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第十章 未踏の地へ
第226話:【蒼き海の誘い、未踏の孤島へ】
しおりを挟む朝の柔らかな光が、健太郎と結衣が住むマンションのリビングに差し込んでいた。
48歳の革職人、三神健太郎は、手慣れた手つきでコーヒーを淹れる。
隣では、結衣がエプロン姿で朝食の準備を整えていた。
かつては内気で、素材屋のカウンター越しに震えていた彼女が、今ではこうして健太郎と同じ屋根の下で、砕けた口調で笑い合っている。
「健太郎さん、今日のログイン、楽しみだね。翡翠の入り江から無人島を探すんでしょ?」
結衣がトーストを皿に乗せながら、ハキハキとした声で尋ねる。
「ああ。これまでは工房に籠もって生産三昧だったからな。たまには本当のサバイバルというか、誰もいない場所で、自然の素材と向き合うのも悪くないと思ってな」
健太郎は、自分の厚い手のひらを見つめた。
現実での革職人としての技術が、VR MMO 『Infinite Realm』の世界でも彼を支えている。そして、その傍らには常に、彼を信じてついてくる愛すべき女性たちがいた。
朝食を済ませると、二人はリビングのソファに腰を下ろし、ダイブギアを装着する。
「それじゃ、向こうでね、健太郎さん」
「ああ、行こうか、結衣」
意識が加速し、光の奔流の中へ。次に目を開けたとき、そこには潮騒の音と、エメラルドグリーンに輝く広大な海が広がっていた。
【Infinite Realm:翡翠の入り江】
港町の一角、潮風が吹き抜ける広場で、健太郎は仲間たちと合流した。
「おっはよー! 健太郎さん! 準備万端だよ!」
元気よく駆け寄ってきたのは、JK2年生の桃子だ。
ピンクのインナーカラーが揺れ、豊満な胸が波打つ。彼女の無邪気な笑顔は、このパーティーの太陽だった。
「おはよう、アバター変えたんだな」
「健太郎さん、おはよう。……うん、皆んなと同じで本当の姿にしたんだぁ」
続いて現れたのは、金髪ショートカットの恵梨香。
短いスカートから伸びる褐色の脚が眩しい。
「今日の無人島探索、うちはめっちゃ楽しみにしてたんやで。ええ素材、ぎょうさん見つかるとええなぁ!」
恵梨香は不敵に笑いながら、関西弁で周囲を明るくさせる。
彼女は健太郎に心を許して以来、強気な態度の裏に信頼を滲ませるようになっていた。
「あるじ、お待たせいたしましたわ」
最後に、空気そのものを清めるような神々しい気配と共に、アイリスが顕現した。
現在は第五形態。
大人の女性としての完成された美貌と、Hカップを誇る肉感的な曲線を誇示するように健太郎の隣に立つ。
「よし、全員揃ったな。結衣、予定通り船の手配はできているか?」
「うん、バッチリだよ健太郎さん。この入り江から外海へ出て、まだ地図に載っていない無人島をいくつかピックアップしてあるから」
結衣は事前にNPCからあらかじめ情報を仕入れていた。
ゲーム内であっても、皆、現実と同じ本名で呼び合うのが彼らの絆の証だ。
「妾が同行するのだ。どのような荒波であろうと、あるじの道を邪魔させるものか」
アイリスが尊大に微笑む。
一行は、結衣がチャーターした小型の魔導帆船に乗り込んだ。
【洋上の航海:サバイバルへの予感】
船が港を離れると、心地よい揺れが始まった。
「ねえ、健太郎さん……無人島に行ったら、二人きりの時間もあるかな?」
桃子が甘えるように腕に抱きついてきた。Fカップの柔らかな肉が健太郎の腕を包み込む。
「桃子、みんながいるんだ。あまり羽目を外すなよ」
「えー、いいやんか。健太郎さんも鼻の下伸ばさんといてや?」
恵梨香が茶化すように笑う。
