれてありがとう、父さま。ディーは伯父さまと楽しく過ごすから大丈夫よ。」
でも、困ったことがあったら呼ぶから来てね?
そうお願いしたら、父さまはぶんぶんと首を縦に振ってから、母さまの腕を取り直して扉の向こうに消えて行った。
仕草までフィン兄さまと本当に似ている。
いつか兄さまも母さまみたいな人を連れて来て、囲い込むような結婚をするのかな?
兄さまはバーベンベルクの魔導師になるって公言してるから、バーベンベルク城に同じような夫婦が二組出来るんだ、、、オスカー兄上の奥さん、大変だろうな、、、。
つい、とりとめのないことを考えながら二人を見送っていると、伯父さまがにこにこして声を掛けてきた。
「これで可愛いディーちゃんを伯父さまが独り占め出来るね。」
伯父さま、頑張った甲斐があったよ。軽食を一緒に如何かな?
そう言いながら腕を差し出す伯父さまは本当に相手の気持ちを汲むのが上手な方だ。
「私に心配させないように気遣って下さり、有難うございます。ご一緒出来るの、嬉しいですわ。」
私がにっこりしてその腕を取ると、伯父さまは少し目を見開いてから、本当に嬉しそうに笑ってくれた。
「ディーちゃんは分かってる子だね。でも、伯父さまは可愛い姪っ子を独り占め出来るのが、本当に嬉しいんだよ。」
さあ、室内、庭、どっちに行きたい?何を食べようか?飲み物は?
楽しそうに聞かれると、私もワクワクしてくる。
「ディーが選んでいいならお庭がいいわ。行きましょう!伯父さま。」
「よし、席を作っておくよう、給仕に言おう。」
伯父さまは、つ、と視線を、待機している給仕に向ける。すぐに、給仕長らしき人がやって来た。
「宰相閣下、お呼びでございますか?」
「庭の少し人気が無い木陰に席を二つ。私たちは食事と飲み物を見繕ってから行くから、よろしく頼む」
「畏まりました。では私がご案内を。」
給仕長さんがさっと指示を出し、私は伯父さまとゆっくり食べ物や飲み物を選ぶ。選んだそばから綺麗に取り分けて盛り付けられ、あっという間にお皿が一杯になってしまった。
飲み物はさっきの反省を生かし、目の前で絞った果実水を選ぶ。
バルコニーを抜けてさっきの騎士さまたちとは反対の方に案内される。私たちの後ろには幾人もの給仕がお皿やグラスを持って続くけど、その場に居る人たちは、伯父さまを見て当然と思うらしく、驚きもせず、自然に道を開けてくれた。
建物を曲がると人気が一気に減るのは一緒ね。
きれいな花壇と小径の手前、涼しげな木陰に席はしつらえてあって。
伯父さまは悠然と座ると、皿を並べ終えた給仕の人たちに軽く頷いた。
それだけ。
でも、給仕の人たちは恭しく挨拶をするとサッと去って行く。
すごい。
父さまの、魔術で何でも一人でしてしまうのもすごいと思ったけど、伯父さまの人を支配している権力もすごい。この部屋に入る前、ここから先は私の支配する世界だ、と仰ったのも、納得だわ。
「さあ、ゆっくりしよう、お嬢さん。何から食べようか?」
でも、私にとっては優しくてお茶目な伯父さまだから。
「まずは乾杯しましょう。伯父さまへたくさんの感謝を込めて、乾杯!」
私がグラスを持ち上げると、伯父さまも合わせてくれて。
私たちはつかの間の休息を楽しんだ。
リューネブルク侯、リッテンハイム伯、エルスハイマー侯、、、。
宮廷貴族もいるけど、帝国の中部や南部の貴族が多いかな?
相変わらず瞳を見つめられるけど。さっきより意地悪な視線も感じるけど。
でも、騎士さまたちの砕けた、でも気持ちの籠もった賞賛があったから、気にしないで済んだんだと思う。オスカー兄上、今はいないけど、やっぱり後でお礼を言っておかなきゃ。
「こんなもんかな。ルーファス君もディーちゃんもお疲れ様。一旦休憩しようか。」
それからだいぶ経って。
やっとお仲間じゃない高位貴族との挨拶が終わった。流石の伯父さまも少しお疲れのようだし、私なんか頭が情報でぐるぐるしている。少しゆっくりしながら整理しないと、全ての人がごっちゃになっちゃいそう。
「なら、僕達は僕の友人と過ごすよ。行こう、ルーファス君、まだ紹介してない奴がいるんだ。」
「はい、よろしくお願いします。」
じゃあ、また後で合流するね。
そう言うと、オリヴィエ兄さまは、ルー兄さまとさっさと行ってしまった。
「私も控室に戻って、少し騎士団長仲間と話があるんだ。行っても良いかな、ディー?」
母さまが申し訳なさそうな顔をして聞いてきた。
「ええ、もちろん。」
だって、お仕事なんだもの、仕方ないよね?
