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第十章 未踏の地へ
第230話:【誕生 彫金師恵梨香】
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拠点の入り江に、キン、キン、と高く澄んだ音が響き始める。
健太郎が設営したテントの脇に、平らな大岩を利用した「即席の彫金台」がしつらえられた。
恵梨香は、健太郎から贈られたばかりの革エプロンをきつく締め直し、指先にはしなやかな指サックを装着している。
その姿は、いつもの派手なギャルの印象を残しつつも、どこか凛とした「職人の卵」としての気迫を漂わせていた。
「よし……まずはこの余分な角を落として、形を整えるんやな……。健太郎さん、見といてや」
恵梨香は、昨夜教わった通りにタガネを蒼海石の脈に当て、慎重にハンマーを振り下ろす。
その真剣な眼差しは、周囲の風景が消え、石と自分だけの世界に入り込んでいるようだった。
そこへ、テントの幕が上がり、目をこすりながら結衣と桃子が出てきた。
「んんっ……あ、健太郎さん、おはよう。……って、ええっ!? 恵梨香ちゃん!?」
桃子が驚きで一気に目を覚まし、パタパタと駆け寄ってくる。
「何その格好! めっちゃかっこいい! 職人さんみたいだよ!」
「わっ、桃子、急に抱きつくなや! 今、大事なとこなんやから……」
恵梨香は照れ隠しに顔を赤らめながらも、作業の手は止めない。
結衣も、その光景を見て驚きに目を見開いた。
「恵梨香さんが彫金……? 健太郎さん、これって……」
「ああ。恵梨香が、自分も作る側になりたいと言い出してな。俺がエプロンと指サックを見繕ってやったんだ」
健太郎が満足げに頷くと、結衣はパッと表情を輝かせ、インベントリから「記録用の魔法水晶」を取り出した。
「さすが健太郎さん! 恵梨香さん、それ、最高に絵になってるよ! 私、家族として、この『彫金師・エリカ』の誕生の瞬間をバッチリ記録させてもらうね!」
「ちょっと結衣さん、変な動画撮らんといてや! うち、まだ始めたばっかりやし……」
恵梨香は文句を言いながらも、仲間たちに認められ、期待されていることに喜びを隠せない。
「ふふ、主。恵梨香の集中力、なかなかのものですわ。石に宿る魔力が、彼女の意欲に呼応して輝きを増しております」
いつの間にか顕現していたアイリスが、健太郎の肩に手を置き、愛おしそうに恵梨香の作業を見守る。
結衣が水晶をかざし、様々な角度から恵梨香の作業風景を収めていく。
「いいよいいよ、恵梨香さん! その、石を見つめる鋭い視線……健太郎さんにそっくり! 二人の共同制作第一号ができたら、絶対自慢しなきゃ!」
「結衣さん、気が早いわ……。でも、やるからには中途半端なもんは出さへんで。健太郎さんが胸張って『これ、うちの相棒が作った金具や』って言えるようなもん、絶対作ったるからな!」
恵梨香の力強い宣言と共に、無人島に新しい「創造」の音が響き渡る。
健太郎はその様子を見ながら、自分の隣に並ぼうとする彼女たちの成長を、心地よい誇らしさとともに感じていた。
キンッ、という最後の一撃が入り江に響き渡った。
恵梨香が慎重にタガネを離すと、大岩の上には、荒削りながらも息を呑むほどに美しい、一欠片の蒼い結晶が転がっていた。
「……できた。健太郎さん、見て。これ……これで合ってるかな?」
恵梨香がおずおずと差し出したその手のひらの上には、島の陽光を浴びて深海のように透き通った青を放つ『蒼海石の雫』が鎮座していた。