「それより健太郎さん、無人島ってことは、うちの彫金で使えるような珍しい石とかも落ちてるんかな? もしあったら、真っ先にうちに見せてや!」
「ああ、もちろんだ。恵梨香の腕が鳴るような素材を見つけてみせるよ」
数時間の航海の後、霧の向こうに濃い緑に覆われた島影が見えてきた。
「あるじ、あそこですわ。あの島からは、手付かずの濃密な魔力の胎動を感じます。まさに『本当のサバイバル』に相応しい場所かと」
アイリスが指し示す。その島は、切り立った断崖と鬱蒼としたジャングルに囲まれ、人の入る隙を与えない威厳を放っていた。
「よし、あそこに上陸しよう。結衣、船を寄せられるか?」
「任せて。一番穏やかな入り江を探すね!」
船が砂浜に乗り上げると同時に、健太郎たちは未知の大地へ足を踏み入れた。
【蒼き海の誘い、未踏の孤島へ】
真っ白な砂浜に第一歩を記すと、ダイブギアを通じて伝わる砂の熱さが、ここが未開の地であることを実感させた。
「うわぁ……! 海も綺麗だけど、森の迫力がすごいね」
結衣が手で日差しを遮りながら、島の中央にそびえる密林を見上げた。
「健太郎さん、ここなら誰にも邪魔されずに、新しい素材探しができそうだよ」
「ああ、そうだな。だが、まずは拠点を確保しないと夜が危ない。恵梨香、桃子、少し周囲を歩いてみるぞ」
健太郎が声をかけると、恵梨香が腰の剣の柄に手をかけ、鋭い視線を森へと向けた。
「任せとき! うちが先陣切って安全確認したるわ。健太郎さんは、うちの背中しっかり見といてや?」
「えへへ、桃子もお手伝いするよ! 健太郎さんに褒めてもらえるように頑張るもん!」
桃子が無邪気に健太郎の腕に抱きつき、豊かな胸を押し当てる。
その柔らかい感触に鼻の下を伸ばしそうになるのをこらえ、健太郎はアイリスを呼んだ。
「アイリス、この島に強力な魔物の気配はあるか?」
「……ふむ。あるじ、この島は外周こそ静かですが、奥地にはかなり『濃い』気配が潜んでおりますわ。ですが、妾の隣にいれば案ずることはありません。あるじを傷つける不届き者は、この聖弓で塵も残さず消し去って差し上げましょう」
アイリスは尊大に微笑み、実体化した豊かな肢体を健太郎に寄せた。
Hカップの重みが健太郎の反対側の腕を包み込み、彼は左右から美少女と聖霊に密着される形になる。
「……こら、二人とも。探索中だぞ」
健太郎は苦笑しながらも、まずは砂浜の端にある、岩壁に囲まれた入り江を拠点に定めた。
「よし、結衣はここで荷物の整理と、簡単な竈(かまど)の準備を頼む。俺と恵梨香、桃子、それにアイリスで、火に使える薪と、テントの支柱にする木材を集めてくる」
「了解! 健太郎さん、気をつけてね。美味しいお水も見つけられたら嬉しいな」
結衣のハキハキとした返事に見送られ、一行はジャングルの入り口へと向かった。
密林の中に一歩踏み込むと、むせ返るような緑の匂いと、見たこともない極彩色の植物が彼らを迎えた。
「健太郎さん、見て! あの岩、ちょっとキラキラしてへん? うちの勘が、あそこにええもんがあるって言うてるわ!」
恵梨香が指さしたのは、湿り気を帯びた岩影に露出した、青く輝く鉱石の脈だった。
「鑑定眼……。ほう、これは『蒼海石』か。この島の環境ならではの素材だな。恵梨香、まずはそれを採取してみるか?」
「よっしゃ、きた! 健太郎さん、うちの仕事、ちゃんと見といてや?」
恵梨香が慣れた手つきで道具を取り出し、岩を叩き始める。
その真剣な横顔と、短いスカートから覗く引き締まった太腿のラインに、健太郎は職人としての、そして男としての熱い視線を送るのだった。
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