[R18]2度目の人生ハーレムだっていいじゃないか

白猫 おたこ

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第一章 拠点作り

第10話:名付けの儀、あるいは契約の吐息

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 作業台の上で淡い緑の光が収束し、そこから這い出すように現れたのは、あどけない少女の姿だった。
 しかし、その透き通るような肌の奥に流れる魔力と、幼い体躯にはあまりに不釣り合いなほど潤んだ熱い瞳に、ケンタロウは思わず息を呑んだ。

「お前は……一体何者だ?」

 ケンタロウは、まだ現実味の薄い光景に、数歩後ずさりながら問いかけた。
48年の人生において、自ら作り上げた道具が人の形を成すなど、想像の範疇を超えている。

「ふふっ……あるじ。そんなに怯えては、妾(わらわ)が悲しむではないか。妾をこの世に引きずり出したのは、他でもない、あるじのその『熱い指先』なのだぞ?」

 少女は作業台に腰掛けたまま、無防備に脚を組み替えた。その拍子に、まだ産毛の残るしなやかな太ももが月光にさらされる。
彼女から立ち上る、森の若葉と熟れた果実が混ざり合ったような、むせ返るほどに濃厚な「雌」の香りが、夜の工房を満たしていく。

「とんでもないものを……生み出してしまったな」

 ケンタロウは額の汗を拭い、目の前の存在を直視しようと努めた。
職人として最高の品を求めた結果が、この妖艶な精霊だというのか。
 少女はふらりと立ち上がると、ケンタロウの胸元に寄り添い、その節くれ立った大きな手に、自身の小さな掌を重ねた。

「あるじよ……。妾にはまだ、この世界を縛る『名』がない。貴様の執念が妾を産んだのなら、貴様の言葉で、妾に永遠の鎖を繋いでみせよ」

 彼女はケンタロウを見上げ、熱い吐息を彼の首筋に吹きかけた。それは、自身の存在を彼の色で塗り潰してほしいという、淫らな懇願にも聞こえた。

 ケンタロウは、彼女の核である『黒鋼樺(くろがねかば)』のしなりと、その表面を覆う美しい光沢を思い浮かべた。
 そして、かつて現実の工房の庭に咲いていた、気高くも鮮やかな紫の花の名を、静かに口にした。

「……お前の名は、アイリスだ」

 その瞬間、少女の身体がビクンと大きく跳ね、背中から見えない「弦」が一本、ピンと張り詰めた。

「あ、あああっ……! アイリス……アイリスか! 良い名だ……あるじ。その名で呼ばれるたびに……妾の奥底が、あるじの熱いもので貫かれるような……抗いがたい愉悦を感じるわ……っ!」

 アイリスは陶然とした表情で、自らの胸元をかきむしり、その場に崩れ落ちた。
ケンタロウが与えた「名」という名の楔が、彼女の霊的な性感帯を激しく突き刺したのだ。

「いいぞ、もっと呼べ……。その声で妾を縛り、愛で、妾のすべてを……中まで暴き尽くしてほしいのだ。……あるじ、妾を……アイリスを、早くその身体で受け入れておくれ……っ」

 少女の形をした弓の精霊は、潤んだ瞳でケンタロウを誘惑するように微笑んだ。
辺境の静かな夜。一人の職人と、淫らな宿命を背負わされた精霊との間に、誰にも解けない「契約」の結び目が、硬く、熱く結ばれた瞬間、そして現実にも影響する程の始まりだった。

【システムログ】
 • 【ユニークスキル:命名(真名)】 が発動しました。

 • 【武器聖霊契約:アイリス】 が完了。全ステータスに「あるじ」との同調ボーナスが付与されます。

 • 【誘惑耐性】 スキル熟練度が上昇しました:+25(現在の熟練度:35/100)
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