表面には、健太郎が教えた通り、石の脈に逆らわずに削り出された滑らかな面がいくつかあり、それがプリズムのように周囲の光を反射して、砂浜に小さな青い星をいくつも散らしている。
「うわぁ……! 綺麗……! 恵梨香ちゃん、これ、ほんとに初めて作ったの?」
桃子が顔を近づけ、その瞳を石と同じ色に輝かせて感嘆の声を上げる。
「ほんと、すごいよ恵梨香さん。カットの仕方に、迷いがないっていうか……。健太郎さんの『慈愛の加工』にも通じるような、素材への優しさを感じるよ」
結衣も魔法水晶を近づけ、その神々しいまでの輝きを余すことなく記録に収めた。レザーワークス広報担当としての彼女の直感が「これは世に出すべき逸品だ」と叫んでいる。
健太郎は恵梨香の手を包むようにして、その石をじっくりと見つめた。
「……ああ、完璧だ。初めてでこれだけの面を出せるとはな。恵梨香、お前にはやはり天性のセンスがある」
「……っ、ほんまに? 健太郎さん、嘘やないな?」
恵梨香の瞳が、喜びで潤む。男に捨てられ、自分を守るためにギャルという鎧を着てきた彼女にとって、自分の「手」が生み出したものを、最愛の男に認められるという経験は、何物にも代えがたい救いだった。
「妾も認めざるを得ませんわ。この石には、恵梨香のあるじへの純粋な想いが『輝き』として宿っております。聖霊の妾が見ても、濁りのない美しい光ですわ」
アイリスが慈愛に満ちた表情で、恵梨香の頭を優しく撫でる。
「……へへ、そないに褒められたら、うち、調子乗ってまうやん」
恵梨香は照れくさそうに鼻をすすり、健太郎に顔を寄せた。
「健太郎さん。この石、一番最初に健太郎さんに触ってほしいねん。うちが初めて作った、うちの魂の一部やから……」
健太郎はその言葉に応えるように、恵梨香の指先ごと蒼海石を握りしめた。
「分かった。この石は、俺が作る次の作品の『核』に使わせてもらう。恵梨香、最高の素材をありがとうな」
「……うん! うち、もっとぎょうさん作ったるからな!」
無人島の朝、少女が初めて生み出した輝きは、健太郎たちの絆をより一層深く、青く照らし出していた。
【密林の胎動、職人の牙】
恵梨香が削り出した『蒼海石』の輝きに勇気づけられ、一行はいよいよ無人島の深部へと足を踏み入れることにした。
「よし、午前中は二手に分かれて行動するぞ。俺はテントの補強と新しい装備の素材にするため、高台にいた巨大な鳥型の魔獣……『スカイ・ラプター』というらしいがそいつを狙う。
革細工師として、あのしなやかな翼の皮はどうしても手に入れておきたい」
健太郎が革の道具袋を締め直しながら告げると、アイリスが艶然と微笑み、恵梨香の肩を抱き寄せた。
「では主、恵梨香は妾が預かりましょう。彫金師としてあの石を真に仕上げるには、森の奥にのみ自生する『月光の滴』という特殊な触媒が必要不可欠ですわ。妾の先導で、恵梨香を一人前の職人へと導いて差し上げます」
「アイリスさん……。おおきに、頼むわ。健太郎さん、うちは触媒をきっちり手に入れてくるから、健太郎さんも怪我せんといてや? 帰ってきたら、最高の金具の打ち合わせ……しような」
恵梨香は健太郎の胸に一度だけ顔を埋め、名残惜しそうに離れると、アイリスと共に鬱そうと茂る密林の奥へと消えていった。
【無人島・断崖の領域:健太郎・結衣・桃子】
一方、健太郎は結衣と桃子を連れ、島を見下ろす断崖へと向かっていた。
「健太郎さん、見て! あそこの岩棚に大きな巣があるよ!」
結衣がハキハキとした声で指差す。そこには、翼を広げれば5メートルはあろうかという巨鳥、スカイ・ラプターが鋭い眼光で海を睨んでいた。
「わわ……あんなに大きいのが相手なの? 健太郎さん、桃子、怖いけど一生懸命応援するね!」
