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序章
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幼い頃から僕、天羽真白は好きになる人の性別に頓着がなかった。格好良いや可愛いという言葉が似合う人と付き合うようになったのは高校から。それまでは人の目が気になって仕方なかった。
そんな中、唯一後悔していることが一個だけある。それは、幼馴染である酒々井一希と一度だけセックスをしてしまったことである。
どうしてセックスをしてしまったのか、セックスをするまでに至ったのか。
残念なことに僕はその経緯を全くと言っていいほど覚えていなかったのだ。記憶にあるのは快感に抗えず、ただただ喘ぎ声を漏らすことしか出来なかったことだけ。
その後は一希と顔を合わせることなく高校を卒業して僕は専門学校に、一希は大学に進んだ。
僕は専門学校を卒業した後、就職した場所で知り合った女性と結婚して子どもを二人も授かった。だが結婚した彼女は身体がとても弱く、子どもたちを産む時も難産だった。
そんな彼女は一年前、病気で亡くなってしまった。
途方に暮れながらも子どもたちの面倒で忙しない生活を送っていたある日、子どもたちの通う保育園に新しい子が入ることになった。息子の悠音と同じクラスに入ってきた子で〝はるくん〟というらしい。
男の子らしいのだが女の子のような名前なので会うまで僕は女の子だと思っていた。くん付けで呼ばれている時点で気付けば良かったものを……。
そんなことを思いながら悠音と雪音の迎えに行くと見知った人物を見つけた。昔と何も変わっていない姿に思わず声を掛けてしまった。
「一希?」
「……真白?」
これが幸か不幸か僕たちの再会した日になった。
そんな中、唯一後悔していることが一個だけある。それは、幼馴染である酒々井一希と一度だけセックスをしてしまったことである。
どうしてセックスをしてしまったのか、セックスをするまでに至ったのか。
残念なことに僕はその経緯を全くと言っていいほど覚えていなかったのだ。記憶にあるのは快感に抗えず、ただただ喘ぎ声を漏らすことしか出来なかったことだけ。
その後は一希と顔を合わせることなく高校を卒業して僕は専門学校に、一希は大学に進んだ。
僕は専門学校を卒業した後、就職した場所で知り合った女性と結婚して子どもを二人も授かった。だが結婚した彼女は身体がとても弱く、子どもたちを産む時も難産だった。
そんな彼女は一年前、病気で亡くなってしまった。
途方に暮れながらも子どもたちの面倒で忙しない生活を送っていたある日、子どもたちの通う保育園に新しい子が入ることになった。息子の悠音と同じクラスに入ってきた子で〝はるくん〟というらしい。
男の子らしいのだが女の子のような名前なので会うまで僕は女の子だと思っていた。くん付けで呼ばれている時点で気付けば良かったものを……。
そんなことを思いながら悠音と雪音の迎えに行くと見知った人物を見つけた。昔と何も変わっていない姿に思わず声を掛けてしまった。
「一希?」
「……真白?」
これが幸か不幸か僕たちの再会した日になった。
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