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【第5章(最終章)】
■第104話 : 取り戻すべき仲間
「なぁ日高、わざわざ歩き回って探すより、電話の方がよかったんじゃないか?
夏目の携帯に電話すりゃそれで終わりじゃん。
あんまり東口の方をウロウロしてると、土屋たちと出くわすかもしれないし」
翌日の10:00。
昨日の串丸での飲みで約束した通り、今日は皆で優司を探しに行くことになっていた。
いろいろな蟠りを解消するために。
既に来ているのは日高とヒデの二人。
真鍋は遅刻。
小島は用事があるらしく、途中から合流する予定だった。
この待っている時間に、ヒデが不安に思っていたことを思わず口にしたのだ。
だが日高は、ヒデの不安を明るく否定した。
「そんなこと気にすんなよヒデ!
よそ者なんぞにいちいちビビって街を自由に歩けないなんて悲しすぎるだろ。
あと、夏目の件にしたって、電話なんかじゃダメなんだよ。やっぱ、大事なことは会って話さないと」
「まあ……そうだけどさ」
そこへ、真鍋が大声を出しながら駆け寄ってきた。
「わりい~! 遅くなった!」
「おせぇよ遼介! あれだけ言っといたのに、なんで遅刻するんだよ」
「違うんだって! あまりの眠さについ二度寝しちまってさぁ」
「違わねぇじゃん……。それを遅刻っつーんだよ!」
「あ、やっぱり?」
自分が悪いことがわかっているゆえ、おどけて誤魔化そうとする真鍋。
日高は、いつものことなのでいちいち真剣に怒ったりせず流した。
「まあいいや。
よし、じゃあ行くか、東口の方に」
「おう!
それにしても東口かぁ。たまに飲みに行くことはあっても、打ちに行くことなんて滅多にないからな。こんな時間にあっちに行くなんて、なんか不思議な感じしねぇ?」
「おいおい、遠足に行くんじゃないぜ? 何を子供みたいにワクワクしてんだよ」
「わかってるって!
そんなんじゃなくてよ、ほら……。
まあいいや、とにかく行こうぜ!」
真鍋が妙にテンションが高い理由、それは、久々に優司と飲めるかも、という期待からだった。
その嬉しさが素直に表に現れていたのだ。
軽口を叩いてはいるものの、実は真鍋もだいぶ優司のことを気にかけていた。
つい最近まで、いつも一緒にツルんで酒を飲んでいた仲間だったのに、急に疎遠になってしまった寂しさを、人一倍感じていたのである。
つかつかと勢いよく歩き出す真鍋。
日高とヒデも、キュっと表情を引き締めつつ歩き出した。
◇◇◇◇◇◇
東口のホール『マーメイド』。
ここは、土屋が雇っている打ち子たちが打ちに来るホールの一つ。
打ち子たちを取り仕切っている柿崎は、珍しく現場の様子を見に来た土屋とともにこのホールにいた。
土屋は、打ち子たちがどういった感じで稼動しているのかを見に来ていたのだ。
そんな折、何やら3人ほどの男がホールへ入ってきて、中の様子を窺っていた。
なんとなくそちらに視線をやる土屋。
すると、その瞬間ハっとした。
「あ、あれは……」
土屋の異変に気付き、すぐに柿崎が質問をする。
「ん? どうしたの土屋君?」
「……柿崎、ちょっとあいつらの様子を探ってこい」
「え? あいつらって?」
「入り口付近にいる3人組の男だよ。なんでこんなところにいるかを聞いてきてくれ」
「う、うん……。それはいいけど……。誰なのあいつら?」
「日高とその仲間たちだ。ちょっと前まで、夏目と一番親しかった奴ららしくてな。
あいつらは基本的に西口のホールにしか出没しないはずなのに、なんで東口に来てんのかと思ってよ」
「なるほど。夏目を取り戻しに来たんじゃないかってことだね?」
「ああ。それを確かめたいんだ。
もし連れ戻そうとしてるんなら、ちょっと厄介だからな」
「オッケー、今聞いてくるよ」
「いきなり好戦的な感じでいくなよ? まだ今は派手に揉めるべき時期じゃないからな」
「うん、わかった。なるべく穏便に済ませる」
言い終わると、すぐさま日高たちの方へと歩み寄る柿崎。
同時に、土屋はホール内にある大きい柱の陰に身を潜めた。
◇◇◇◇◇◇
「ちょっといい?」
夏目優司をどこかで見かけていないかどうかを聞く相手を物色していたところ、不意に声をかけられた日高。
なかなか威圧感のある体格をしている男だった。
「……ん? 誰あんた?」
「俺が誰かはまあいいじゃん。
そんなことよりさ、君ら、このホールに何しに来てんの?」
ここで真鍋が割って入る。
「何しに来ようとお前の知ったことかよ。何の用なんだよ?」
「……いや、大したことじゃないんだけどさ。
このホールは俺達がホームにしてる店だから、つい気になったんだよ。
君ら、西口で立ち回ってる人たちだろ?」
今度は日高が答える。
「普段西口で立ち回ってるからって、こっちに来ちゃいけないっていう決まりでもあるのか?