桃子が健太郎の腕にしがみつき、Fカップの柔らかな感触で彼の緊張をほぐす。
「ああ、あれだけの巨体だ。皮は厚く、それでいて驚くほど軽い。テントの防風布や、お前たちの新しい靴を作るのに最高の素材になる」
健太郎は愛用の剛直な弓――アイリスの本体を構えた。アイリスが不在でも、その絆は深層意識で繋がっている。
「結衣、風のバフを頼む。桃子は魔獣が怯んだ隙に、足止めを」
「了解だよ、健太郎さん! 『ウィンド・エンチャント』!」
「桃子も頑張る! 『マッド・バインド』、えいっ!」
結衣の魔法が健太郎の矢に追い風を与え、桃子の土魔法がスカイ・ラプターの足を岩場に縫い止める。
「――仕留める」
健太郎が放った一矢は、空気の壁を切り裂き、巨鳥の喉元へと吸い込まれた。
凄まじい絶叫と共に巨体が崩れ落ちる。健太郎はすぐさま駆け寄り、職人の手つきで鮮やかに『解体』を始めた。
【無人島・密林の最深部:アイリス・恵梨香】
その頃、アイリスと恵梨香は、光さえ届かない深い緑の迷宮にいた。
「恵梨香、怯えてはいけませんわ。職人の道とは、時にこのような暗闇から真実の輝きを見つけ出す作業なのです」
「……分かってる。健太郎さんがうちを信じてエプロン作ってくれたんや。ここで逃げたら、一生おっさんの隣には立てへん」
恵梨香は彫金用のハンマーを握りしめ、アイリスの背中を追う。
やがて、二人の前に、巨大な大樹の根元に溜まった、銀色に光る液体が現れた。
「あれが……『月光の滴』?」
「ええ。ですが、守護者が現れますわよ。恵梨香、戦いながら採取する……それがこの島の『サバイバル』ですわ」
根元から這い出してきた巨大な甲殻類型の魔獣に対し、恵梨香は関西弁で気合を入れた。
「健太郎さんのためや……。あんたなんかに、邪魔はさせへんで!」
恵梨香の彫金師としての最初の「試練」が、静かに、そして激しく幕を開けた。
健太郎は無事に極上の鳥皮を手に入れ、恵梨香もまた、アイリスの試練に立ち向かっています。
健太郎が設営したテントの脇に、平らな大岩を利用した「即席の彫金台」がしつらえられた。
恵梨香は、健太郎から贈られたばかりの革エプロンをきつく締め直し、指先にはしなやかな指サックを装着している。
その姿は、いつもの派手なギャルの印象を残しつつも、どこか凛とした「職人の卵」としての気迫を漂わせていた。
「よし……まずはこの余分な角を落として、形を整えるんやな……。健太郎さん、見といてや」
恵梨香は、昨夜教わった通りにタガネを蒼海石の脈に当て、慎重にハンマーを振り下ろす。
その真剣な眼差しは、周囲の風景が消え、石と自分だけの世界に入り込んでいるようだった。
そこへ、テントの幕が上がり、目をこすりながら結衣と桃子が出てきた。
「んんっ……あ、健太郎さん、おはよう。……って、ええっ!? 恵梨香ちゃん!?」
桃子が驚きで一気に目を覚まし、パタパタと駆け寄ってくる。
「何その格好! めっちゃかっこいい! 職人さんみたいだよ!」
「わっ、桃子、急に抱きつくなや! 今、大事なとこなんやから……」
恵梨香は照れ隠しに顔を赤らめながらも、作業の手は止めない。
結衣も、その光景を見て驚きに目を見開いた。
「恵梨香さんが彫金……? 健太郎さん、これって……」
「ああ。恵梨香が、自分も作る側になりたいと言い出してな。俺がエプロンと指サックを見繕ってやったんだ」
健太郎が満足げに頷くと、結衣はパッと表情を輝かせ、インベントリから「記録用の魔法水晶」を取り出した。
「さすが健太郎さん! 恵梨香さん、それ、最高に絵になってるよ! 私、家族として、この『彫金師・エリカ』の誕生の瞬間をバッチリ記録させてもらうね!」
「ちょっと結衣さん、変な動画撮らんといてや! うち、まだ始めたばっかりやし……」