普段母さまは領地から離れないから、こういう時が貴重だとは前から聞いていたし。
「アルはディーといる?打ち合わせの日時の確認だからそんなに時間はかからないし、またすぐ戻ってくるけど。」
母さまが聞くと、父さまは、珍しく即答せず、私をチラッと見た。
だいぶ心配させてるみたい。本当は母さまについて行きたいのにね。
私は安心させるように父さまに笑いかけた。
「心配してくれてありがとう、父さま。ディーは伯父さまと楽しく過ごすから大丈夫よ。」
でも、困ったことがあったら呼ぶから来てね?
そうお願いしたら、父さまはぶんぶんと首を縦に振ってから、母さまの腕を取り直して扉の向こうに消えて行った。
仕草までフィン兄さまと本当に似ている。
いつか兄さまも母さまみたいな人を連れて来て、囲い込むような結婚をするのかな?
兄さまはバーベンベルクの魔導師になるって公言してるから、バーベンベルク城に同じような夫婦が二組出来るんだ、、、オスカー兄上の奥さん、大変だろうな、、、。
つい、とりとめのないことを考えながら二人を見送っていると、伯父さまがにこにこして声を掛けてきた。
「これで可愛いディーちゃんを伯父さまが独り占め出来るね。」
伯父さま、頑張った甲斐があったよ。軽食を一緒に如何かな?
そう言いながら腕を差し出す伯父さまは本当に相手の気持ちを汲むのが上手な方だ。
「私に心配させないように気遣って下さり、有難うございます。ご一緒出来るの、嬉しいですわ。」
私がにっこりしてその腕を取ると、伯父さまは少し目を見開いてから、本当に嬉しそうに笑ってくれた。
「ディーちゃんは分かってる子だね。でも、伯父さまは可愛い姪っ子を独り占め出来るのが、本当に嬉しいんだよ。」
さあ、室内、庭、どっちに行きたい?何を食べようか?飲み物は?
楽しそうに聞かれると、私もワクワクしてくる。
「ディーが選んでいいならお庭がいいわ。行きましょう!伯父さま。」
「よし、席を作っておくよう、給仕に言おう。」
伯父さまは、つ、と視線を、待機している給仕に向ける。すぐに、給仕長らしき人がやって来た。
「宰相閣下、お呼びでございますか?」
「庭の少し人気が無い木陰に席を二つ。私たちは食事と飲み物を見繕ってから行くから、よろしく頼む」
「畏まりました。では私がご案内を。」
給仕長さんがさっと指示を出し、私は伯父さまとゆっくり食べ物や飲み物を選ぶ。選んだそばから綺麗に取り分けて盛り付けられ、あっという間にお皿が一杯になってしまった。
飲み物はさっきの反省を生かし、目の前で絞った果実水を選ぶ。
バルコニーを抜けてさっきの騎士さまたちとは反対の方に案内される。私たちの後ろには幾人もの給仕がお皿やグラスを持って続くけど、その場に居る人たちは、伯父さまを見て当然と思うらしく、驚きもせず、自然に道を開けてくれた。
建物を曲がると人気が一気に減るのは一緒ね。
きれいな花壇と小径の手前、涼しげな木陰に席はしつらえてあって。
伯父さまは悠然と座ると、皿を並べ終えた給仕の人たちに軽く頷いた。
それだけ。
でも、給仕の人たちは恭しく挨拶をするとサッと去って行く。
すごい。
父さまの、魔術で何でも一人でしてしまうのもすごいと思ったけど、伯父さまの人を支配している権力もすごい。この部屋に入る前、ここから先は私の支配する世界だ、と仰ったのも、納得だわ。
「さあ、ゆっくりしよう、お嬢さん。何から食べようか?」
でも、私にとっては優しくてお茶目な伯父さまだから。
「まずは乾杯しましょう。伯父さまへたくさんの感謝を込めて、乾杯!」
私がグラスを持ち上げると、伯父さまも合わせてくれて。
私たちはつかの間の休息を楽しんだ。
11
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる