[R18]2度目の人生でスローライフ?ハーレムだっていいじゃないか

白猫 おたこ

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第四章 やりたい事……。

第83話: 白銀の雨、影を断つ光

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 押し寄せる亡霊たちの群れに対し、健太郎は微動だにせず、聖弓アイリスを水平に構えた。
 亡霊たちが振り下ろす、影に侵食された不浄な剣や斧。
それらが健太郎の数センチ手前で、じゅっという鋭い音と共に弾け飛ぶ。昨夜、二人の伴侶と共に心身を限界まで練り上げた『聖灰の禊』の防壁が、闇を一切寄せ付けない。

「アイリス、力を貸せ。こいつらを……終わらせてやる」

「うむ。あるじの慈悲、妾がその隅々まで届けてやろうぞ!」

 健太郎が指を離した瞬間、聖弓から放たれたのは単なる一矢ではなかった。
 空中でぱぁんっと白銀の光が弾け、数百の小さな光の針となって広間全体に降り注いだのだ。

 シュンシュンシュンッ!!

 影そのものである亡霊たちにとって、聖なる光を宿したアイリスの魔力はまさに天敵。
 光の針が亡霊の半透明な肉体に突き刺さるたび、ちゅっ……じゅわぁぁ……と、こびりついた影の粘液が蒸発していく。

「ア……あ……ガ……、ア、ありがとう……」

 光に貫かれた亡霊の一人が、消滅の直前、一瞬だけ生前のプレイヤーとしての表情を取り戻した。
データの残滓が浄化され、神域の理(システム)から解き放たれていく。

「……あ、健太郎さん! 亡霊たちが……影が剥がれて、消えていきます!」

 結衣が感極まった声を上げる。彼女の『索敵・分析』の画面上で、赤黒く染まっていた敵意のマーカーが、次々と浄化を示す白へと変わり、霧散していく。

「……まだだ。奥に、こいつらを縛り付けていた『大元』がいるな」

 健太郎は、亡霊たちが消えた後に残った、ひどく煤けた宝石の欠片を拾い上げた。亡霊たちの思念が結晶化した『悔恨の輝石』。
職人の眼で見れば、これもまた、浄化すれば素晴らしい触媒になる素材だ。

 広間の奥、さらに深い闇が渦巻く回廊から、うねっ……うねうね……と、床を這う巨大な影の触手が伸びてくる。
 
「フフフ……。ただの冒険者かと思えば、随分と面白い『力』を持って来おったな。……その女たち、そしてお前のその弓。……神殿のコレクションに加えるのが楽しみだ」

 闇の中から、影の法衣を纏った異形の司祭が姿を現した。

【真誓の輝き、聖弓アイリスの咆哮】

 「カカッ、無駄よ……。その汚れた石を番えたところで、我が深淵を貫くことなど――」

 影の司祭が嘲笑を浮かべる。健太郎の手元にあるのは、亡霊たちの無念が凝り固まった、黒ずんだ『悔恨の輝石』。
それはまだ浄化すらされていない、澱んだ魔力の塊だ。
 だが、健太郎の狙いは浄化による解決ではなかった。

「……アイリス。いつもお前には『素材を痛めない繊細な仕事』ばかり強いてきたが……今回は別だ。お前の本来の力を、ここで全て吐き出せ」

「……うむ。承知した、あるじ! 妾のすべてを、主の指先に預けようぞ!」

 第五形態として健太郎の隣にいたアイリスの肢体が、粒子となって聖弓アイリスへと吸い込まれていく。
弓に入り込んだ彼女の魂が、本来の力と輝きを取り戻し、白銀の弓幹が目も眩むような閃光を放った。

 ごぉぉん……!

 鐘の音のような重厚な共鳴が広間を震わせる。
アイリスの意識が、健太郎の魔力と『真誓』の契約を通じて完全に一体化する。
 健太郎は、浄化前の『悔恨の輝石』を強引に弦へと番えた。
職人として素材を慈しむ彼が、初めて見せた「素材を燃料として使い潰す」ための構え。

「穿つのではない。……塵も残さず、焼き尽くす」

 いつもなら針の如き細さで急所を穿つ健太郎だが、今回はアイリス本来の荒ぶる魔力をそのまま解き放った。

 ドォォォォンッ!!

 放たれたのは、矢という概念を超えた「光の奔流」だった。

 『悔恨の輝石』が臨界点を超えて爆発的なエネルギーを放出し、それをアイリスの聖なる魔力が一本の巨大な光柱へと収束させる。

 ブワっ!!

 「な、何だ、この光は……! 我の影が……じゅっ、じゅわぁぁぁと消えて……っ!?」

 影の司祭が悲鳴を上げる。彼が必死に張り巡らせた影の触手も、結衣の脚に絡みついていたねちょねちょとした蔦も、光の余波に触れただけでしゅわぁぁ……と音を立てて消滅していく。

 光柱は司祭の胴体を正面から飲み込み、内側からその存在を爆砕した。
 闇の塊だった司祭の肉体が、聖なる光の圧力に耐えきれず、白銀の粒子となって四散する。

「あ……あぁ……っ。影が、消えた……」

 拘束から解放された結衣が、腰を抜かしたようにその場に崩れ落ちる。
彼女の太ももに残っていた影の汚れも、健太郎が放った光の残滓によって綺麗に拭い去られていた。
 広間には、司祭が消滅した後に残った、本物の宝石のような輝きを放つ純粋な素材だけが静かに落ちていた。

 轟音が止み、広間を支配していた重苦しい影が嘘のように晴れ渡った。
健太郎は、熱気を帯びた聖弓の弦をゆっくりと戻した。
弓の内側に溶け込んでいたアイリスの魂が、再び粒子となって溢れ出し、健太郎のすぐ傍らで肉体を再構成していく。

「……ふぅ。主よ、今の妾の一撃……どうじゃった? 少々、暴れすぎてしまったかのう」

 アイリスは、肩で息をしながらも誇らしげに微笑んだ。
その肌は、極限まで魔力を放出した名残でとろとろと淡い光を放ち、火照っている。

「最高だった。……助かったよ、アイリス」

 健太郎はそう短く答え、足元にへたり込んだままの結衣へと歩み寄った。
彼女は未だ、司祭の影に侵食されていた恐怖と、浄化の光がもたらした強烈な衝撃に、全身をぴくぴくと震わせている。

「結衣、もう大丈夫だ。影は消えた」

 健太郎が無骨な手で結衣の肩を抱き寄せると、彼女は縋り付くように健太郎の胸板に顔を埋めた。

「健太郎さん……っ。怖かったです……っ。足元からぬるぬるした影が入ってきて、私、このまま壊されちゃうんじゃ……って」

「……済まない、怖い思いをさせた。だが、見てみろ。お前の足元を汚していた影は、もうどこにもない」

 健太郎の手が、結衣の太ももに残っていた微かな魔力の澱みを、慈しむように撫で上げた。昨夜の『聖灰の禊』で高まった彼女の感度は、健太郎の掌が触れるだけで、くちゅっと甘い音を立てて反応してしまうほど敏感になっていた。

「あ……んっ。健太郎さんの手、すごく温かくて……。影の冷たいのが、全部溶けていきます……」

 結衣の瞳に、恐怖に代わって健太郎への深い情愛と、安堵による熱が灯る。
 そんな二人の様子を見て、アイリスがいたずらっぽく、しかし深い慈愛を込めて横から二人を抱きしめた。

「ふふ、結衣よ。主の手入れを受ければ、どんな呪いも消え去るわい。……さて、あるじ。あそこに転がっておる『戦利品』、確認せねばなるまい?」

 アイリスが指差す先、司祭が爆散した中心に、どす黒い輝きを失い、純粋な漆黒の結晶へと変化した『深淵の魔石』と、彼が纏っていた法衣の残骸である『影糸の織物』が落ちていた。

「……ああ。あれがあれば、お前たちの装備をさらに一段階、引き上げられる」

 健太郎は司祭の残した素材を丁寧に拾い上げ、再び二人を力強く引き寄せた。
 神殿の最奥へと続く道は、まだ始まったばかりだ。

【健太郎(三神健太郎) スキル熟練度】
■生産系カテゴリー
• レザークラフトマスタリー Lv.56:(85/100)
• 神具メンテナンス Lv.42:(95/100) (+5)
• 慈愛の加工 Lv.40:(95/100) (+5)
• 素材の限界突破 Lv.1:(20/100) (+10)
■戦闘・サバイバル系カテゴリー
• 弓術マスタリー Lv.97:(20/100) (+10)
• 魔力操作 Lv.67:(20/100) (+10)
• 【聖弓の咆哮】 Lv.1:(30/100) (+10)
■身体強化系
• 性技(手入れ) Lv.42:(40/100) (+5)
• 絶倫 Lv.34:(25/100) (+5)
• 全生命力の解放 Lv.5:(65/100) (+5)
■特殊スキル
• 家長としての威厳 Lv.46:(60/100) (+10)
• 【聖霊の伴侶(真誓)】 Lv.24:(20/100) (+10)
• 【三位一体の福音】 Lv.32:(60/100) (+10)
• 【魂の解放者】 Lv.2:(40/100) (+10)

【結衣(早川結衣) スキル熟練度】
• 感度上昇 Lv.55:(60/100) (+10)
• 【奉仕マスタリー】 Lv.32:(40/100) (+10)
• 【正妻の余裕】 Lv.44:(20/100) (+10)
• 索敵・分析 Lv.19:(10/100) (+Level Up!)
• 聖灰の調律 Lv.7:(20/100) (+10)
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