恵梨香は文句を言いながらも、仲間たちに認められ、期待されていることに喜びを隠せない。
「ふふ、主。恵梨香の集中力、なかなかのものですわ。石に宿る魔力が、彼女の意欲に呼応して輝きを増しております」
いつの間にか顕現していたアイリスが、健太郎の肩に手を置き、愛おしそうに恵梨香の作業を見守る。
結衣が水晶をかざし、様々な角度から恵梨香の作業風景を収めていく。
「いいよいいよ、恵梨香さん! その、石を見つめる鋭い視線……健太郎さんにそっくり! 二人の共同制作第一号ができたら、絶対自慢しなきゃ!」
「結衣さん、気が早いわ……。でも、やるからには中途半端なもんは出さへんで。健太郎さんが胸張って『これ、うちの相棒が作った金具や』って言えるようなもん、絶対作ったるからな!」
恵梨香の力強い宣言と共に、無人島に新しい「創造」の音が響き渡る。
健太郎はその様子を見ながら、自分の隣に並ぼうとする彼女たちの成長を、心地よい誇らしさとともに感じていた。
キンッ、という最後の一撃が入り江に響き渡った。
恵梨香が慎重にタガネを離すと、大岩の上には、荒削りながらも息を呑むほどに美しい、一欠片の蒼い結晶が転がっていた。
「……できた。健太郎さん、見て。これ……これで合ってるかな?」
恵梨香がおずおずと差し出したその手のひらの上には、島の陽光を浴びて深海のように透き通った青を放つ『蒼海石の雫』が鎮座していた。
表面には、健太郎が教えた通り、石の脈に逆らわずに削り出された滑らかな面がいくつかあり、それがプリズムのように周囲の光を反射して、砂浜に小さな青い星をいくつも散らしている。
「うわぁ……! 綺麗……! 恵梨香ちゃん、これ、ほんとに初めて作ったの?」
桃子が顔を近づけ、その瞳を石と同じ色に輝かせて感嘆の声を上げる。
「ほんと、すごいよ恵梨香さん。カットの仕方に、迷いがないっていうか……。健太郎さんの『慈愛の加工』にも通じるような、素材への優しさを感じるよ」
結衣も魔法水晶を近づけ、その神々しいまでの輝きを余すことなく記録に収めた。レザーワークス広報担当としての彼女の直感が「これは世に出すべき逸品だ」と叫んでいる。
健太郎は恵梨香の手を包むようにして、その石をじっくりと見つめた。
「……ああ、完璧だ。初めてでこれだけの面を出せるとはな。恵梨香、お前にはやはり天性のセンスがある」
「……っ、ほんまに? 健太郎さん、嘘やないな?」
恵梨香の瞳が、喜びで潤む。男に捨てられ、自分を守るためにギャルという鎧を着てきた彼女にとって、自分の「手」が生み出したものを、最愛の男に認められるという経験は、何物にも代えがたい救いだった。
「妾も認めざるを得ませんわ。この石には、恵梨香のあるじへの純粋な想いが『輝き』として宿っております。聖霊の妾が見ても、濁りのない美しい光ですわ」
アイリスが慈愛に満ちた表情で、恵梨香の頭を優しく撫でる。
「……へへ、そないに褒められたら、うち、調子乗ってまうやん」
恵梨香は照れくさそうに鼻をすすり、健太郎に顔を寄せた。
「健太郎さん。この石、一番最初に健太郎さんに触ってほしいねん。うちが初めて作った、うちの魂の一部やから……」
健太郎はその言葉に応えるように、恵梨香の指先ごと蒼海石を握りしめた。
「分かった。この石は、俺が作る次の作品の『核』に使わせてもらう。恵梨香、最高の素材をありがとうな」
「……うん! うち、もっとぎょうさん作ったるからな!」
無人島の朝、少女が初めて生み出した輝きは、健太郎たちの絆をより一層深く、青く照らし出していた。
【密林の胎動、職人の牙】