お前に関係ないことだろ? 引っ込んでろよ」
「あ? なんだと……?」
穏便に済ませるように言われていたが、ついついアツくなってくる柿崎。
その様子を見て、真鍋も既に臨戦体勢に入っている。
指をポキポキと鳴らし、柿崎を睨みつけていた。
「はい、そこまで。そこまで」
手をパチパチと叩きながら、柿崎の背後の方から金髪の男がやってきた。
日高たちは、この突如入ってきた男が誰なのかわからず戸惑っていた。
しかし数秒後、日高がその正体に気付いた。
「お前ッ…………土屋か!?」
真鍋とヒデは、その名を聞いた瞬間身を強張らせた。
夏目の携帯に電話すりゃそれで終わりじゃん。
あんまり東口の方をウロウロしてると、土屋たちと出くわすかもしれないし」
翌日の10:00。
昨日の串丸での飲みで約束した通り、今日は皆で優司を探しに行くことになっていた。
いろいろな蟠りを解消するために。
既に来ているのは日高とヒデの二人。
真鍋は遅刻。
小島は用事があるらしく、途中から合流する予定だった。
この待っている時間に、ヒデが不安に思っていたことを思わず口にしたのだ。
だが日高は、ヒデの不安を明るく否定した。
「そんなこと気にすんなよヒデ!
よそ者なんぞにいちいちビビって街を自由に歩けないなんて悲しすぎるだろ。
あと、夏目の件にしたって、電話なんかじゃダメなんだよ。やっぱ、大事なことは会って話さないと」
「まあ……そうだけどさ」
そこへ、真鍋が大声を出しながら駆け寄ってきた。
「わりい~! 遅くなった!」
「おせぇよ遼介! あれだけ言っといたのに、なんで遅刻するんだよ」
「違うんだって! あまりの眠さについ二度寝しちまってさぁ」
「違わねぇじゃん……。それを遅刻っつーんだよ!」
「あ、やっぱり?」
自分が悪いことがわかっているゆえ、おどけて誤魔化そうとする真鍋。
日高は、いつものことなのでいちいち真剣に怒ったりせず流した。
「まあいいや。
よし、じゃあ行くか、東口の方に」
「おう!
それにしても東口かぁ。たまに飲みに行くことはあっても、打ちに行くことなんて滅多にないからな。こんな時間にあっちに行くなんて、なんか不思議な感じしねぇ?」
「おいおい、遠足に行くんじゃないぜ? 何を子供みたいにワクワクしてんだよ」
「わかってるって!
そんなんじゃなくてよ、ほら……。
まあいいや、とにかく行こうぜ!」
真鍋が妙にテンションが高い理由、それは、久々に優司と飲めるかも、という期待からだった。
その嬉しさが素直に表に現れていたのだ。
軽口を叩いてはいるものの、実は真鍋もだいぶ優司のことを気にかけていた。
つい最近まで、いつも一緒にツルんで酒を飲んでいた仲間だったのに、急に疎遠になってしまった寂しさを、人一倍感じていたのである。
つかつかと勢いよく歩き出す真鍋。
日高とヒデも、キュっと表情を引き締めつつ歩き出した。
◇◇◇◇◇◇
東口のホール『マーメイド』。
ここは、土屋が雇っている打ち子たちが打ちに来るホールの一つ。
打ち子たちを取り仕切っている柿崎は、珍しく現場の様子を見に来た土屋とともにこのホールにいた。
土屋は、打ち子たちがどういった感じで稼動しているのかを見に来ていたのだ。
そんな折、何やら3人ほどの男がホールへ入ってきて、中の様子を窺っていた。
なんとなくそちらに視線をやる土屋。
すると、その瞬間ハっとした。
「あ、あれは……」
土屋の異変に気付き、すぐに柿崎が質問をする。
「ん? どうしたの土屋君?」
「……柿崎、ちょっとあいつらの様子を探ってこい」
「え? あいつらって?」
「入り口付近にいる3人組の男だよ。なんでこんなところにいるかを聞いてきてくれ」
「う、うん……。それはいいけど……。誰なのあいつら?」
「日高とその仲間たちだ。ちょっと前まで、夏目と一番親しかった奴ららしくてな。
あいつらは基本的に西口のホールにしか出没しないはずなのに、なんで東口に来てんのかと思ってよ」
「なるほど。夏目を取り戻しに来たんじゃないかってことだね?」
「ああ。それを確かめたいんだ。
もし連れ戻そうとしてるんなら、ちょっと厄介だからな」
「オッケー、今聞いてくるよ」
「いきなり好戦的な感じでいくなよ? まだ今は派手に揉めるべき時期じゃないからな」
「うん、わかった。なるべく穏便に済ませる」
言い終わると、すぐさま日高たちの方へと歩み寄る柿崎。
同時に、土屋はホール内にある大きい柱の陰に身を潜めた。
◇◇◇◇◇◇
「ちょっといい?」
夏目優司をどこかで見かけていないかどうかを聞く相手を物色していたところ、不意に声をかけられた日高。
なかなか威圧感のある体格をしている男だった。
「……ん? 誰あんた?」
「俺が誰かはまあいいじゃん。
そんなことよりさ、君ら、このホールに何しに来てんの?」
ここで真鍋が割って入る。
「何しに来ようとお前の知ったことかよ。何の用なんだよ?」
「……いや、大したことじゃないんだけどさ。
このホールは俺達がホームにしてる店だから、つい気になったんだよ。
君ら、西口で立ち回ってる人たちだろ?」
今度は日高が答える。
「普段西口で立ち回ってるからって、こっちに来ちゃいけないっていう決まりでもあるのか?
お前に関係ないことだろ? 引っ込んでろよ」
「あ? なんだと……?」
穏便に済ませるように言われていたが、ついついアツくなってくる柿崎。
その様子を見て、真鍋も既に臨戦体勢に入っている。
指をポキポキと鳴らし、柿崎を睨みつけていた。
「はい、そこまで。そこまで」
手をパチパチと叩きながら、柿崎の背後の方から金髪の男がやってきた。
日高たちは、この突如入ってきた男が誰なのかわからず戸惑っていた。
しかし数秒後、日高がその正体に気付いた。
「お前ッ…………土屋か!?」
真鍋とヒデは、その名を聞いた瞬間身を強張らせた。
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