恵梨香が削り出した『蒼海石』の輝きに勇気づけられ、一行はいよいよ無人島の深部へと足を踏み入れることにした。
「よし、午前中は二手に分かれて行動するぞ。俺はテントの補強と新しい装備の素材にするため、高台にいた巨大な鳥型の魔獣……『スカイ・ラプター』というらしいがそいつを狙う。
革細工師として、あのしなやかな翼の皮はどうしても手に入れておきたい」
健太郎が革の道具袋を締め直しながら告げると、アイリスが艶然と微笑み、恵梨香の肩を抱き寄せた。
「では主、恵梨香は妾が預かりましょう。彫金師としてあの石を真に仕上げるには、森の奥にのみ自生する『月光の滴』という特殊な触媒が必要不可欠ですわ。妾の先導で、恵梨香を一人前の職人へと導いて差し上げます」
「アイリスさん……。おおきに、頼むわ。健太郎さん、うちは触媒をきっちり手に入れてくるから、健太郎さんも怪我せんといてや? 帰ってきたら、最高の金具の打ち合わせ……しような」
恵梨香は健太郎の胸に一度だけ顔を埋め、名残惜しそうに離れると、アイリスと共に鬱そうと茂る密林の奥へと消えていった。
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一方、健太郎は結衣と桃子を連れ、島を見下ろす断崖へと向かっていた。
「健太郎さん、見て! あそこの岩棚に大きな巣があるよ!」
結衣がハキハキとした声で指差す。そこには、翼を広げれば5メートルはあろうかという巨鳥、スカイ・ラプターが鋭い眼光で海を睨んでいた。
「わわ……あんなに大きいのが相手なの? 健太郎さん、桃子、怖いけど一生懸命応援するね!」
桃子が健太郎の腕にしがみつき、Fカップの柔らかな感触で彼の緊張をほぐす。
「ああ、あれだけの巨体だ。皮は厚く、それでいて驚くほど軽い。テントの防風布や、お前たちの新しい靴を作るのに最高の素材になる」
健太郎は愛用の剛直な弓――アイリスの本体を構えた。アイリスが不在でも、その絆は深層意識で繋がっている。
「結衣、風のバフを頼む。桃子は魔獣が怯んだ隙に、足止めを」
「了解だよ、健太郎さん! 『ウィンド・エンチャント』!」
「桃子も頑張る! 『マッド・バインド』、えいっ!」
結衣の魔法が健太郎の矢に追い風を与え、桃子の土魔法がスカイ・ラプターの足を岩場に縫い止める。
「――仕留める」
健太郎が放った一矢は、空気の壁を切り裂き、巨鳥の喉元へと吸い込まれた。
凄まじい絶叫と共に巨体が崩れ落ちる。健太郎はすぐさま駆け寄り、職人の手つきで鮮やかに『解体』を始めた。
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その頃、アイリスと恵梨香は、光さえ届かない深い緑の迷宮にいた。
「恵梨香、怯えてはいけませんわ。職人の道とは、時にこのような暗闇から真実の輝きを見つけ出す作業なのです」
「……分かってる。健太郎さんがうちを信じてエプロン作ってくれたんや。ここで逃げたら、一生おっさんの隣には立てへん」
恵梨香は彫金用のハンマーを握りしめ、アイリスの背中を追う。
やがて、二人の前に、巨大な大樹の根元に溜まった、銀色に光る液体が現れた。
「あれが……『月光の滴』?」
「ええ。ですが、守護者が現れますわよ。恵梨香、戦いながら採取する……それがこの島の『サバイバル』ですわ」
根元から這い出してきた巨大な甲殻類型の魔獣に対し、恵梨香は関西弁で気合を入れた。
「健太郎さんのためや……。あんたなんかに、邪魔はさせへんで!」
恵梨香の彫金師としての最初の「試練」が、静かに、そして激しく幕を開けた。
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